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カメラ片手に、プロの写真家と散歩した話〜王子編〜 第3話

この記事は何?

・写真を撮ることが好きな素人が、プロの写真家・和田剛さんと街を歩き、撮った写真を見ながらプロからアドバイスをもらい、カメラの腕を上げてしまおうという連載。

対象読者は?

・写真撮影が上手くなりたい!と思っているカメラ初心者。・プロは何を考えて写真を撮っているのか興味がある人

撮影の概要

・【場所】東京都北区王子
・【日時】2月のとある晴れた日
・【天気】冬の青空

撮影場所の詳細

(前回の記事はこちら
今回の撮影地は、以下のエリアを中心にお届けします。

王子駅周辺(赤い部分のエリア)
都電荒川線、栄町周辺(緑色部分のエリア)
・飛鳥山公園周辺(青色部分のエリア)

設楽:
王子編の最終回は、このあたりのランドマークとも言うべき、飛鳥山公園です。桜の季節は人で溢れるこの公園で、どんな写真が撮れたのでしょうか。

この辺りは、渋沢栄一関連の建物をはじめとした、西洋風の古い建造物が点在していましたよね。これは逆光を取り入れてみたんですがどうですか?

和田:
おーいい写真ですね。逆光しっかり捉えてて意図が伝わっています。設楽さんはこの右にある虹色のハレーションがファインダー越に見えていたと思うのですが、それが見えていたらこの写真の意図は伝わると思います。

設楽:
ここのエリアは光と影のコントラストが印象的で、こういうのも撮りました。
和田さんに色々なことを教わって、最近は散歩している時に撮るべき「影」が見えてきたと言ったらいいんですかね、わかるようになってきました。

和田:
なんと、それは素晴らしいですね。この写真は「影をとっている」というのがよくわかりますね。
さらによくなるのは、もう一歩前に出て、右側の木を消してみるといいかもしれないですね。あと地面が多いですよね。だから地面を消してもう少し木の影が映る壁と空を入れてあげると、さらに良い写真になると思います。

設楽:
あーー確かに!和田さんが撮ったこういう構図のことですよね。

和田:
そうなんですが、これは影を撮っているというか、建築物を撮っていますよね。設楽さんの写真の方が、「影を撮っている」という感じがよく出ています。

設楽:
和田さんのこのあたりの写真で、こっちの方がより「影を撮っている」感じがしますね確かに。

和田:
今回腕を上げたなと思うのは、こういう古い建造物を被写体にする場合、ほとんどの人がその建築物を撮るのですが、そこであえて木の影に着目して撮影しようとしたことですね。そういう視点を得られたというのは、本当に素晴らしいことだと思います。これはスナップ続けてないとなかなか身につかないものですからね。

設楽:
ありがとうございます!
さて、ここから飛鳥山公園のメインのエリアに入ってくるんですが、ここも面白い写真が撮れましたね。この写真とか手前の立ち入り禁止がメッセージ性ありますよね。

和田:
これはあえてブランコの立ち入り禁止を入れることで、写真に「レイヤー」を加えた一枚です。
この状況下で接触を避けようとしている社会を表現しようとしました。ちょっとしたことなんですが、この写真に「レイヤー」を加えるというのを意識しながら撮ると面白いですよ。

設楽:
レイヤーですかー。その写真に物語性を入れるというのが素人にはなかなか難しいんですよね。でも意識して撮るようにしてみます。
そのレイヤーという意味で考えると、私も同じような構図で撮ったんですが、言われてみれば後ろのタワーマンションは入れない方がいいですよね。

もうちょっとフレームに何を入れるか、何を伝えたいのか?というのを考えながら撮らないといけないなー。と思いました。
今回も本当に勉強になることが多かったです!ありがとうございました!
(おわり)

【プロフィール】

和田 剛 | フォトグラファー
旅行と温泉が好き。
写真をまなぶ人のオンラインスクール「
good! studio」主宰

設楽幸生/Sachio Shitara
編集者。1975年東京生まれ。週末カメラ片手に飲み歩くのが趣味な、写真の素人。
Twitterやってます。



東京都八王子市高尾山の麓出身。東京在住の編集者&ライター。ホッピー/ホルモン/マティーニ/アナログレコード/読書/DJ