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【二次創作】宗教・民族・異文化などに対するゾーニングの意味と、特に注意すべきこと~発生した問題の実例~

本noteは、

●『実在人物をモチーフとしたBL二次創作のゾーニング問題』に関する問題提起の深掘り
●過去に発生した事例を織り交ぜ、『何が問題で、どこに注意すべきで、考えなければいけないことは何か』

を発信する目的で作成したものです。

前回のnoteをいったん非公開にした際、多くの方からDMをいただき、『内容は非常に有益なので残して欲しい』とのご意見が多かったことから、リライトして再発信いたしました。
さらに、noteを読んで内容に共感したというDMを下さった、多宗教・多民族国家の方とそのご友人のご協力を賜り、日本人には馴染みの薄い問題についてのリアルな見解を頂くことができました。

国内外10名以上の方のご意見から、

●他民族への理解や宗教に敏感な国での常識や、オタ活事情
●お寄せいただいたご意見から、noteを再発信するにあたって、ぜひ共有しておきたい過去の事案

を取り入れております。

ゾーニングの在り方や程度については『これが100%正しい』という意見は有り得ないので、今後も色々なところで議論すべき問題だと思います。
特に、前回のnoteをきっかけに、海外での認識という貴重な視点を頂き、自分自身の認識でさえ甘かったという反省を得ました。

創作活動や表現において考慮が必要なのは、政治・人種・戦争表現・宗教表現など本当に多岐にわたります。
自分自身が主体として関わることで見えた問題が、実在するイスラム教徒(メフメト二世)をモチーフにした二次創作BLについての問題であったため、本noteはその件に多く触れる内容であることをあらかじめご了承下さい。
(競走馬や国擬人化など、他の問題にもなるべく触れたいのですが、それについては自身はあくまでも第三者視点しか持っていないので、当事者界隈の方のまとめの方が詳しいと思います。)

参考:wikipedia「同人誌」内「マンガ系同人誌を取り巻く問題」

※本文内に使用しているやり取りやDMでご提供いただいたリンクについては、転載許可済みです。


ゾーニング(隠れること)の意味について

オタクはなぜ隠れなければならないのか

なぜ、二次創作活動にはゾーニングが必要なのだろうか。
理由は二つあり、

  1. 二次創作活動というもの自体が、ただ公式から黙認されているだけのグレーゾーンであること

  2. 一部の二次創作表現の内容が公式に問題視されてしまった場合、黙認から禁止に変わってしまう可能性があること

であると考える。

インターネットでは、よく「○○に配慮」「○○の気持ちを考えて」という、いわゆる『お気持ち問題』にすり替わってしまうが、配慮や考慮、どのくらい相手が傷つくのかなどは人それぞれであり、Aさんが傷つく言動であってもBさんが同じように受け止めるとは限らない。

そういうものを排除すると、つまり、

創作活動の内容によって問題が発生し、世間で騒がれた結果、最悪の場合、公式から二次創作禁止が発令されてしまう

→それにより、創作者が好きなように活動できなくなってしまう

→結果、自分たちの楽しみが減る
 

から

に尽きるのではないか。
二次創作界隈が盛り上がり、ファンが増えるという利益より、二次創作によって生じる危険性(リスク)の方が上回ると公式が判断したら、二次創作は禁止・もしくは何らかの規制が掛かる。
もっとも、問題の内容次第では一次創作であっても規制がかかることがあり、たとえば「ジョジョの奇妙な冒険」のアニメにクルアーンが使用されていた事案については、アラビア語圏で非常に問題視された結果、外務省が公式に声明を発表したり、DVD出荷停止になるなどの大問題になっている。

そして、ゾーニングには、作品やそのテーマによって尺度の違いがある
『BL限定で隠れるべき』や『二次創作だから隠れるべき』というのは全くの誤りであり、セックスや同性愛だけが性的表現なのではなく、

BL、百合、異性愛を含む全ての性愛表現に加え、モチーフになっている神や偉人などに性的な装いをさせて楽しむこと

も、すべて一律で『性的表現』に含まれる。
そしてゾーニングの度合いは、モチーフにする対象や、それが発表される国の温度感によっても変動する。

たとえば、マルキ・ド・サドの小説の中には、『聖職者が権力を利用して悪徳な性行為に耽る行為・聖体であるパンを踏みにじって神を冒涜する言葉を吐きながらの性行為』などという宗教冒涜描写がはっきりと書いてあるが、これは日本においては岩波文庫から公然と出版されている本であり、『宗教を冒涜しているものを全て禁じるべき』であるのならばNGだ。
もちろん、この本が宗教上の理由で翻訳発行できない国もあれば、サド公爵の小説に不快感を覚えるクリスチャンもいるだろうが、少なくとも、
この本を発行した結果、日本で社会問題になって、岩波文庫に批判が集中し、活動萎縮し、結果的に岩波文庫やサド公爵の著作物を愛好する人に不利益が生じる
ということは起こっていない。
そして、神話や偉人をパロディにしたアニメやゲーム・小説などは、日本のみならず世界各国で数多く創作され、キャラクターが異性化されていたり、セクシーなキャラデザになっていたり、性愛がらみの創作が行われたりしている。
しかし、今のところこれで大きな問題になったことはなく、適切なゾーニングが行われている結果だろうと思う。(だが、問題が起きたら、状況を判断しながらラインは都度変えなければならないだろう。)

隠れなければならないのは、性的な作品ばかりとは限らない。過度の暴力描写であれ、特定の宗教・団体などで問題視される描写であれ、とにかく『黙認の範囲をはみ出し、世間や公式から「これは問題だ」と思われかねないものを隠すこと』がゾーニングの意義であると思う。

公式の黙認の範疇を超えてしまったら、その時点でグレーゾーンはブラック判定になる。禁止ですめばまだいい方で、過去には、二次創作作品への苦情の投書を受けた公式が「キャラクターイメージを毀損する性的描写を看過できない」などと判断した結果、逮捕者が出てしまったポケモン同人誌事件という最悪の事例もある。

なので、全ての作品に一律で同じレベルのゾーニングが適用される訳ではない。社会通念や公式のガイドライン等を参考にしながら、作品やキャラクターごとに個別の背景を考えて、どこまでならセーフかのラインを引いていかなければならない。

Aの作品とBの作品のゾーニングは同じではない

これはよくSNSで見掛けた疑問であり、実際に私にも質問があったが、

『最近広告に出てくるエジプト神話のBL作品はいいんですか?』

というものがある。
何をもって「いい・悪い」と決めるのは人それぞれだが、「悪い」という意味が、『エジプトの神様は神聖なものであり、配慮しなければならないから。BLだから。』だとしたら、それはおかしな話である。
BLのみが不謹慎なものとして取り沙汰されるのは非常におかしな話だし、神聖なものを性的なものとして表現するのがいけないのだとしたら、

