記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【ネタバレ】『TENET テネット』を観て、解説を読んで、それでも更に感じた疑問のまとめ

クリストファー・ノーラン監督の映画『TENET テネット』を観ました。しかしストーリーがあまり理解できなかったので、ネタバレを含む解説をいくつも閲覧しました。
なるほどと思う点も多かった半面、それでもなお残った疑問がいくつもできました。この文章内では、現在どこにも解説が見当たらない疑問点や矛盾点ばかりを列挙していきます(ちなみに列挙するだけで解決はしません)。

【 以下、ネタバレありです 】

TENETテネットのタイムライン整理

スクリーンショット (111)

上の画像はタイムラインを図にして整理した物です。さまざまな解説やネタバレ記事で説明されている事なので、詳細はそれらを読んでいただきたいと思います。この記事は「ニールはマックスと同一人物ではないか」とか「キャットのように逆行弾で撃たれると傷が治らず、撃たれた人自身が逆行する事で回復できる」といった話は既に知ったうえで、それでもなお残った疑問や矛盾を感じる点についてまとめた物です。
(ちなみに、映画が難解なので、残された疑問はその中でも更に難解な部分である事も多く、よって文章がややこしくなっている所もあり、その点はご容赦下さい)

①自由意志について

映画内ではパラドックスについては「考えない」と言っていましたが、様々なシーンで時の流れを自由意志で変えられる余地がある(逆行した時の行動次第で歴史が変わる)時と、それが無い(変えられない)時が混在しているように示していたと思います(それか単なる矛盾?いきなりわかりにくい文章ですね…)。

例えば
・キティが乗せられている逆行しいていた車を主人公がブレーキで止めた
→ 時の流れの因果を自由意志で変えられる余地がある事になりませんか?(ならないかも。まだ僕も答えが出てません)

・横転していた車は、順行世界ではいつから横転して高速道路上にあったのか?
→ 主人公によって過去が書き換えられたとかでないと説明できない?

スクリーンショット (115)

・オスロ空港での順行主人公と逆行主人公の戦いは、自由意志に関するノーランの哲学表示ではないか?
→ 逆行主人公は順行主人公と戦っている際には、意図的に以前経験した戦闘と同じ行動はとれないはずなので、思った通りに体を動かしたら結果的にあの動きになったはず。
→ 何故逆行主人公は、順行主人公と戦わなければいけなかったのか?何故危ないのに銃を撃ったのか?
→ 時の流れがそう定まっていて、自由意志で動けないから?

・水溜まりの波紋が見えたら、足の進行は自由意志で変える余地はないのか?波紋が見えた瞬間、足を別の所へ動かそうとしたらどうなるのか?

②逆行世界の物理現象について

・熱い湯と冷たい水を1つのコップに入れた時、片方が逆行ならどう反応する?
→ エントロピー減少(逆行)するなら、混ざらないはず。
→ しかし、片方が反対側から影響を受けるのならそれは混ざった事を意味しないか?(例えば逆行中の冷たい水が、順行中の熱い湯から影響を受けて更に冷たくなったら、それは少しでも混ざった事になるのではないか?)

スクリーンショット (117)

・逆行時は汗が気化しない?であれば体がどんどん暑くなるのでは?

・逆行中は光も逆行するのであれば目は見えるのか?

・逆行時にトイレで用を済ませたら、その水は順行世界で混ざらず過去に向かって永遠に存在しているのか?

・逆行ヘリは何故飛べるのか?プロペラで空気を下に押せないのでは?
→ 逆行世界のヘリを逆行パイロットが動かしているのではなくて、順行世界のヘリの離陸から着陸までの動きを逆行パイロットが動かすだけだから可能ってことですかね?(言い回しがややこしい笑)

③逆行と順行の負傷について

・武器が反対側の時間世界に与える影響が、いろいろなパターンが混在していて矛盾しているように感じる。
→ オスロ空港で主人公が受けた傷は、刺される前から徐々に出血が広がり、刺された瞬間に傷が消えた。
→ 一方でキティは逆行弾に撃たれてから傷を負ったし、最後のニールは逆行中に順行の弾に撃たれて倒れた。
→ 主人公が受けた刃傷と、キティやニールの受けた弾丸傷との、傷の発生と回復の仕組みの違いは?

・オペラハウスの床やオスロ空港のガラスの銃痕は元からあったのは何故?順行世界でいつから弾丸痕があったのか?
→ つまり自由意志で変えられる余地が時の流れにないと説明不可能ではないか?

・キティはなぜ逆行を駆使して回復したのか?
→ すでに様々な説明が世の考察やレビューとして存在するので確認したが、実はおかしいとまだ思っている。
→ 逆行弾の傷口は逆行してしまっていつまでも回復しないから、傷を逆行させて回復させたという説があったが、それならば順行に戻れば傷がまた開くのでは?
→ 逆行弾の傷口だけ逆行するという事は、時間軸が逆の物に触れたら、触れた場所だけ逆の時間の影響を受けるという事なのか?逆行弾以外もいろいろ危なくないか?逆行主人公はオスロ空港で順行主人公に刺されているが症状が違ったのは何故か?
→ もともとケガをしていたという過去に塗り替えられるという説があったが、であれば時の流れが変わる余地があるという事なのか?

④特定の逆行した物体はいつから順行世界にあったのか?

・弾丸痕と弾丸はいつからオスロ空港やキエフオペラハウスにあったのか?
・ニールの体はいつから倒れていた?
・横転していた逆行車は、いつから高速道路上にあったのか?

⑤その他の疑問

・オスロ空港で逆行主人公は何故銃を撃ったのか?

・ニールが扉の鍵を閉めなければ、鍵はかかっていなかった?
→ 順行世界で事前に鍵を閉められてしまうので、ニールが逆行して閉めに行かなければ順行世界では閉まったままになってしまう?
→ 順行世界で鍵を閉めた人(セイターの部下)は、その脇に何故か転がっているニールの死体を見る事になるが?

・最後のスタルスク12の戦いで、爆破前のビルは上部が残っていて爆破後はビル下部が残っていた。
→ 逆行チームに壊されたビル上部は、いつ完品として順行世界に存在したのか?
→ これはノーランは意図的に矛盾させたと思うんですよね。

・猛スピードで逆走する車って可能なのか?車は逆行装置を通していないから、逆行中の人間にとってはRにギア入れてないと前に走れないはず。Rってそんなにスピードでない。

・カーチェイス前後でセイタ―がアルゴリズム部品を手に入れたのは、実は時間軸上では尋問後ではないか?
→ 順行主人公が逆行主人公の車にアルゴリズムを投げ入れている。順行時間軸ではその後も車の中にあり、逆行主人公が車に乗った時にも車内にあったはず。

・テネット自体を逆再生して見たらどう感じるかな。

最後に

こうやって疑問点を洗い出していくと、この映画も他の映画と同じく、SFなのでご都合で回っている部分がそれなりにあり、細かい部分は気にせずエンタメとして楽しむべし、という気がしてきました。映画内でも「感じろ」「起きた事は仕方ない」「パラドックスは考えない」など、視聴者に向けたメッセージとも取れる台詞がありましたね。
僕はもう一度観る予定ですが、今度は日本最大のIMAXシアターらしい池袋に行こうと思います。もし上記の疑問点、詳しい方がいましたらよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?