子育て論
年齢的にも友人との会話は自然と「子育て」に関する会話が多くなってきた。
「昨日も勉強しなさいって子どもを怒っちゃってさ・・・」
「どうしたら家で勉強するようになるのかね」
「うちの子、やる気がないからね」
私の仕事を知っている友人はこんな感じで、相談なのか愚痴なのか分からない話をしてくる。そんな気心知れた友人に私は
「自分だって、子どものころは毎日ゲームして遊んでたし、勉強なんてテスト前にしかやってなかったよね」
と真ん中から切っている。
子どもになぜ勉強をしてもらいたいか
私は20年ほど教育業界にいるが、「勉強が好きで好きでたまらない」という子どもに会ったのは数えるくらいしかない。かといって、「やる気がまったくない」と感じる子どもも数えるくらいしか会ったことがない。家で勉強をしないという悩みは自分の家だけではないということである。
ここからは私の持論を展開するが、子育てには正解はなく、考え方の一つとしてとらえていただきたい。
なぜ自分自身が子どものころは「自分から勉強しよう」とならなかったのに、大人になって自分の子どもには「勉強しなさい」と言うようになるのだろう。
子どもの時は「自分が親になったら、子どもが嫌な気持ちになることはしないようにしたい」と思っていても変わっていくのである。
その友人に「何で子どもには勉強させたいの?」と聞くと、
「自分の子どもには苦労してほしくない」
「勉強しておいたほうがよかったなと思う場面が大人になるとたくさんあるからね」
と答えていた。
こうなるのは子どもの時に世界(社会)を見る目線と大人になってから世界(社会)を見る目線が異なり、大人になってからのほうが実社会と勉強の関連性が見えてくるからだろう。
・ニュースを聞いていても、歴史を知らないと何のことか分からず、自分の意見を持てない。
・会社で資料作成を依頼されても、数学的な見方を知らないと、データ分析ができず、資料を作れない。
・言葉を知らないと、仕事上の手紙も書けない。
仕事をしていくうえで直接的に土台になるものも、考え方などの土台になるものも勉強にはあるのだ。勉強をせずに知識が少ないと世の中で起こっているすべてのことに対して、表面だけで善悪を判断してしまったり、深く考えることができず世論に流されやすくなるだろう。さらに、自分の意見が持てないだけでなく、知識がある人の思うままの世界になってしまうわけである。その世界がいいとも悪いとも判断できないままに。
子供はよく見ている
今の子どもたちはある意味成熟していて、表面上の言葉だけでは心を動かすことはできない。言葉を強くして伝えても、勉強はしてくれないだろう。大事なことは「勉強する動機」を与えること。大人になってから気づくことを子どもに理解させることは難しいが、怒らずに根気強く伝えていくべきである。
さらに付け加えると、子どもは親をよく見ている。
日曜に一日中スマホを使用している親の姿を見ている子どもは十中八九同じ行動を取る。
リビングがごちゃごちゃしている環境で育っている子どもはそれが当たり前になる。
逆に大人が楽しそうに勉強や仕事をしていたり、掃除や片づけをしている姿を見せれば、子どももそれが当たり前になる。
「うちの子、自分と悪いところだけ似る」
親になると一度は感じることである。えてして、親の真似をするのが子どもなのである。
言葉で抑えつけようとせずに、行動で示すことが一番である。
よく子どもが親の不満を言うセリフ第一位は「スマホ使いすぎって言うけど、お母さん(お父さん)だって家ではスマホゲームをずっとしてるくせに・・・」なのだから。
ちょっと、お父さんお母さんには厳しいメッセージでしたかね。。。すみません。でもこれがリアルです。
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