各国の神々や偉人を異性化させたり、セクシーな服装をさせたりしている原作すべてがまずアウトだからやめるべき

という解釈になってしまうし、これに該当する作品全部禁止にすべきだ、という社会通念はないだろう。

エジプト神話BLがコンプライアンス上問題ないとされて一般流通しているのは、まずこれが一次創作であるからだし、

『現代社会で広く信仰されている神々ではなく、戒律も存在しないことから、問題になり得ない。』

からだと個人的には思う。
ここで、神聖なものへのお気持ちに配慮して!と言い出してしまったら、それこそ何もかもアウトになって創作活動はほぼ何もできない。
むしろ、上記は専門家ではない一個人の見解でしかない。『これって問題なんじゃないの?』と思ったならば、SNSの素人見解や噂や想像ではなく、『本当のこと』を知る必要があり、そのためには、出版元である韓国の出版社や、それを翻訳して掲載している日本の出版社に自分で問い合わせて、問題だと思う点と、その上でなぜ連載できるのかを自分自身できちんと質問してみるべきなのだ。

日本は、『表現の自由』がまだ緩やかではあるが、それでも配慮しなければいけないものはいくつもあって、なぜ配慮すべきなのかといえば、

それを問題視する人・集団の目に止まった結果、大きな騒ぎになり、結果的に公式が実質的な禁止令を出したり規模縮小になったりして、創作界隈も筆を折る人が続出して、盛り下がってしまう。

つまり、自分たちの楽しみが奪われてしまうから。

ではないだろうか。

そしてそれを起こさないために、このモチーフであればここまでの範囲で隠れる・こちらのモチーフは問題が起きやすいから更に隠れる…といった線引きが必要であり、必ずしもすべてが同じ隠れ方をしなければいけない訳ではない。
たとえば、新選組のBLや、実在の作家をモチーフにした作品の二次創作は、日本においてはあまり問題視はされていないが、関係者の目に触れて問題視されて禁止にならないように、ある程度隠語にしたり、検索避けをするなどの自主規制が行われている。
他、『これはあくまで非現実ですよ』と、空想と現実の境目を明確にしておくことも、ゾーニングのひとつだ。

なので、

  • Aの作品は隠れていないのに、Bの作品は隠さなければいけないのはおかしい

  • どこかで神聖視されている・尊敬されているものには一律で同じ配慮をすべき

  • BLだから・二次創作だから全部同じ基準で隠さなければいけない

  • 実在するものや神聖なものや敬愛されているものをモチーフにして性的な作品を作ってはいけない

という発想は、完全に論点がずれている。これを言い出したら本当にきりがない。
では、服装に「卍」がデザインされているキャラの性的表現は仏教徒に配慮しなければいけないし、服装に十字架が描いてあるセクシーキャラのデザインはクリスチャンに配慮しなければならず、大半の二次創作(原作も)は『お気持ち上、行うべきではない』となる。

前回のnoteを見て、無関係の二次創作をしている人が検索避けについて心配されていたが、現行の検索避けで世間や公式が問題視していない・問題が起こっていないジャンルに関しては、現状のままでほぼ問題はないのではないかと考える。

さらに隠れなければならない理由

現在、創作界隈でもある程度厳しい検索避けをしなければいけない・暗黙のルールがあるジャンルが存在する。
それは、そのルールを設けることにより、問題視されて公式が萎縮する・二次創作ができなくなるというトラブルを回避するためのルールであり、たとえば、

  • 国を擬人化する作品(第二次世界大戦にも触れている)

  • 実在する芸能人などをモチーフにした作品(いわゆるナマモノと呼ばれるジャンル)

  • 現実に存在するもののイメージダウンにつながる作品

  • 過去に、二次創作界隈で公式の絡む大きなトラブルが起こった事例のある作品

は、公式や一般人や他国の方や芸能人本人の目に止まってしまったら、内容次第では本当に大騒ぎになってしまうし、現に、国擬人化ジャンルで発生した問題については、他国の議会まで持ち込まれる事態に発展しているという前例がある。
直近では、実在する競走馬をモチーフにした美少女ゲームについて、ある馬主が「R-18作品はNG」と明言し、公式からは「馬主や関係者が不快に思う表現・競走馬のイメージを著しく損なう表現は行わないように」という通達が発されてしまうことがあった。

芸能人についても、当本人がエゴサした結果、BL目線で見られていることを知り、それが苦痛で今まで通りの演技ができなくなってしまった…という事例を耳にしたことがあるが、これについても究極は『今まで通りのその方の演技が見られなくなること』が二次創作支持者にとっては問題なのであり、「かわいそうな○○さんの気持ちを考えて!」ということをただただ声高に叫ぶのであれば、そもそも妄想や創作自体をするべきではない。
『実在人物への影響を重く受け止め、二次創作NG』が公式に発出されてしまったら本当におしまいだ

(※個人的には、そこで「自由な創作のためです!役者当人の気持ちは考えません!」と言い切るのは人として倫理的にどうかとは思うが、それは私のお気持ちであり、倫理やお気持ちは個々で違う以上、言い出したら感情論にしかならない。敢えて結果論だけで語るのがベターだと思う。)


一部の二次創作が悪目立ちして世間や公式がそのジャンルに悪印象を持ってしまったら、事実上、創作活動に制限がかけられることになる。
作りたい、でも公にしてはいけないから、配慮ではなく、『考慮』によって公開範囲を設定すべきなのだ。

その、『絶対に触れてはならない・ジャンル外の人の目に止まると大騒ぎになるもの』のひとつとして前回取り上げたのが、『実在すると誤認されかねないイスラム教徒(ムスリム)の偉人をモチーフにした性的作品』である。

イスラム教の戒律と創作事情について

イスラム教徒=過激派ではない

前回の記事を書いた時、多くの方が「悪魔の詩」問題を引き合いに出し、『そんなことをしたらムスリムに殺される・処刑対象になる・ムスリムは怖い』という発言をされていたと思う。
これに関して、自分自身も誤解を招き、広げてしまう表現を使ってしまったことをとても反省しており、ムスリムの方に謝罪の意を表明すると共に、文責を持ってこれを訂正させて頂く。

ムスリム全員が過激派思想なのではない。穏健な方もいれば、保守的な方もいる。人それぞれで戒律に対する想いも異なる。ムスリム全員を過激派だと思い込んだり、イスラム教の戒律を腫れもの扱いすることは大きな誤りである。

「悪魔の詩」がなぜ死傷者を出したのかというと、これは本当にざっくり言ってしまうと、『時の宗教指導者が、悪魔の詩を宗教に対する冒涜として著者らに処刑宣告をした、しかしその指導者が死去してしまったことにより、戒律上、発した本人しか取り消しのできない処刑宣告がそのまま有効になってしまったから』であり、イスラム教で神聖視されているものを冒涜したらただちに処刑宣告されるということでは絶対にない。また、シャルリー・エブド社襲撃事件は、欧州の複雑な移民問題も絡んでいることから、これも根本の原因は別である。
悪魔の詩シャルリー・エブド襲撃事件については本筋から逸れるので、興味のある方はwikipediaや有識者のブログなどで出展・ソースを確認しながら調べてみて頂きたい。)

ただし、その戒律は本当に厳格だということは理解しないと、「触れた結果、拡散され問題視され、炎上を避けようとした公式の判断で該当キャラの登場がなくなったり、槍玉にあげられた作家が筆を折ったり、多くの創作活動に制限がかかることになる」という、公式やジャンルにとっての消滅・終焉を意味する壊滅的打撃は十分に起こりうる。

