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サラリーマンの必殺技「フルローン」の注意点

先日、数年ぶりに不動産会社の担当の方と面談をしてきた。

不動産投資は、始まってしまえばノンストップ。

基本的には管理会社とのやりとりがほとんどで、仲介である不動産会社と定期的にお話する機会は、めったにない。

数年ぶりにお会いしたのは、不動産3号(3部屋目)を買うかどうか、ちょっと迷ってるから。


わたしがサラリーマン大家になった日


今現在、私が持っているのは、都心の中古マンション。

ここでは便宜上、1号(1室目)・2号(2室目)と呼んでおこう。

まだ「サラリーマン大家」とか「中古マンション投資」とかいう単語が流行る前、わたしは1号・2号を手に入れた。

最近は「サラリーマン大家を狙う詐欺に注意」と、よく言われるが、当時はそもそも「サラリーマン大家」という言葉自体がなく、わたしは数十社の不動産業者に問い合わせ、毎週末セミナーに足を運んでは、物件選びに余念がなかった。

そして、半年以上かけて厳選し、ついにこれから長いつきあいになる相棒1号・2号を手に入れ、念願の不動産大家さんになった。

その後、都心のマンション価格の高騰とともに「サラリーマン大家」ブームが到来。

うっすら「運がよかったかも」と気がついた時には、じわじわと不動産価格が上昇し、「運いいなぁ」と確信したころには、売ってほしいという不動産業者からの問い合わせ電話がひっきりなしにかかってくるようになった。

国土交通省が発表した不動産価格指数によると、中古マンションの価格は2013年から2023年の10年間ずっと上がり続けている。

引用:不動産価格指数(令和5年11月・令和5年第3四半期分)

幼いころの貧乏生活に耐えたごほうびなのか、わたしはやっぱり運がいい。

今となっては、よくある詐欺の手口のひとつみたいにやり玉に挙げられる「中古マンション投資」だが、上昇気流に乗れたわたしとしては、ぜんぜん悪いイメージがない。

むしろ株や投資信託よりも値動きが少なくて、ポートフォリオを安定させてくれる頼もしい存在だ。

とはいえ、時代が時代。

「もう逃げ切ればいいのに。」

と心の中で思いつつも、3件目がちらついているのは、あと5年もすれば2件のうち1件はローンが完済できるから。

サラリーマンの必殺技「フルローン」


「結果から言うと、フルローンでいけそうです。」

もう高値掴みになるからやめた。そう思っていたのに、担当の方に言われ、また悩みはじめた。

職業「サラリーマン」の必殺技と言えば、「フルローン」。

年収400万円を達成したら使えるようになる魔法のようなもので(※人によります)、ドラクエなら回復呪文の「ホイミ」ぐらい有名。

その一方で、転職して「個人事業主」になったり、突然首切られて「無職」になってしまったら、もう二度と覚えられないまぼろしの魔法でもある。

わたしが「フルローン」を使えるのは、勤め先のおかげであり、決してわたしがすごいからじゃない。

勤め先の信用をわが手に宿したときだけ、期間限定で使える魔法なのだ。

「フルローン」が使えるなら、3件目も本気で考えたいと相談したところ、使えることがわかってしまった。

一般的に「フルローン」を使うための条件は、以下の通り。

  • サラリーマンとして安定した収入がある

  • 担保物件になる資産を持っている

わたしの場合、以前購入した心強い相棒の1号と2号がいる。

今から買おうとしている3号の資産価値を不動産1号と2号のどちらか、もしくは両方の合計額が上回れば、「フルローン」が使える仕組みだ。

査定していただいた結果、1号か2号のどちらかを担保に差し出せば、どうやらわたしは魔法が使えるらしい。

必殺技「フルローン」を使う時の注意点


必殺技「フルローン」を使う時に気を付けないといけないことは、主に次の2つ。

  • キャッシュフローが悪化する

  • 諸経費は借入できない

諸経費の数10万は、どちらにしろ持ち出し。それは、まぁ、想定内。

そして、キャッシュフローは…やっぱりプラスにはならず。

不動産価格がかなり低かった昔なら、どんなに利回りが低くても、マイナスにはならなかったのに。

「今は昔と違って、利回りはこのあたりが通常ですね…」

見せられた利回りは、私が1号・2号を買った当時と比べると、3%ほど低い。

平成のサラリーマン大家が怖いモノ


令和のサラリーマン大家にとって、どうやら「持ち出し」は普通らしい。

持ち出しとは、毎月の赤字分を手持ちの資金から補填すること。

必殺技「フルローン」を使うと、その分借りる金額は大きくなり、3号のシミュレーション結果は、毎月2000円が持ち出しとなった。

大した金額じゃないのはわかっていても、わたしみたいな古いタイプの「平成のサラリーマン大家」にとって、やっぱりマイナスは怖い。

昭和のサラリーマン投資家なら、腰抜かす。

いや、逆に昭和なら、むしろ不動産バブルか。

「運が良すぎたんですよ」と言われても、わたしのお財布のヒモは決してゆるまない。

そしてもっと怖いのが、未来の自分。

必殺技「フルローン」を使ってしまったせいで、銀行の住宅ローンの審査が厳しくなるのは、どうやらあるあるらしい。

投資はどこまで行っても自己責任。

使っても使わなくても、投資人生は続くのだ。

さあ、魔法の必殺技「フルローン」、あなたは使いますか?



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