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エディマートの企業理念に「バージョンアップ」が欠かせない理由

こんにちは!エディマート代表の鬼頭です。
本日は、企業活動においてなくてはならない「理念」のお話です。

経営をしているとさまざまな判断を求められます。また、大きなプロジェクトを動かすために人を集め、組織を編成することもあるでしょう。

企業理念がなければ判断がブレてしまいます。
企業理念がなければチームは進むべき方向が見えません。

このように大切な企業理念ですが、掲げているものの、肝心な中身を説明していない会社が多いのではないでしょうか?
当然、企業理念を作った人は理解しています。しかし、人から人へ伝えていくと、勝手な解釈が加わったり、肝心な部分が抜け落ちたりすることがありますよね。「誰もがわかるように」説明することが必要です。

この記事では当社エディマートの企業理念を、図表をまじえながら「背景」「語句の意味」「込められている想い」「ケーススタディ」という順で説明しますので、スタッフはぜひ目を通してください。

また他の企業にとっても、「理念をわかりやすく分解して伝える」ことは、ステークホルダーとのエンゲージメントを高めるためにおすすめです。
貴社に代わってわかりやすく図説することもできますので、興味があればご相談くださいね。


1.背景 │ 企業理念は船がどこへ進むべきかの羅針盤

エディマートの企業理念

エディマートの企業理念
「ベストクリエイティブで、社会と自身をバージョンアップ!」

まずは誕生の背景から説明しましょう。

2003年に会社勤めを辞めて、フリーランスとなった私。“編集でご飯を食べる”という漠然とした考えはありましたが、実際のところは、どこへ行っても、誰と会っても、どんな仕事をしても構いません。

まるで果てしない海に放り出されたような気分。「エディマート丸」という船はどこへ向かうべきなのか……。

自由であることは、「Pleasure(楽しさ)」と「Pressure(圧力)」が背中合わせだと知りました。もちろん、どちらも必要なもの。では、どうすれば心地よいバランスになるのだろう?私はその答えを、企業理念に求めることにしました。

前職では毎日、朝礼で唱和をしていた企業理念。なんでこんなことやるのだろうと、寝ぼけ眼をこすりながら唱えていた「謎の呪文」です。

よし、エディマートのための羅針盤を作ろう!

自らが大海原に飛び出し、ようやく、企業理念の本質と必要性が理解できた気がしました。
ところが、いざ作るとなると「フォーカス具合」が難しい!

フォーカス具合とは、船にたとえるならめざす島の範囲を指します。
日本を出航してめざすのは、サンフランシスコ?カリフォルニア州?アメリカ全土?

目的地がサンフランシスコであれば、まっすぐに進めばいいだけで迷いはありません。でも他の地に眠る宝に出会うことはないでしょう。
絞り込みすぎた理念は活動範囲を狭めますし、ぼんやりしすぎた理念は迷いが増え指針となりません。

絞り込みすぎず、ぼんやりしすぎず。
企業理念は、絶対に譲れないキーワードの最大公約数であるべきでしょう。

2.語句の意味 │ 大切にしたい言葉に添えたエモーション

私自身が仕事において大切にしたいことを洗い出した結果、「クリエイティブ」「社会貢献」「自己実現」「成長」が導き出されました。

それぞれのキーワードについて、エディマートなりの解釈を加えます。

クリエイティブ

ものづくり、創作活動全般。ライティングやデザインに制限しない。
0から1を生み出すのはもちろん、既存のものをよりよくする活動も含む。

社会貢献

すべての仕事は世のため、人のためになるべき。エリアや規模は問わず。
誰かの幸せのために、別の誰かが不幸せになってはいけない。

自己実現

自己実現とは「自分らしい生き方が受け入れられる」こと。
人生の大半の時間を占める仕事においても、自分らしさを保てるかどうかは重要。

成長

スピードや大小を問わず、昨日より今日、今日より明日のレベルアップを。
成長すると見える景色が変わる。物ごとの理解が深まる。人生がもっと楽しくなる。

これらのキーワードの最大公約数なら、当社の企業理念は「クリエイティブを通じて、社会貢献と自己実現、成長を果たす。」となります。

悪くはありませんが、何かが足りない気がしませんか?
心に響かない美辞麗句。このままでは、前職で私が感じていたように、企業理念が「謎の呪文」になってしまいます。

あらためて自身が大切にしていることを見つめながら、企業理念の初稿を俯瞰したところ、エモーションが足りていないことに気づきます。そう、「感情」です。
自分自身が熱く語れるものは何か?
それは「ものづくりに対する執念」と「過去へのリスペクト」でした。

ものづくりに対する執念

価値を生まないクリエイティブは、ただの自己満足である。
ものづくり、創作活動のプロセスでは常に「ベストをめざす」こだわりが欠かせない。

過去へのリスペクト

革新はめざすが、革命は求めてない。革命は「別の誰かが不幸せ」となることが多いため。
今ある物と人を見つめ、優れた点に敬意を払いながら「バージョンアップ」をする。

この2つのエモーショナルな要素を加えた末、エディマートの企業理念が完成しました。

3.込められている想い │ バージョンアップとバランス感覚

大切にしたい言葉の最大公約数に、エモーショナルな要素を加えて完成した
「ベストクリエイティブで、社会と自身をバージョンアップ!」

次に、企業理念に込められた想いについて解説しましょう。
細かい想いは上記「語句の意味」で解説していますが、ここでは大きく2つのポイントを挙げます。

ポイント1 │ バージョンアップ

企業理念ができあがってから20年が経った今、弊社で特に利いているワードが「バージョンアップ」です。
本来はコンピューター用語である「バージョンアップ」は、ハードウェアやソフトウェアの性能や機能を改良し、向上させることを指します。