実際に、架空の中東世界をモチーフにしたゲームの二次創作において、現実世界で神聖なものとして扱われているモスクの絵文字をカップリングの略称に使用してしまい、ムスリムの方から指摘が入るという事件があった。
これも、この方がたまたまBL文化を理解する寛容な方で、『空想のBL表現に、現実世界で神聖なものとして使用されているアイテムを織り交ぜて使ってはいけない』という指摘をしてくれただけだ。もしも保守的なムスリムの方の目に止まってしまっていたら、本当に国際レベルの炎上に発展していてもおかしくはなかったと思う。

イスラム教の戒律については、宗教感や背景に関する知識を学んでいない他国・他文化の人間が、自文化と同等に気軽に扱ってはならないことは確かである。

イスラム教徒が多い国でのオタク活動について

前回、自身が作成した『実在するムスリム君主を題材にしたBL』に関するnoteを読み、イスラム党が与党であり、国民の7割がムスリムであるというマレーシア人の方からご理解と共感のDMを頂いた。「ムスリムの戒律についてきちんと説明してくれる日本人がいて嬉しい、マレーシアでは多くの人があなたの意見に共感すると思う。」というお言葉をいただき、今回、その方のご協力の元、ムスリムを含む複数の海外の方に、創作や戒律に関することを色々教えて頂くことができたので、ご紹介させて頂く。

以下は、そのマレーシア人が教えてくれたムスリム多数派の国のオタ活事情である。
(※翻訳に加え、ニュアンス上、相手の方が使って下さっている日本語をそのまま使用している部分があるので、その旨ご了承いただきたい。)

マレーシアは多民族・多文化の国です。そのため、私の国では宗教問題は非常にデリケートです。高校の授業でPengajian(※イスラム文献の研究)があり、非ムスリムでもイスラームの歴史を学ぶ必要があるし、ムスリムも他宗教の基礎を学ぶ必要がある。多宗教国家なので、ヒンドゥー教の基礎についても勉強しました。

一部のイスラム教徒は非常にオープンマインドであることは知っていますが、私の国では、基本的にLGBTの問題は許可されていません。コスプレイベントでは、ムスリムの女性は戒律に従った衣装にアレンジする必要があります。ムスリム男性の女装は許されておらず、実際に、女装コスプレをしたムスリムの男性が他の人に怒られ、着替えを要求されるということもありました。
ムスリムは、コスプレ衣装が戒律に従ったものかどうかを確認してからコスプレしなければならない。マレーシアでの同人誌の創作は、基本的には同性愛、宗教と政治を避けるというのは常識です。
なぜそうするのかというと、保守的な人の目に止まるとややこしいことになるから。細かい点に注意しないと、めちゃくちゃ保守的な人が「やはりアニメはLGBTやセックスしかありません、禁止するべき」のようなことを言い、そして炎上し、またややこしいことになります。
全てのムスリム・また厳格なクリスチャンが全員BLや性的なものを受け容れられる訳ではありません。

私はトルコ人でもギリシャ人でもありませんので、前回のnoteに掛かれていた人物のBL創作に反感を抱くことはありません。ですが、しかし、もしアニメ文化や二次創作のことに詳しくない人の目に入ってしまったら、絶対「これはHaram(※禁忌)だ!!!!」と言われ、騒ぎになると思いました。
マレーシアでは、架空のBLについてはまだ寛容です。しかし、現実世界をモチーフにしている原作は、現実だと誤認される恐れがあって、非常に複雑でややこしいことになる
これが、イスラム教徒が多数派を占める国出身者の感覚です。

ちなみに、映画「Thor 4」は、マレーシアの映画館では上映できませんでした。ministry of communications and multimediaの見解は、『最近LGBTQ の価値観を宣言する映画が多すぎる、これらはムスリムの価値観に悪影響を与えるため、禁止するべき』との意見でした。(しかしながら、netfrixで見ることはできるので、見たいと思った人は配信で見ることができました。)

比較的アニメ文化に寛容で、アニメイベントが開かれている国ですら、アニメファンたちは「自分たちの好きなオタク活動が問題視されないための自主規制」を行う必要があるのだという。
マレーシアでは日本人作家のイラストが展示されるイベントも行われているが、それも、事前にイスラム教の禁忌(Haram)に該当しないかどうかの審査が行われた上で、問題ないと判断された作品しか展示することはできない。
ムスリムでない人については比較的寛容で、HaramやJakimは適用されないが、それでも、戒律上問題視される可能性があるものについては細心の注意を払わなければ、

問題視→炎上→公式に抗議→結果的に禁止や抑制

に繋がるため、自主規制を行う必要がある。

「だけどここは日本じゃん!そんなの関係ないじゃん!」と言い出す日本人もいると思われるのだが、インターネットに国境はなく、まして、日本のカルチャーが有名になればなるほど、日本のコンテンツにアクセスする海外の方が増えてくる。
その時、ものによっては「日本ではこうなので」という言い訳ができないほど問題になってしまう描写や表現はあるし、アニメやオタク文化に理解が深い人であったとしても見過ごせないものは、問題視されたり拡散が起こってしまうことが予想される。冒頭で紹介した「ジョジョの奇妙な冒険」の表現問題が広がったのも、海外のWEBサイトでの問題視が発端だった。
インターネットが全世界に向けて開かれている以上、こうしたことはきちんと勉強していかなければ、最悪、

自分たちが楽しんでいるコンテンツそのものが、予想外の方角からの炎上により自粛してしまったり、禁止されてしまったりして、創作活動を楽しめなくなる可能性が出てきてしまう。

ということは、留意しておかなければならないのだ。
実際に、日本文化に理解があり、かつイスラム教の戒律を必須レベルで学ぶ必要のある多民族・多宗教の国民が生活するマレーシアの方が目にして、「これは自国であっても炎上に繋がる」という見方をしていることは重く考えるべきだと思う。

「日本人の勝手な想像」は間違っている

前回のnoteでも触れた、トルコで「征服の父」と称されて尊敬されているスルタン『メフメト二世』について、このような認識をしている日本人が複数名いた。

  • トルコは親日国家であり、かつ、イスラム教の戒律はさほど厳しくない。

  • メフメト二世をモチーフにしたドラマなどはトルコ国内でも作成されており、史実には、メフメト二世本人が少年愛・両性愛者であり、飲酒もしているし、しばしば戒律に対して批判的だという記載がある。なので、BLネタになっていてもさほど問題視されないのではないか。

  • 日本人作家の書いた歴史小説「コンスタンティノープルの陥落」の中では、メフメト二世が飲酒や少年愛を行う描写がされており、普通に出版されているのでさほど問題視されないのではないか。

実のところ、これは自分も、『史実上そうなので、問題にならないのではないか?』と思っていた部分でもある。
しかし、マレーシアの話を聞き、この認識は果たして本当に正しいのか疑問に思った。

そして、幸いなことに、海外の方々の人脈を通じ、「ガイド業を営んでいる非アニメオタクの一般トルコ人男性」の方にコンタクトを取ることができた。

この方は、日本のアニメ文化には一切馴染みのないトルコ人(ムスリム)である。その上で、

  • 日本に、実在人物をモチーフにしたソーシャルゲームがあること

  • 男性同性愛の作品を愛好する、腐女子(誤訳を避けるためストレートにこう説明して貰った)と呼ばれる文化が存在すること

  • そして、そのゲームの二次創作をする腐女子の中で『メフメト二世は史実上同性愛の性癖があったので、トルコでもそのような認識だろう、両性愛・同性愛者として扱ってもトルコで受け入れられるだろう』と思う者が少なからずいること

