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[受注〜取材編]漏れたら大問題!ライターが最低限押さえるべき「セキュリティ」について

こんにちは。エディマート代表の鬼頭です。

ライターは仕事の特性から、公開前の情報をキャッチしたり、インタビュイーの私的な情報にふれたりすることが少なくありません。
それら貴重な情報について、近年はメールやチャットツール、オンライン会議で共有されることがあるため、取り扱いに十分気を付けなければ、情報漏えいの危険をはらみます。

そこで、令和を生きるライターが最低限押さえておきたい「セキュリティ」について、2回に分けてご紹介します。

「個人情報保護は大手企業の問題でしょ?」
「情報漏えいなんて自分には関係ない」

という方がいたら、この記事を参考に今すぐ考えをあらためましょう!

受注段階から貴重な情報を扱っている意識を

私がフリーランスとしてライター業を始めた20年ごろ前。受注時のブリーフィングといえば対面か電話、資料は紙で渡されることがほとんどでした。
その後ITの普及に連動して段々とメールでのやり取りが増えていき、新型コロナウイルス蔓延後はオンライン会議での説明や、クラウドでの資料のやり取りが格段に増えている状況です。
とても便利になった反面、ライターとしてはすでにこの段階からセキュリティ意識を高める必要が出てきています。


■クライアントの望むITツールを導入

セキュリティ意識が高いクライアントの多くは、データの受け渡しや業務の連絡に関して、ライター側に委ねるのではなく、自社で設定したルールをお願いしてくることでしょう。
ここで大切なのは、チャットツールやクラウドストレージに関する抵抗を無くし、どのような依頼に対しても柔軟に対応できるようにしておくこと。
エディマートのnote記事でも説明していますので、あわせてお読みください。

■インタビュイーの情報管理には特に注意

インタビューの仕事の場合、クライアントから取材対象者の情報を事前にブリーフィングされ、それをもとに質問案や想定台本を作成することでしょう。インタビュイーの生年月日や経歴などはよくあるケース。ときにはアポイントからお願いされ、メールアドレスや電話番号を知ることも。
メールアドレスや電話番号の管理に気をつけなければいけないのは当たり前ですが、じつは個人情報は「個人情報保護法」で下記に定義されています。

『生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述などによって特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それによって特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)、または個人識別符号が含まれるもの。』

「個人情報保護法」個人情報の定義

つまり、生年月日や経歴をキャッチした時点で、あなたは個人情報法を取り扱っていることになります。安易に他人に共有したり、誰もが知りうる場所に放置するのは厳禁。パソコン上のメモなどは暗号化するなど気を付けましょう。

取材場所や道具にも今どきの配慮が必要

オンラインでの打ち合わせや取材が、当たり前になりましたよね。便利なことこの上ないのですが、じつは情報漏えいにつながる危険が潜んでいます。
また、ライターの商売道具であるICレコーダーやスマートフォンも、注意しながら活用しなければなりません。


■オンライン会議の場所にも配慮

オンラインでの打ち合わせや取材の際、他人に見られたり聞かれたりする場所で参加するのは避けたほうがいいでしょう。たとえオフィスであっても、他の社員が後ろを横切れば、「この会社はセキュリティ大丈夫なの」と思われかねません。イヤホンをつければ情報は漏れないと思うかもしれませんが、画面上で資料が共有されれば、誰かに見られる危険をはらみます。自宅や会社なら周りが遮へいされた場所、外出先なら個人ブースのあるコワーキングスペースなどが適切でしょう。
フェイス・トゥ・フェイスの打ち合わせや取材であっても、今の時代だからこそ場所は厳選すべき。たとえば、ひと昔前の大学生インタビューなら、キャンパスのオープンスペースで行っていたことが、最近は無人の教室で他の学生に聞かれないようにするなど、配慮するケースも増えてきました。

■ICレコーダーの使用、会議のレコーディングは許可を取ってから

ライターの商売道具として欠かせないICレコーダー。この録音データも、他人に漏らしてはいけない貴重な情報となります。みなさんは録音する際に、きちんと許可を取っていますよね?製造業の現場などでは、ICレコーダーが持ち込めない場合もあるため、事前に確認をしておきましょう。持ち込めないからといって、スマートフォンでこっそり録音するのはもちろんNG。あとで大問題になりますよ!
オンライン取材でアプリケーションの機能を使ってレコーディングする場合も、同じように「記録用にレコーディングさせていただいてもよろしいでしょうか?」と必ず聞いてからにしてください。

■メモ代わりの撮影も必ず許可を

現場で提示された資料や、取材に関連するグッズなどを、メモ代わりにスマートフォンで撮影することもあります。こちらもICレコーダー同様、必ず「メモ用に撮影してもいいですか?」と確認を取りましょう。
また、録音データや撮影メモは、制作完了後すみやかに消去を。リスクのあるものを無駄に持ち続けるのは危険です。

ライターあるある〜SNSの投稿に潜む危険〜

オープン前の施設、リリース前の映画や音楽の情報、まだ誰も知らないインタビューイーの取り組み。これらを世間より早くキャッチできるのはライターの特権であり、醍醐味でもあります。
ライターが取材後に自身のSNSで勝手に公開前の情報を披露してしまった……そんな話を聞いたことがあります。また、ファンである俳優のインタビューを終え、取材後にクライアントを飛ばして事務所にお礼をしたライターもいました。
情報を発信する側が、「ぜひライターさんもSNS投稿をお願いします」というケースであれば大丈夫ですが、経験の浅いライターが陥りがちなミスなので、注意をしてください。


さて、この記事ではライターが気をつけるべきセキュリティについてまとめましたが、受注から取材までだけでも、気をつけるべき点が山ほどあると思いませんか?
しかもこれらは「最低限」のレベル。DXマークを取得したエディマートでは、さらに高いレベルのセキュリティ対策を行っています。ぜひみなさんも、この記事で挙げたことをベースとし、自身でよりできる対策を施してみてくださいね。

下記の記事では、執筆から納品までに気を付けたいセキュリティについてご紹介しています。あわせてお読みください。


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