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【みんなで一緒に考えよう】図形のふしぎと宇宙《小・中・高校生》

みなさん、こんにちは。初めまして。「ひよこ」です。
初めて記事を書くので緊張しています。これからよろしくお願いします。
私は音楽と犬とペンギンが好きな、数学を勉強している学生です。
これから記事を通じて、みんなと沢山お話ができたら嬉しいです。

さて、今日は変わった図形を描いてみたいと思います。「そんなの描けないよ!」と思うような図形を、ちょっと工夫しながら一緒に描いてみませんか?

とりあえず、まずは一緒に「三角形(さんかく)」を描いてみましょう。こんな感じです:

三角形

次は「四角形(しかく)」を描いてみましょう。

四角形

どうでしたか?色々な四角形が沢山あると思いますが、どの四角形にも四つの頂点(角)と四つの辺(頂点同士を結ぶ線)がありますね。

では、次にちょっと変わったチャレンジをしてみましょう。「一角形」と「二角形」を自由に描いてみてください。

一角形?
二角形?

私はこのように描きました。頂点を分かりやすく黒丸にしています。一角形には頂点と辺が一つずつあり、二角形には頂点と辺が二つずつあります。
そしてどの辺も頂点同士を結んでいますね。

みなさんはどのように描きましたか?「一角形や二角形なんて描けないよ!」という人もいたかもしれませんね。その感覚はとても正しいです。
なぜならば、三角形以上の図形の辺は皆直線(真っ直ぐな線)なのに、一角形と二角形の辺は曲線(曲がっている線)になってしまっているからです。

では、曲線を使わずに一角形や二角形を描くことはできないのでしょうか?

実は、紙の上に一角形と二角形をきちんと(曲線を使わずに)書くことはできませんが、「球面(ボールのように丸い面)」の上には書くことができます。

実際に考えてみましょう。突然ですがここで一度、みなさんは地球上どこでも動ける旅人になったと想像してみてください。海も山もへっちゃらです。
今みなさんは北極にいます。ここからなるべく早く南極に辿り着きたいとします。寄り道をすると時間を食うので、真っ直ぐ南に向かえば良いですね。

ある人は、真っ直ぐ南に降りていって日本に差し掛かり、東京を通り過ぎて南極に着きました。
またある人は、真っ直ぐ南に降りてアメリカに差し掛かり、ニューヨークを通り過ぎて南極に着きました。

二人の歩いた道を描くと、こんな感じになります:

北極から南極まで

二人は北極を出発してから地球上を真っ直ぐに、つまり直線の上を歩いたはずなのに、それぞれ違う道筋で南極まで辿り着きました。
そして北極と南極を二つの頂点、二通りの道筋を二つの辺とみなせば、地球上に「"直線"を使った二角形」が描けたことになります。

紙の上で上手く描けなかったのものが、地球の上では描けるなんて!不思議ですね。
実際に身の回りのこんなところに「二角形」がありました:

オレンジの皮。緑が頂点、青が辺

ところで、何故こんなことが起きるのでしょう?
というかそもそも、地球やオレンジの表面に描いた線はどうやったって直線じゃないよ、と思った人もいるかもしれませんね。

確かにその通りです。上の写真を見ても分かるように、二角形の辺は、はたから見て明らかに曲がっています。
でも例えばこのオレンジで、皮の表面を歩いて端っこの点同士を行き来するとしたら、その最短ルートは青い線たちなのです。

私たちは平らな紙の上の2つの箇所を行き来する最短ルートを考える時、その2点を結ぶ直線を描きます。
ならば、オレンジなどの球面上の2箇所を結ぶ最短ルートを(例え曲がっていても)"直線"と呼んでしまうことも、おかしなことではないかもしれません。

実際に私たちは普段「東京と沖縄の直線距離は何㎞」などと言ったりします。この直線は本当はオレンジの上の青い線のように地球表面に沿って少しだけ曲がっています。それでもそれを「直線」と呼ぶことに違和感がないのは、地球がとても大きくて曲がり具合を感じさせないだけでなく、それが東京と沖縄を結ぶ最短ルートを表しているからだとも言えます。

これは、紙やパソコンの画面という「平面(平らな面)」の上で考えるか、地球やオレンジのような「球面(ボールのように丸い面)」の上で考えるかによって、直線や様々な図形の性質自体が変わってきてしまうことを表しています。

平面の上では三角形以上しか書くことができませんが、球面の上では一角形や二角形も書くことができます。もちろん三角形以上も書けます。
このように図形を始めとした色々なものを考えるとき、平面上ではなく球面上に舞台を移すなど、そもそもの土台を変えてその中で「新しいルール」を考えたり作ったりできてしまうのが数学のすごいところです。

実はこの考え方を応用すると、地球上などの「球面の世界」をもっと広げて、「宇宙の形」について考えることもできます。
宇宙はとても広大で、私たちがまだ計り知れない「近道」や「最短ルート」を持つ空間があるかもしれません。
私たちが普段意識している机やパソコン画面の「平面の世界」が全てではなかったように、宇宙などの「未知の世界」ではどんな図形が描けるのだろう?そこでどんなことが起きるのだろう?と考えることは、数学、特に幾何学と呼ばれる分野の醍醐味の一つであり、とても興味深い問いです。

では最後に、みんなで地球上に「一角形」を描いてみましょう。どんな風に描けましたか?
難しいな、と感じたら、例えば北極から出発して、地球を大きくぐるっと回ってまた北極に戻ってくる道筋を考えてみましょう。

できた人はぜひコメントで教えてくださいね。描いた絵の写真もぜひ送ってください。
それではまたお会いしましょう!


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