を説明し、果たして、日本人のこの認識は正しいのかを聞いてみた。

以下が、その方がとても丁寧に説明してくれた内容である。
(翻訳の関係上、柔らかにするとニュアンスが伝わりにくいところは一部原文そのままにしてある。)

私は、質問者がトルコ人の前で軽率に「Mehmed II is homosexual.」と口にしないかどうか、本当に心配している。

トルコ人の前で、それは絶対に口にしてはいけないことだ。
腐女子が勝手に歴史の本を解釈し、『史実によるとメフメトはBLは行ける』というその概念自体がだめです。
あれは本当の歴史ではなく、外国人(ヨーロッパ人)によって作られたもので、公的には否定されている。トルコ人の認識はそう。
彼の飲酒や性愛、宗教冒涜について書き残したのは、メフメト二世の征服事業に反感を持つであろう15世紀のクリスチャンの歴史家などで、まずトルコでは、彼が同性愛者or両性愛者であったことを示す100%の証拠がないと言われている。キリスト教徒の歴史家なので、イスラム教徒であるメフメト二世のことを悪く言っている可能性もある。
トルコ国内で「メフメト二世は元々少年愛者だからBLにしても問題ない」とすることについて、それは大丈夫じゃない。
トルコは8割がムスリムなので、その話を受け入れられる人と受け入れられない人がいる。受け入れられない人の前でその話をすると、本当に反感を買うし、炎上する。そして私達は見た目で、その人がopen minded か保守的な人か、判断できないから、反感を買わないよう、その話は耳に入れない方がいい。そしてトルコ人とは、あまり政治・同性愛・サッカーの話はしない方がいい。炎上の原因になる。

私はアニメオタクの世界に興味はないし、そもそも目にしないが、それでも質問者がトルコ人の前で適当に「メフメト二世は同性愛者だよね」だと口にしないかどうか、とても心配している。

この回答だけで、トルコ国内でいかにここに触れることがまずいのか・そして受ける印象が人それぞれであり、下手をすると問題視されかねないことであるのかが十分に理解できる。
非情に繊細な問題に対し、専門家以外の日本人の甘い想像は本当に危険で、ならば、過去起こった事例を参考にして厳しい方の制限を掛けておく方が安全だ。
史実の観念自体が異なる、という発想は自分自身にもなかった。今まで『史実だからいいだろう』と思っていたことが実は現地では全く違う認識であることは初めて知ったし、他国人が勝手な想像だけで決めつけてはいけない、とてもデリケートな話であったことを深く知って、非常に反省した。確かに、言われてみればトルコの歴史書には飲酒、性愛等の記述がない。

前出の、日本人作家の書いた一次創作である歴史小説「コンスタンティノープルの陥落」において、メフメト二世の飲酒や少年愛についてはその西洋史に基づいたものとして扱われるのだろうし、マレーシアでは宗教上発行が禁じられている禁書目録が存在するそうなので、この本はトルコでは炎上こそしないものの、翻訳発行禁止になってもおかしくはないものだろう。
(この、『他国民の考え方を想像する』という点においても、マレーシアの方は『私はその国の人ではないから正確な答えは出せない・判断ができない』と、憶測で語ってはならないときっぱり言っているので、他者の気持ちを推し量る傾向のある日本人が憶測すること自体が間違いなのかもしれない。)

確実に、この話題がトルコ人の目に触れるようなことがあってはならない。
非常に聞きづらいことを丁寧に教えてくれたそのトルコの方は、異文化の人間がこのことを軽率に口にしないかどうか、「いいか、言うなよ?絶対に言うなよ!ねえほんとマジで理解できてる?!」というレベルの空気感で、本当に心配なさっていた。

触れてはいけない部分と、表現の自由

日本にもある、触れてはいけない部分

前出のトルコ人の「うちの国民の前で絶対に言うなよ?!」感があるものとして、日本では以下の感覚が近いのだと思う。

あいちトリエンナーレ2019内企画展「表現の不自由展・その後」にて、昭和天皇の肖像をコラージュした作品や、肖像画を燃やしてその灰を踏みつけるなどの表現が日本国内で問題になり、裁判や脅迫を含む大炎上沙汰に発展したことを覚えている方も多いだろう。
いくら表現の自由があるとはいえ、賛否両論があるとはいえ、昭和天皇を含め皇族を侮蔑するような作品は、いいか悪いかという個人の『お気持ち』ではなく、少なくとも日本では客観的に見て世論が『燃える』案件であり、不快感を持つ国民も多いし、楽しい話だけしたいのであれば出来る限り触れない方がいい。

以下は、完全に架空の話であり、現実に起きている話ではない。
だが、感覚としては、このような事態が起こったと置き換えて考えて貰えれば日本人にも理解しやすいのではないだろうか。

本当に、あくまでも架空の話として、日本でこのレベルの話が起こったと考えて頂きたい。

  • 他の国で、第二次世界大戦をモチーフにした架空の漫画が発表される

  • そこに登場する昭和天皇がとても美形に描かれており、その国のオタクの間で美形キャラとして人気になる

  • いつしか、「昭和天皇総受けBL in 靖国神社or皇居」などの作品が悪意なく生み出されてしまい、簡易な検索避けのみで盛り上がってしまう

  • 「日本はHENTAIの国。男色や性描写に寛容だし、日本史実上の人物のBLやそれ以外の性描写についても積極的に創作されているので大丈夫だろう」という認識のもと、史実の肖像画に寄せた昭和天皇のイラストや、実際の写真を使用したBLコラージュが作成されたり、「昭和天皇」「裕仁SEXY」等の文字が確認できる作品が検索避け無しでSNSに投稿されてしまう

  • 「皇居や靖国神社は聖地だから巡礼したい」、「むしろ私たちの妄想は史実だ」等の発言が、本当に悪意なく、ファントークとして繰り広げられる


これが、万一、日本人の目に入ってしまったらどうなるだろう。

踏み込んではいけないところに踏み込む、というのは、この感覚に近いのではないかと思う。たとえオタクであっても許せない人は絶対に許せないネタであり、一般社会に出したら、まあまあ激しく燃え上がる。
日本人にもオープンマインドな人と極右の人がいるし、それは見た目ではわからない。
一緒になって盛り上がる人もいればネタにして笑い飛ばす人もいるし、いかにオタクであっても不快感を覚えたり問題視する人もいる。
ちなみに、さほど右寄りではない私自身のお気持ちとしても、ここに触れるのは絶対的にまずいと思うし、内容によっては不快感を覚えると思う。怒りを覚えるかもしれない。


ある日本人が海外のファンアートを検索していて、たまたま目に入ったイケメンキャラのイラストに「Emperor Showa」と書かれていて「おや?」となり、そこから掘り下げていったら、皇居や靖国神社や千鳥ヶ淵などを舞台にした過激な性描写やBLや女体化や異性装などの作品に辿り着いてしまい、さすがに驚いて「おいおい、海外勢これはどうなの?まずくない?」とリツイートしてしまう。
そしてそれがそのTLで拡散され、一般人の目に止まり、不快感を覚えた人が極右のアカウントに向けて「これはどうなんですか?」とリプライを飛ばすなどして保守的な日本人の目に止まってしまったら、そこから先は大炎上になることは想像に難くない。

  • 極右派のTLで「国辱だ」と、怒りと共に大拡散される

  • 一般人の目に触れて、これはどうなんだ?と拡散される

  • 原作の漫画にまで炎上が広がる

  • 実際には空想の話であるのに、その漫画の原作者が性的作品を生産していると誤認される

  • 最悪、その国の大使館に抗議が殺到し、もし大ニュースになれば政府から遺憾の意が発出されてしまう

アニメ文化に寛容な我が国であれど、これくらいのことが発生してしまっても、まあおかしくないのではないかと思う。
そしてその原作国の人が、『これは我が国の感覚。我が国の表現なので、日本人もこれに合わせるべきだ』と口にしたら、果たしてどうなるだろう。

これくらい踏み込んではいけないものが、世の中に幾つも存在する。
実際、オタクの中で「聖地」とされた寺社仏閣等で、それに相応しくない行動をした人達が、関係者・参拝者の反感を買って問題になったりもしているように、日本でも神聖な地への冒涜とみなされる行為は禁忌であるし、非難される。

「それでも盛り上がりたい」と言われたら?