エディマートはクリエイティブ企業ですから、理念からもそこはかとなくクリエイティビティを感じさせたい。また、過去へのリスペクトを込める点からも、「向上させる」意味を含むコンピューター用語をアナロジー的に使うことにしました。

当社が成長のことをバージョンアップと言うのは、「今を否定した成長」ではなく、「今を認めた上での成長」という想いを込めているから。社会の成長も、自分自身の成長においても、同じです。

なお、語尾にエクスクラメーションマーク(!)を入れているのは、「勢い」と「ユーモア」です。エディマートでは企業理念を毎日唱和しません。その分、口にするときや目にしたときに、印象に残るようにしたい。たった一つの記号ですが、ここにもしっかりと想いがあるのです。

ポイント2 │ バランス感覚

エディマートがバージョンアップするものは、「社会(や)自身」「社会(か)自身」ではなく、「社会(と)自身」。「どちらか」ではなく「どちらも」です。

さらに細かく言えば、下記ロジックの上に成り立っています。

[企業理念の文脈として認められる]
・社会のバージョンアップをしながら自身のバージョンアップにつなげる
・社会貢献をしたら自己実現も果たせた

[企業理念の文脈として認められない]
・自己実現を果たせたら結果的に社会貢献もできた
・自己犠牲を払って社会貢献をした

なお、「社会」とは自分以外のすべてです。取引先はもちろん同僚や家族も含みます。自らの自己実現のために、とりまく誰も不幸せにしてはいけません。

そういう意味では、仏教の思想「自利他利」=「自らの悟りのために修行し努力することと、他の人の救済のために尽くすこと」と同義です。

4.ケーススタディ │ 過去事例を主体的な判断材料に活用

冒頭で、「企業理念がなければ判断がブレてしまいます」と書いたように、エディマートも企業理念に基づき、さまざまな判断をしてきました。

より理解を深めてもらうため、当社がこれまで企業理念の下でどんな判断をしたか事例を紹介します。スタッフは主体的に判断する際の参考にしてください。

ケース1 │ 目先の「利益」よりも将来の「バージョンアップ」

エディマートではよく「損して得とれ」の判断をします。
一時的には投資となり収益面ではマイナスになるとしても、最終的には社員や会社のバージョンアップにつながり利益を生むなら、受注することもやぶさかではありません。

社内のWEBシフトがままならない頃に、某ニュースサイトの更新業務を受注したのも一例です。試算上は赤字か、良くてもトントンでしたが、「この仕事の経験を積めばWEBスキルがバージョンアップする」と考え、結果的に当社のWEBコンテンツ業務の礎とすることができました。

ケース2 │ 「ベストクリエイティブ」の要素が無ければ受けない

「ベストクリエイティブ」とは、最善のものづくりを指します。エディマートが介入することで、「より伝わる」「より早くできる」「より正確になる」など、何らかのプラスアルファをもたらしたい。そうでなければ、社会も自身もバージョンアップはできません。

ごく稀に、エディマートが介入する必要性を感じない仕事をご相談いただくことがあります。たとえば、深い知見をお持ちで、そのままご自身でやられた方がより良いアウトプットができるにもかかわらず、多忙を理由にご相談いただくケース。

そんなときは、当社が入ることのプラスアルファが見えないと判断し、お断りすることも少なくありません。

ケース3 │ 「名前」よりも「バランス」重視

おかげさまで、名前のある企業やサービスのお手伝いをするケースが増えました。華々しい実績がスタッフのモチベーションや自社のブランディングとなっているのも事実です。一方で当社は、どんな名前のある企業やサービスであっても、対等な関係でなければ良い仕事は生まれないと考えています。

過去には、ブランド力を盾に高圧的な発注をされたり、不当な価格を提示されたりといった経験も。どれだけ名前や華がある仕事でも、受発注関係のバランス、社会貢献と自己実現のバランスを見て、おかしいと感じたらお断りしています。

ケース4 │ 社会貢献を優先すれば自己実現につながる

先ほど仏教用語の「自利他利」を挙げましたが、成長ままならないときに「他利」を考えることは難しいでしょう。そもそも仕事においてキャリアが浅い段階では、「自己実現が何か」もわかっていないかもしれません。そんな若手に、「社会と自分をバージョンアップ!」と投げかけても、途方に暮れるだけです。

そこで、社会貢献と自己実現のバランスを取ることに迷ったら、まず社会のバージョンアップを優先するようにしています。なぜなら社会に貢献する仕事は、必ず自己実現につながるからです。子どもや高齢者のためになる仕事しかり、医療や介護などのコンテンツしかり。

なお、「自己実現を果たせたら結果的に社会貢献もできた」という逆の流れは認めません。

まとめ

企業活動においてなくてはならない「理念」について、エディマートのものを分解して解説しました。スタッフのみなさん、理解が深まりましたか?

繰り返しになりますが、企業理念は掲げて終わりではなく、ステークホルダーに中身を分かりやすく説明して理解を促さなければ意味がありません。

そのためには、「背景」「語句の意味」「込められている想い」「ケーススタディ」をセットで伝えることが有効です。企業理念の理解が深まれば、手取り足取りサポートすることなく、主体的に判断し、自走する組織になることでしょう。

企業理念の浸透に頭を悩ませている方、もしくは想いを込めた企業理念を作りたい方がいらっしゃれば、エディマートが伴走させていただきますので、お気軽にご相談ください!


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