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親子って何だろう?/14冊目 瀬尾まいこ 『そして、バトンは渡された』 文藝春秋

この本はとっても読みやすい本でした。
愛されていることに気づくことってとても大切だなあと思いました。

始めに

読んでいただき、ありがとうございます。
えだまめです。

今回紹介する本は『そして、バトンは渡された』です。

映画もやってますね。
最近、金曜ロードショーでやっていた気がします。私自身は見れていないんですけどね。

それでは、早速紹介に移りたいと思います。

あらすじ

主人公は、高校生の優子。ドライな所はあるが、とても優しい子です。彼女の特筆する点は、母親は2人、父親が3人いるところ。

1 水戸 産みの親。母は天国にいる…らしい。
2 梨花 若くて美人。
3 泉ヶ原 お人好しなお金持ち。
4森宮 会社勤めをしながら、1人で優子を育てる。

この順番で、優子の“親”のバトンが渡されていきます。

ピアノ

この作品ではピアノが大きな役割を果たしています。

優子の実の父親の水戸さんがブラジルに転勤になり、梨花さんと優子が2人暮らしをしていた時期がありました。

優子が初めて自分から欲しがったものがピアノ。梨花さんはピアノを手に入れる為に、泉ヶ原さんと結婚しました。

そして、ピアノの上手い早瀬くんとの出会い。早瀬くんはとてもピアノが上手です。優子もあんな風に弾けるようになりたいと思います。

ピアノの描写もとても細やかで、音が浮かび上がってくるようでした。

私はピアノの経験も無いので、合唱の伴奏を弾くのにやはり相当練習しているのだなと思うと、合唱をそこまで練習したことがないことを申し訳なく思いながら読んでました。

家族

「森宮さんの彼女のことは知らないけど、親なんてそれぞれだから比べようないよ。(中略)愛情の示し方や種類ってみんな違うから」
第1章 p.211  優子の言葉

ここの言葉は、森宮さんが優子に今までの親の中で劣っているから、ピアノを買って引っ越すくらいは出来ると提案するシーンで、優子が反対した言葉です。

優子は今までの親を比べたことは無い。と。

私は、家族というものは愛情で繋がっている者同士のことを指すのだと、この小説を読んで思いました。

水戸さん→家族のために働く
梨花さん→ピアノを弾ける環境づくり
泉ヶ原さん→ピアノと弾く場所の提供
森宮さん→なるべく優子と一緒にいる、料理

上記が、私が思うそれぞれの愛情の示し方なのかなと思います。優子のように示し方も種類も違う。優子は親はころころ変わりましたが、愛情を持って育ててもらっていたおかげで、きちんとその愛情に気付いて受け取れる子に育ちました。そこが、とてもいいなと思います。

料理

この本は、美味しそうな料理の描写も多いです。出来立ての料理をテーブルに乗せて、家族と向き合って、美味しく食べる。涙が出るほど心に迫るもののある、美しい光景だと思います。料理をつくって、食べたくなってきます。

料理はどれだけ見栄えが悪くても、味が悪くても、食べる人のことを思ってつくってくれたのなら、「美味しい」ですよね?

愛が詰まっているなあと思います。

最後に

どうでしたでしょうか。

少しでも、魅力が伝われば幸いです。

あなたにとって、この本がお気に入りの1冊に仲間入りしていただけるなら、こんなに嬉しいことはありません。

あなたのおすすめの本、次に紹介する本の予想、この記事の感想などありましたら、ぜひコメントをください。待っています!

見てくださって、ありがとうございました。
また、木曜日にお会いしましょう。
えだまめでした。


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次に紹介する本のヒントは

僕のマリさんが書かれたエッセイ

です。


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