だが、日本にはある程度の『表現の自由』がある。
「天皇陛下を侮辱する作品など絶対に許せない!」という人もいれば、「いいぞもっとやれ!」という人もいて、お気持ちは人それぞれだ。
その上で、海外の人に「どうしてもこの作品のファンアートを創作したいがどうすればいいか?」と相談されたら、どうお考えになるだろうか。

私であれば、まず率直に『君ら、怖いもの知らずか…?』という感想を抱くと思う。
その上で、かなり悩んだ末、自分なりの回答だが、と前置きをしてこうアドバイスをすると思う。(絶対に許せないという極右の方には申し訳ないが、これは私のお気持ちであるのでご容赦いただきたい。)

その話は、日本人の前ではしない方がいい。
日本人でも受け止め方は千差万別の話で、少なくとも一般的に許容される話ではない。天皇陛下に対する侮蔑と受け取られることは、いかにオタク文化に寛容な日本国内でも大炎上の火種になるし、そうなってしまったら、創作活動どころの話ではなくなってしまう。
日本人は全般的に性的なパロディやオタク文化に寛容だが、その話題は軽率に口にしてはいけない。
まず、日本人の目につかないように活動をすることが大前提だ。そして、天皇陛下のお名前を直で書き込むのではなく、隠語や略称など、同志にしかわからない言葉でやり取りをした方がいい。歴史的な写真を使ってコラージュを作ったり、靖国神社や皇居をコラージュにしたら燃えるし、とてつもなく性的な作品や歴史的な写真そのままのファンアートはフォロワー限定にしておいた方がいい。菊花紋章など皇室に縁のあるモチーフも一般公開は避けること。
原作に忠実に、史実の一環として健全なサイドストーリーを描くことはまあ問題がないのではないかと思われるが、そこから派生した性的な作品はとにかく隠しておいた方がいいし、そもそも靖国神社は気軽に触れてはいけない場所であると知った方がいい。そうしないと、現実と誤認されて本当に炎上してしまい、問題視されてしまう。このジャンルで創作活動をやるなら、まず、きちんと日本での扱いについて勉強してからにした方がいい。

この回答も、日本では本当に人それぞれだと思う。このゾーニングであっても足りないかもしれない。
だが、「日本人のお気持ちに配慮しろ!」や、「戦没者を侮辱しないで!」では、感覚の相互理解には繋がらないのではないだろうか。
少なくとも、これは日本におけるデリケートな問題であると知ってもらうことは、有益なのではないかと自分は思う。

※これはあくまで架空のたとえ話であり、「昭和天皇総受けBL in 靖国神社or皇居」などという海外のファンアートは現実には存在しないので、ご注意いただきたい。

直近で起こったゾーニング問題について

過去、オタク界隈で起こっていた案件

創作界隈では、度々、日本人の他文化や他宗教に対する認識の甘さが問題になっている。オタク界隈だけでなく、日本企業がハーケンクロイツやナチスドイツに関わるモチーフをデザインして一般流通させてしまったり、観光客向けの看板に謝って卍を反転記入してしまい、海外の観光客に指摘されるまで気づかないといった事案もある程度に、日本人はこうした問題には鈍感だ。

  • 国を擬人化する漫画のコスプレで、国旗を敷物代わりにした写真が出回って問題になる

  • 国を擬人化する漫画で、キャラクターを国名呼びしていたのが一般人の目に止まり、「国辱ではないか」と騒ぎになる

  • 男性向け作品について、『モスクの中で性行為を行う表現はやめてほしい』とムスリムの方から指摘が入る

  • 中東の架空の世界をモチーフにしたゲームのキャラクターを示す隠語に、現実のモスクの絵文字を使用することについて、ムスリムの方から指摘が入る。(これについては、発言者がBLを好んでいたことで「嫌なら見るな」「ダブルスタンダードだ」と叩く日本人が現れたが、架空のBLに対しては寛容で理解があり、受け容れて楽しんでいるムスリムの方が、「架空のBLは好きだよ、でもそれはさておき現実世界で神聖なものとして使用している絵文字をCPに使用しないで欲しい」と言ったにすぎない。むしろ指摘者はダブスタ扱いされて非常に驚かれたであろうと思うし、ムスリム文化に理解のない日本人らしい反応であると思う。)

  • アイヌ民族が登場する二次創作での和名の使用が問題になる

  • 実在する宗教施設をモチーフとしたゲームが、その宗教関係者の目に止まって問題視され、開発中止となる

特に国擬人化の問題については、これ以外の問題についてもわかりやすい注意喚起や「何故そうしなければならないのか」についてのまとめが多く出回っているので、有識者の方のブログやnote等でご確認頂いた方が、より的確だ。

つい最近2023年2月に、マッドハウス制作の映画『金の国水の国』の公式ツイッターに掲載されたイラストが、海外で問題視されるという出来事があった。
公式ツイッターに掲載されたキャラクターのイラストが、『爆弾を持ったムスリム女性を連想させる』とされ、
「映画やシリーズを見たことがない多くのイスラム教徒にとって、この絵は誤解を招きかねない」
「人種差別だ」
という英語での批判を受けて、公式が謝罪の上、該当のイラストを削除するという事態になっている。
参考:「爆弾を手にしたイスラム教徒」と誤解招く 「金の国 水の国」製作会社、イラスト投稿を謝罪「配慮至らなかった」


敏感な国際情勢や侵略の歴史、その国の国民感情などを調べた結果、「触れてしまったら炎上してしまい、創作活動に支障が出てしまう表現」というものは他にも多々あって、その炎上は、当事者である海外に端を発して発生するわけでもない。
また、その界隈が盛り上がることにより、実在する地名や施設名や電車や競走馬などにマイナスのイメージが定着してしまいかねない場合などは、原作そのものが禁止命令を出したり、規模を縮小せざるを得ないといった事態になる。

今回取り上げたのがたまたま宗教や戒律についての話であり、この問題も、多くの日本人が『これはだめだ・危険だ』という感想を抱いた通り、日本人のコミュニティの中でさえ問題視されれば炎上してしまう案件もある。

