穂波エダクニ

東京在住サラリーマン科転勤属恐妻種/常に迷走中しながらも丁寧に書いていたいと思います。

#12 「 夏の入口 」

子どもの頃、我が家には毎年ツバメがやって来た。 玄関内の三和土に先輩ツバメが残していった巣を、後輩ツバメたちが目ざとく見つけてせっせと補強しては繰り返して使う。 …

#11 「 いつも、どこかで 」

不動産屋から郵送で送られてきた鍵をジーンズのポケットに入れて、新しく借りた家へと向かう。 内見もせずに不動産屋のホームページに掲載されていた何枚かの写真を見ただ…

#10 「 以 心 伝 心 」

突然、謎の”ウイルスらしきもの”が襲ってきた。 感染者と会話をしただけで100%感染してしまう”ウイルスらしきもの”は、瞬く間に世界中をのみこんだ。 なぜ、”らしきも…

#9 「 雨 の あ と さ き 」

ぼくも彼女もじっとりと汗をかいていた。 白で揃えたヘインズのTシャツが、汗を吸い込んでからだに纏わりつく。 襟をつまんでパタパタと胸元に風を入れてみても、太陽に温…

#8 「 デートの約束 」

「ごめん・・・やっぱ今日、行けそうにない・・・」 幸樹が申し訳なさそうな声で電話をしてきた。声の低さと口調が深刻さを物語っている。 「わかった、しょうがないよね・・・」…

#7 「 shout 」

俺がギターを持ったのが高2のときでさ、ざっくり30年前だよ。隣のクラスにえらく上手いヤツがいるって話で、放課後に見に行ったんだ、卓球部の部室に。そう、彼は卓球部…