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「教えてあげる」は甘やかすことではない、という話②

こんにちは!株式会社WOW WORLDで教育担当をしている嬉野(うれしの)です。
「教えてあげる」は甘やかすことではない、というテーマで3回にわたり記事を掲載中です。2回目の本日は、「新人から質問されたとき、どう対応したらよいか」について、私が実践していることをもとに解説します。
(1回目は、新人が分からないことを質問しやすい環境作りが重要だというお話をしました。記事はこちら

質問は大体2種類に分類可能


大体の質問は次の2パターンに分類ができると思います。

(1)明確な正解があるもの
(2)正解がない、模範解答がないもの

(1)の具体例としてはツールの使い方や社内ルール、ルーティン業務などが当てはまります。これらに関しては慣れて覚えてもらう必要があるため、速やかに教えたほうが手っ取り早いです。

(2)の具体例は提案内容を考えたり資料を作成したり、何かを生み出す業務が当てはまります。知識を使って思考させる必要があるため、答えよりもヒントを与えるほうが成長につながると考えています。


明確な正解がある質問にはすぐに答えたほうが良い。しかしそもそも聞かない努力もしてほしい

明確な正解がある質問は回答を教えてしまったほうが確かに早いです。とはいえ、新人側にも「聞く前に調べる」という努力はしてほしいところです。

これは新人さんたちにお伝えしたいことですが、正解があるということは、どこかに答えがあるはずです(マニュアルに記載がある、過去のメモに記してあるなど)。しかし、確認に時間をかけすぎると「無駄な時間」になってしまうので注意が必要です。

たとえば「システムにログインして一通りの操作をしてみてね」と依頼されたにも関わらず「パスワードを思い出すこと」に時間をかけてしまったらどうでしょう。本来の目的である「一通りの操作をする」ことができなくなってしまいます。どの程度悩めばいいか分からないという場合は、本来やらなければならないことは何かを一度思い出してみましょう。

こういった場面でトレーナー側は「パスワードを忘れたこと」を叱ってはいけません。叱るのであれば、忘れたことで「本来やるべきことができず、進捗が遅れてしまうこと」に対して指摘をしてください。叱り方は私も手探り状態ですが、また別の機会に取り上げます。

考えさせる質問は思考のヒントを与えると効果的


答えのない質問は「知識を使って考える」「仮説を立ててみる」ことが必要なものがほとんどなので、正解がありません。この場合トレーナーは自分の考えを「ひとつの答え」として教えることになりますが、

「思考のヒント」をあげるほうがより良い指導になると考えます。
新人に考えさせる前にトレーナーが考えた答えを教えてしまうと「ひとつの答え」に固執してしまい、本来本人が持っているはずのアイデアを生み出せなくなってしまうかもしれません。


思考のヒントを与えるとは「記憶を紐解く手伝い」をすること


では思考のヒントとは一体どのようなものでしょうか。
私は「記憶を紐解く手伝い」つまり「知識を思い出させるためのキーワードを伝える」のが思考のヒントだと考えています。

たとえば、「メール配信システムと一般的なメーラーの違いってなんだと思う?」という質問をしたとします。

この場合、答えの一つを教えてしまうと「自分で気付く」経験が減ってしまいますし、他の答えを導く要素にもなり得ません。したがって「たとえば〇〇の機能で比較したらどうなる?」などのヒントを出してあげることをおすすめします。

〇〇について比較することで答えがひとつ見つかりますし、「比較」という思考方法を伝えることで想像力が働き、うまくいけば芋づる式に他の答えも見つかっていくと思います。

とはいえ、この思考のヒントは人によっても適切な出し方が異なると考えています。というわけで次回のテーマは「タイプ別!指導方法3選」です。

自分はこうしています、などご意見がありましたらコメントにて教えていただけますと幸いです。それではまた次回、よろしくお願いいたします。