ムスリムキャラを扱うBL界隈とWEBイベントで起きた問題点

以下は、実際に起こってしまった『実在人物をモチーフとしたムスリム君主キャラ(メフメト二世)が登場するBL二次創作』問題についての説明である。

この二次創作界隈の原作は、歴史上の偉人や神をモチーフにしたキャラが多く登場する。
(が、「ゲーム・漫画の作中で、モデルになったキャラクターの実名・素性が明かされていない」というキャラクターも存在して、ただ、興味を持って調べた人にはそれとなく解るように軽く触れている程度だ。この人物は比較的没年が新しいからだろう、という考察がSNSで成されていたが、これもひとつのセーフティだと考えられなくもない。)

実在の人物をモチーフとしたムスリム君主(メフメト二世)と、その敵対者であるギリシャ正教徒の皇帝(コンスタンティノス十一世)をBLカップリングにする作品を扱う界隈・そのジャンルで開催されてしまったWEBプチオンリーイベントの問題は、話が少々複雑で、

  • メフメト二世はコンスタンティノス十一世が登場するゲームには登場していない未実装キャラで、公式での接点は一切ない。二次創作のためにスピンオフ漫画から無断でビジュアルのみ借りていた

  • 公式設定がないので、史実をベースとした創作が発達し、結果的に現実との区別がつきづらい状態になっていた

  • 無関係の作品を組み合わせての二次創作なので、公式からのガイドラインは発出できない状態であった

  • 仮に創作界隈で炎上が起きたら、ゲームのみならず、全く無関係の漫画原作者にまで延焼しかねない状態であった

ということが下敷きとしてある。そんな特殊な状況で、イベントには「ツイッターでは、キャラの実名は出さず、メフ×コンというカップリングの略称を使用してください」というルール以外にゾーニングのルールがなく、

  • 主催・参加者共に、繊細なジャンルであり、厳重な検索避けをしなければ本当に国際問題になるという意識が欠如していた(イベントに宗教表現以外のルールが存在せず、検索避けが簡易であったり、複数サークル参加者の書店販売ページでカップリングが実名登録されてしまっていたり、同人誌のデザインに英語での実名表記が入ってしまっている本が複数あった)

  • 「モスクやクルアーンといったものに直接触れず、隠語さえ使っていれば他はおおむね別の二次創作で設定されているCPのゾーニングと変わらないだろう」という甘い見解に基づいた誤解が発生していた

  • 西洋人が書き残した同性愛の史実、イスラム教でも比較的戒律が緩いという情報、トルコが親日国であること…など、不確定なものを根拠にして、専門家ではない日本人の憶測に基づく感覚で緩いゾーニング設定がされていた

  • 100名規模の集団が、この認識を維持したまま、熱意を持ってアフターパーティーに突入して更に村が拡大されようとしていた

  • そしてこの状況を、早急に修正しなければいけない重大な問題として認識する人がほとんど存在しなかった

つまりは、「村の熱意と急拡大速度に対し、村人の認識や勉強度合いが圧倒的に追い付いていなかったし、危険視より拡散と楽しさを優先する集団思考になってしまっていた」ことが問題の本質だと思う。
主催の段階で、このジャンルは一歩間違えたら本当に炎上することは徹底的に考慮されていなければならず、起こりうる事態の想定と、『このラインなら問題ないだろう』というガイドラインを用意した上で、主催の責任で参加者にそれを周知徹底しなければならなかった。

このカップリングを扱う集団(村)の名誉のために言っておくが、前回のnoteにも記載した通り、イスラム教で神聖視されているものを性的なものと混ぜて描写してはいけないというルールについては、これは村内の自治によってほぼ完全に浸透している。

しかしながら、宗教表現以外の考慮すべき表現については、これが深く考えられているとは言い難い。
実際に、「史実上の話だからBL化しても問題にならないのではないか?」といまだに考えている人もいる。
事実、歴史上の人物画像を使用したBLコラージュ画像が公然とオープンで作成され、ネタとしてリツイートされてしまうなど、宗教表現ではないが確実に大問題のある表現が散見されることは確かだ。

この二枚を組み合わせてBLコラージュとして改変するという行為について、国外の方からは、「これはトルコのみならずギリシャでも大いに炎上するだろう」と指摘されており、むしろ前出のトルコ人の反応を聞く限りは、確実に現実のものである肖像画の改変は、過激な性描写のイラストより検索避けなしの同人誌の頒布より、絶対にやってはならない(その国の人の気持ちや偉人の名誉を考えて!というお気持ちとしてやってはいけないのではなく、下手をすると日本人による侮辱行為として国内外での大炎上を招く事態になる)ことであったと考える。

そして、ジャンル最大手が主催となって、このカップリングのWEBイベントを開催してしまったことで、イベントの唯一のガイドライン
性的なものとイスラム教における神聖なものを盛り込んでの創作は非推奨
のみ守ればいいというルールが村人の中で定着してしまい、

「先行した人がそのように登録しているから自分も検索避けなしで書店に同人誌を委託する。」
「皆、この原作で通常行われているゾーニングをしているから、このCPについても同じでいいと考える。」
「これは架空の話だし、史実で同性愛者なのだから創作にしても問題にならない。」

という状態でも、誰も疑問を持たなかった(もしくは、疑問に思っていたけど言い出せなかったという意見の方もいた)。

  1. このゲームの原作のシリーズを知っており

  2. BLを含む日本のオタク文化を楽しんでおり

  3. ムスリム多数派国出身で、宗教について正しい理解のある海外の方

が問題提起しているのは、

「本作品は現実世界をモチーフにしており、一般の人が見たら現実の話だと誤認してしまう可能性がある。ムスリム諸国は戒律が厳しく、アニメ文化を知っていても同性愛(異性装・女体化も含む)に関する話を容認できる人ばかりではないことから、中間層や保守層の目に入ってしまったら、他国民の創作であったとしても充分に炎上の要因となり得る。

ということであり、現状この原作の他のジャンルで実施されている検索避けより、かなり厳しいルールが必要であった。

これは結果論だが、本来こうしたイベントを実施するのであれば、デリケートなジャンルであることを踏まえた上で、過去に発生した問題を調べ、起こりうることを想定して最大限にルールを練り込んだ上で実施されなければならなかった。

今日、書店販売されている同人誌は、大手作家のものでなくともかなりの速度で海外のサイトで紹介されるし、海外ユーザー向けの転売屋や、日本の同人誌の代理購入業者も相当数ある。ならば、書店を通じて頒布した同人誌が海外の人の目に触れることは想定されていなければならなかったし、結果としてどうなるのかを予見した上で、その即売会で頒布・展示する作品への実名の記入デザイン等についても、ガイドラインで細かく定められていなければならなかった。
ゾーニングについて参加者の判断に丸投げするのではなく、主催が責任を持って、自分自身と参加者を守るための足場をしっかりと固めていなければならなかった。
そしてそれが不十分であると感じたならば、よくよく考えた誰かが勇気を出して進言していなければならなかった。

そうしなければ、イベントを契機としてそのジャンルが問題視され、活動できなくなってしまう。
問題が起こった時、通常、真っ先に責任の矛先が向くのはイベントの主催者であり、次は参加者であるだろう。
しかし、もしその問題が国際問題に発展して、原作ゲームや漫画作者まで巻き込んでしまったら、こんな重大事件の責任は誰も取ることができない。

今日、日本のアニメや漫画の文化は広く他国に受け入れられつつあるが、だからこそ、他国の目も日本に向いているということを忘れてはいけない。
実際に、私のノートが日本文化に理解のある外国人の目に止まった結果、DMをいただき、本noteを書くための意見やエビデンスを本当に長々と教えて下さっていることがその理由である。

