見出し画像

コンテンツ制作における「編集者」の役割とは?

こんにちは。エディマートの堀田です。

コンテンツ制作の相談を受けていると、「それって、ディレクター・編集者は不在で進めていませんか?」ということがたまにあります。

クライアントから「急に担当することになって…」「他社に見積もったら予算を大幅に超えて…」「社内の承認がなかなか得られなくて…」という入り口で話しを聞くと、大体がディレクター・編集者の存在を意識していないケースが多いと感じます。そんな時にお話するのは、「ディレクター・編集者」という仕事の役割

今回は、コンテンツ制作を行う上で知っておきたい、ディレクター・編集者という役割についてお話ししたいと思います。


1.コンテンツ制作の“マズイ”ケース

例えば「HPをもっと有効活用しよう」となり、記事制作を伴うコンテンツ制作の担当者になった場合。

あなたは自社HPのコラムを「リニューアル」するプロジェクトの担当になったとします。予算も確保できたので、さっそく社外のクリエイターに制作を打診しましょう。

・「社員インタビュー記事」は知り合いのフリーライターに
・動画を使った「ノウハウ発信」は異業種交流会で知り合った動画制作会社に
・「リニューアル」に伴う現状デザインのブラッシュアップは、以前HP制作をお願いしたWeb制作会社に
・「どんな企画を立て、どんなコンテンツにするか」は、社内で意見を出し合って決めることに

さて、このプロジェクトは何事もなく進むのでしょうか?

恐らく、「フリーライターから原稿が上がってこない」「再度デザイン修正をお願いしたいけど修正費がかかる」「動画撮影のネタを出す時間がない」「そもそも、社内で企画がまとまらない」……なんて悲鳴が聞こえてきそうです。

このケースで危ないのは、クリエイティブのプロではないあなたが「ディレクター・編集者」の役割を担当してしまっていること。

限られた時間で、知っている範囲の人脈を使って、期待以上の成果を得ることは、なかなか難しいかと思います。そのためコンテンツ制作を進める場合にはまず、プロジェクトを統括できるディレクター・編集者を立てることをおすすめします。

2.コンテンツ制作におけるディレクター・編集者の役割

プロジェクトによって異なる場合もありますが、ディレクター・編集者の代表的な役割は以下の4つ。

・クライアントの要望を聞き取って、プロジェクトの概要を提案
・ターゲット、専門性、デザインなどの条件に応じて、適するクリエイターをピックアップ
・スケジュールを策定し、品質やスケジュールの管理を行いながら進行
・トラブル発生時の窓口に。速やかに解決策を検討し、担当のセクションに連携

ディレクター・編集者の役割を見ると、広告代理店のお仕事を連想する人も多いのではないでしょうか。実は、広告代理店以外にもコンテンツ制作を統括してくれる会社は多数。会社によって「予算」「守備範囲」「提案力」は異なりますが、コンテンツ制作における自社の負担を軽減させてくれる存在になることでしょう。

ディレクター・編集者が不在でも制作できる?

誤解を恐れずに言えば、ディレクター・編集者が不在でもコンテンツ制作はできます。ただ、自社の負担が大きくなったり、品質を担保できなかったり、スケジュールのコントロールができなかったり……。それなりのリスクは伴うかと思います。

しかし、無い袖は振れません。予算が確保できない、外部のディレクター・編集者と上手く繋がりを持てない場合には、社内でその役割を担う人を立てましょう。その際は、以下のことを意識するようにしてください。

・コンテンツを使って何を達成させたいか。目的とゴールをできるだけ具体的に設定する
・参考となる過去事例はないか。他業界までくまなくリサーチできているか
・進むべき方向に将来性はあるか。著しい時代錯誤を起こしていないか
・ターゲット設定は適切か。そのターゲットに寄り添ったコンテンツを制作し、興味を持ってもらうような仕組みが取れるか
・求める専門性、デザイン性を実現できるチーム(ライター、デザイナー、カメラマン、エンジニアなど)作りができているか
・社内の意思統一を図れているか。意見を集約する仕組みができているか
・出来上がったコンテンツは誰かのためになったり、好奇心を刺激したりする内容になっているか
・広告・宣伝色が出過ぎることなく、常に中立の立場を意識できているか

一定期間運用を続け、何らかの効果を期待するコンテンツ制作では、以上のことに頭を働かせ、都度発生するエラーを解決するリーダーが必要です。
社内で該当するリソースを作るのも良いですが、一般的にはノウハウを蓄積した社外のディレクター・編集者に頼るのが得策かもしれませんね。特に、最後の理由に記載した「中立」という観点から見ても。

依頼するとしたら費用の目安は?誰に相談すれば良いの?

まず、ディレクター・編集者を外注した際に発生する費用について考えていきましょう。

企画費
その名の通り企画を提案する費用です。課題や目的をディレクター・編集者に伝え、それを解決する企画を提案してもらうようにしましょう。
編集費
企画に対して適したクリエイターを集め、品質やスケジュールを管理しながら進めるための費用です。

大きく以上ではないでしょうか(もちろん、ここから取材費や執筆費、デザイン費、撮影費などのお金はかかってきます)。

そして、これらはプロジェクトの大小によって金額が変動しますので、金額を明示することが難しいです。だからこそ、「相場が分からないので…」と心配するよりも、あらかじめ想定予算を提示するのがおすすめ。そうすると、その金額内でベストを尽くす最善の方法を提案してくれるはずです。

またディレクター・編集に繋がりがない場合は、普段お願いしているライターやデザイナーに「ディレクター・編集としての動きはできますか?」と聞いてみてはいかがでしょうか?

案件によって「ライターの顔」「デザイナーの顔」「ディレクター・編集の顔」を使い分けているクリエイターも多いので、聞いてみると話が広がるかもしれません。まずは、御社のことを理解している人から当たると良いかもしれません。

3.最後に

「いろんなライターに執筆をお願いしたので、文体も表記もバラバラ」「撮影で香盤表がなかったため進行に無理が生じた」「イメージと違うデザインだけれど、修正をお願いしにくいのでそのまま進めた」などの声は、いろいろな場所でよく耳にします。

表記の統一を確認するのも、取材の香盤表を作るのも、クリエイターに修正を伝えるのもすべて、基本的にはディレクター・編集のお仕事。
コンテンツ制作を行う際にはまず、それらの対応策を持つパートナーを探すことが先決かと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?