国境のないインターネットで、
「どうせオタクしか見ない」
「日本人の考えた架空の世界の二次創作だから問題にならない」
「架空の話ですと前書きしておけば問題ない」
「不愉快ならば見なければいい」
という感覚では絶対にいけないものの中のひとつがイスラム教の戒律・禁忌(Haram)であり、過去に起きたことを踏まえてきちんと勉強しておかなければ問題が起き、大規模に炎上して、最悪、原作のゲームや無関係の漫画原作者まで巻き添えにしてしまう。

村がこのまま拡大を続けて、ほぼ頒布ルールがない状態で二度目・三度目のWEBオンリーイベントが開催され。
楽しさと勢いに乗って我も我もと紙媒体の同人誌を作り。
検索避けのない実名での書店販売が一般的になったり、村のタブーを知らない人々が大量に流入して、触れてはいけない表現を使ってしまったり、キャラクターの実名入りの同人誌が大量に中古流通して検索で気軽に出てくるようになってしまったら。

これは本当に、原作を巻き込んだ国際問題になり得る。それくらいの温度感なのだ。

このテーマを扱う時のガイドラインの一例

以下は、宗教問題に敏感で、宗教について日本人より確実に正しい学習を義務付けられている国のオタクの方々に、今回取り上げたジャンルで国際的なHaram炎上にならない為にどのようなガイドラインを設定するのが望ましいか?と質問し、それを元に規約・ガイドラインの形に起こしてみたものである。

●同人誌の表紙にキャラクターの実名カップリング表記を入れない(特に英語で書かない)
●同性愛描写のあるツイートをする時は隠語で、実名やハッシュタグは使わない(特に英語で書かない)
●カップリング作品を一般公開しているWEBサイト内にキャラクターの実名を記載しない
●WEBで、激しい性描写のある作品はフォロワー限定公開にする
●同性愛描写のある同人誌は書店販売せず、BOOTHなどで、フォロワーや、CPに理解ある人のみに頒布する

●二人が登場していても、同性愛や異性装の描写がない作品であれば一般公開していても別に問題にならない(と思う)

ほぼほぼ実在人物をモチーフにしたファンアートと同程度か、それよりもやや厳しい規制を掛けておいた方がいいだろう、ということだった。
自分が当初想定していたガイドラインでさえ、日本人の激甘感覚寄りだったと反省せざるを得ない。
特に、実在の人物をモチーフにした作品では、現実との境界が麻痺しがちだというご意見も頂いている。

これは、ムスリムが7割を占め、他者の宗教を重んじるような教育が常識である国、まして自国のオタク文化では戒律上の炎上を避けなければいけないと知っている人の意見で、日本人が独自に考えるガイドラインよりはるかに正確だと考える。
が、これもまた100%確実だとは言い切れず、見解は人それぞれにあると思う。
『ムスリムで、オタク文化に理解がある人であっても、このテーマについて語れるかどうかはわからない。オタクであっても許せる人とそうでない人がいる。それは人それぞれ。』とはマレーシアの方のご意見であり、これは「その宗教を信じる人へのお気持ちに配慮した意見」ではない。
あくまでも、「これくらいやっておけば、まあまあ人目につかないし、問題視されることは起こりにくいだろう」という基準のひとつで、問題が起きるのであれば、都度都度変えなければならない。

繰り返すが、このジャンルの創作を『してはならない』ということではない。
ただ、他国の感覚やイスラム教の戒律を踏まえた上、議論し、熟慮して、他の二次創作作品よりかなり厳しめのゾーニング設定をしないと、本当に国際問題になってしまって、結果的に公式からの禁止令やキャラクター登場機会の損失、そして創作界隈の萎縮を招きかねないから、そうしなければいけないのだ。

「他のこの原作の作品や他ジャンルの二次創作と同程度の隠れ方でおおむね構わない」という認識は誤りである。
特に歴史上の肖像画を使用したカップリングコラは、洒落にならないほど炎上する。

今回取り上げたのは、実在人物をモチーフにしたムスリム君主メフメト二世を性描写(同性愛・異性装・女体化も含む)する村において、理解と対策が不十分なまま、楽しさ優先で村が急速に拡大してしまった…という事案であり、これ以外にも、配慮や考慮が必要になってくるジャンルは多々あると思う。
たとえば人種、民族間の差別や宗教差別・戦争による植民地化の歴史・民族大虐殺・他国での旭日旗の扱いなど、感覚がゆるい日本人にはあまり馴染みがなく、軽々に触れる前によく勉強しておく必要のあるテーマは他にもいろいろあるだろう。

そういったテーマを扱う場合、右へならえで緩い方向に解釈してはいけない
ガイドラインが制定される意味を考え、一人一人が自分で調べ、いまや日本のオタク文化は海外に向けて開かれているものなのだと認識した上で活動しないと、やりたいことが本当にできなくなってしまう。
特に、大きなジャンルは海外でも人気であり、海外の方が二次創作を目にする機会も多い。
今回の件に関しては、「イスラム教はなんか怖いから触ってはいけない」ではなく、イスラム教の戒律が他の宗教とは異なるという認識を持って、これなら大丈夫、という線引きをしながら活動する必要がある。

同じような事案を起こさないために

ここは日本だから、は最早通用しない

過去、創作界隈で、日本人の宗教・国際・民族感覚の希薄さが招いた炎上事件は幾つもある。
先に述べた国擬人化ジャンルでの他国を巻き込んだ炎上であったり、漫画作品に登場する「卍」の文字を反転させたままハーケンクロイツとして描写してしまったり、イスラム教徒が現実世界で神聖視しているものを空想の性的作品に使用してしまったり…が、その例だ。

今回取り上げたムスリム君主メフメト二世をネタにした二次創作界隈(以下、村)において、私は村が成立してから5カ月間、気付くたびに、穏やかに『これはまずいのではないか。こうした方がいいのではないか。』ということを言い続けてきた。
しかし、結果的に、主催と(結果的には自分を含めた)参加者全員の認識が甘く、ルールが杜撰なままでイベントが開催されてしまい、誰もこれを問題視をしないままで、アフターや二回目の開催を熱望している状況が起こっていた。

実名で登録されてしまっている一般書店委託販売本の修正登録には時間が掛かるし、事前通販で手元に届いた本には、キャラクターの実名カップリング表記が英語で記載されている状態で、もしこれが他国の人の目に止まってしまったり、悪意ある第三者に利用されてしまったりしたら、国際規模の炎上を招き、公式が萎縮し、ジャンルの中でも筆を折る人が出かねない。
先も書いた通り、書店委託の同人誌については、海外への通販代行が行われている。
そして何より、この状態を誰も『おかしい・まずい』とは考えていなかった。他の二次創作とほぼ同一の基準が適用されており、それに異を唱える人はいなかった。
むしろ『今回は一般参加だったけど、次回は自分も本を作ってイベントに出ます!』と盛り上がってしまっている人も複数いた。

最早、穏やかに諭している時期はとっくに過ぎ、早急に意識を改め、即座に対応しなければいけない事態である。
「今回は失敗したけど次はちゃんとやればいいよね♪」という状況ではない。

故に、責任の主体者(イベント企画者)と、村全体に対してかなり激しい怒りの言葉を使い、『まず規約の不足について真剣に考え、周知するべきであること・そうしなければ悪意の有無に関わらず容易く問題が起きる状況であること』を伝えた。普段は絶対に使わないし、今までも使ってこなかった鋭い激しい言葉だったので、向けられた側も驚いただろうとは思う。

ただ、これこれこういうことをしたらこのような事態になる、という詳細かつ穏やかな説明をオープンでしてしまったら、その時点で既に世に出回っている作品や出版物を逆手に取られ、嫌がらせに使われかねない状態であった。
ゆえに、激怒という形で問題提起したその時点では、起こりうる問題についての明文化は避けざるを得なかった。
内容としては『やろうと思えば誰にでも問題を具現化できてしまう今の状況で、問題が起こってしまったらどうなるか、楽しいことを考える前にそこを真剣に考えてほしい』と言ったが、結果的に、

  • 公式・もしくは関連宗教団体への作品送り付け

  • 本の現物やスクリーンショットを同封した関連団体への苦情

  • 販売ページのリンクや、問題視されるであろう作品のスクリーンショットをタグ付き拡散

  • キャラクターの実名が記載されたイベントページのURLを貼り付け、保守派だと解っている国内外の人に問題視のメンションを飛ばす

などが、実行者の悪意の有無に関わらず実行可能な状態であったし、一部の行為はやろうと思えば今でも実行できてしまう。(実際、逮捕者を出した「ポケモン同人誌事件」の発端は、任天堂本社への一般人からの苦情である。)

これをやられてしまったら、本当に国際レベルでの大炎上に発展しかねず、結果的に公式への実装がなくなったり、イベント主催者が激しく批判されたり、無関係の原作者に飛び火したり、公式で禁止されたりして村の消滅に繋がりかねない事態に陥るだろう。作者やジャンルが物理的に消える。

さらに、名前と活動が紐づいている・創作活動や学業などを生業にされている方にとって、クライアントに作品を送りつけた上での苦情や、拡散は、下手をすると将来の仕事に関わる致命的な事態になり得る。そして後続の人達が前例にならって勢いで進んでしまったら、トラブルに巻き込まれてしまう人の数も必然的に増える。

そんなことが、冗談でも大げさでもなく、本当に起こってしまいかねない状況だった。

この村の熱狂は確かに楽しいし、安全に存続してほしいからこそ、本当に激しい言葉を使って物を言った。

昨日まで穏やかにイベントやカップリングの話で感想を述べながら盛り上がっていた私の突然の豹変と激怒の言葉を、多くの人は『言葉が非常に攻撃的で怖い。何もそこまで恫喝的なことを言うほどのことはないのではないか?』と受け止めた。
しかし一部は『あなたがそこまで言うだけのことが起きていた』と理解してくれて、今に至っている。


前回のnoteをきっかけに、ムスリムの方を含めた各国の方の意見を聞いて、改めて自分自身が認識不足と誤解に基づいた危険なゾーニングを平然と行ってしまっていたこと・その拡大に少なからず加担してしまったことを痛烈に後悔した。

もし、繊細な問題だという認識のもと、徹底的に考慮された上でゾーニングのルールが敷かれていたら。
主催者・参加者の全員に問題意識があれば。
問題が即座に認知され、深掘り修正されていたら。
本当にとても楽しいイベントであったと思うし、同志の間だけでのみ通用する熱狂的な盛り上がりと拡大が持続していたと思う。

少なくとも、今の創作界隈の表現に関する認識では絶対に足りない。それは、トルコの方のご意見を聞いて心から思った。
宗教に関する表現だけでなく、歴史的肖像画や海外の観光名所の扱いも含め、現実と空想をリンクさせないという取り組みはまだまだ足りていないだろう。

「これはどうなの?」と思ったら、流されずに立ち止まる

自分自身の認識すらも甘い状態で村の盛り上げに加担してしまった責任と反省を込めて、この界隈で起きてしまったことを教訓としてnoteに書き記すことにした。

もし、自分が接するジャンルが少しでも敏感なジャンルだと感じたら。

  • 現実と創作をはっきりと切り離しておくこと(たとえば、モチーフになっている施設名や国名を直接使用しないなど)

  • 周りがこうやっているからこれでいい、で突っ走らず、自分で調べること

  • おかしいと思ったことがあったら周囲に流されず、勇気を出して問題提起すること

  • 憶測やお気持ちではなく、現実に起こりうる可能性を想定すること

  • 過去の発生した問題を調べ、失敗から学ぶこと

  • 日本のオタク文化が世界に開かれているということを認識し、世界の感覚を勉強すること(※できれば、海外の意見を取り入れること)

こういったことを行わなければ、本当に危ない

危ない理由は、過激派が攻撃してくることでも、配慮やお気持ちの問題でもなく、『結果的に公式や二次創作が縮小・萎縮・禁止発令して、やりたいことが自由にできなくなってしまう』から、これが本質だ。
問題が起きたときだけ隠れ、ほとぼりが冷めたらまた以前と同じように行動する、という認識では、絶対にいつか大きな問題が発生してしまう。

繰り返しになるが、勉強しなければならないのはイスラム教などの宗教のことだけではない。民族・国と国の対立の歴史や国旗・国歌の扱いなど、日本人が特に鈍感なものは幾つもある。

よく知らないことは、きちんと勉強した上で、創作者の中でも問題提起や議論を繰り返さなければならない。

気を抜けばいつかまた同じ轍を踏んでしまうかもしれないという自戒も込め、最後に、この問題に共感してご意見を下さった海外の方からのお言葉を共有しておきたい。

Normally, Muslim are friendly. If we have any questions about Islam, they will explain very clearly to us.
But not all the Muslim can accept homosexual or discuss this topics.
So, I hope this can help you to know more about Muslim.

通常、イスラム教徒はフレンドリーです。イスラム教について何か質問があれば、とても分かりやすく説明してくれます。しかし、すべてのムスリムが同性愛を受け入れたり、この話題について話し合ったりできるわけではありません。だから、この話題が、ムスリムについてもっと知るための助けになればと思います。


【おわりに】

本noteについてのコメント返信は一律で控えさせていただきます。
まず、全ての人がこの意見に完全同意する訳ではないこと。その上で、

  • 賛否両論含め、全員の意見に平等に返信するのは事実上難しいこと

  • まず、自分自身の健康回復が優先であること(詳細は他のnoteにございます)

この件に関して私に物を言いたい、という方がいらっしゃるのであれば、それは私個人に言うのではなく、ましてanonymousで無責任に物を言うのではなく、ご自身の本アカで、文責を持ってnoteなどで問題提起して頂いた方が建設的だと思うからです。

宗教や人種など、お気持ちで推測しがちな日本人が学ばなければいけないことはたくさんあり、それらを腫れ物扱いするのではなく、色々な意見が活発に飛び交うことで学びに繋げた方が有益だと思います。

海外の方が仰るように、『意見は人それぞれ』であり、お気持ちではない議論がされた上、配慮ではなく考慮できればそれに越したことはないのではないでしょうか。

【Special thanks】

  • ご意見を下さった海外の方々

  • 本文を発出するにあたり、事前にチェックして下さった方々

  • 前回のnoteに、真摯に、本アカDMで指摘や改善提案やお叱りや共感を下さった方々

本当に感謝いたします。
Thank you so much.
Terima kasih banyak - banyak.
非常感谢你。
Çok teşekkür ederim.

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