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教員はブラック?むしろブラックじゃないと生きていけない!?①

何言ってんだ!っていうタイトルですよね。
『職場環境のブラック』と、『策略をめぐらす腹黒さのブラック』を掛け合わせてみました。

この過酷でブラックな教育現場。今回は、それを生き抜くための策略『ブラックな仕事術』第一弾をお伝えできればと思います。

私自身、大学では法学部出身で、特に労働法について専攻していましたので、この教員の世界のおかしさは初任からずっと感じてきました。
(法学部出身の小学校教員って珍しいですよね。実は教育実習もしていません。その辺の話はまたしていこうと思います。)

システム的に改善すべきという部分ももちろんあります。
昨日も、朝8時半からの勤務時間なのに、早くきている教員は8時からコロナ関係で鳴り響く電話取らなきゃならないし…
→8時から18時は電話取るきまり、昔はそんなものすらなかったけど。
それも今後書いていきたいな。

しかし、そんな中でも、なおかつ教育困難校でも、すごい成果を上げて、定時で帰る先生がいます。
前回紹介した中村健一先生です。


1.学級経営のブラックな考え方

普通の子ども主体を目指す教育書では、4月から3月へ子供達へ徐々にクラスのことを委任していく信頼ベースであることが多いですよね。

しかし、このブラック学級開きでは、発想がとても面白いです。


それは、比較的落ち着いている4月に教員への肯定的な感情で貯金を作り、それを3月まで切り崩しながらなんとか持ち堪える、という考え方。
その貯金が3月前に無くなってしまうと学級崩壊。

信頼ベースとは真逆の発想ですね、まさに性善説ではなく、性悪説!ブラックな考え方です笑
子供を信じる、なんてこと一切書いてないですもん。

でも面白いなーと思うし、そういう発想しかできないクラスも日本には存在しているのはなんとなくわかります。

そして、授業がちゃんと成り立つ普通のクラスでも、この4月の貯金という考え方はすごく大事だなーと。

もし可能ならさらに貯金を増やしていけばいいし、貯金が多ければ、子どもたちに委任できることも増えて、担任としてもチャレンジもたくさんできます。

なぜなら、チャレンジや委任には失敗がつきものだからです。
そんな時、貯金が貯まっていれば、多少失敗しても、そこから切り崩せば、うまくフォローができなくても、大丈夫。
→フォローできたほうがいいですよ、もちろん笑

この貯金というのは担任に対する子どもたちや親の信頼感なのかなあ、と書いていて思いました。

だからこそ、4月はチャンスでもあり、プレッシャーのかかるピンチでもあるのかもしれませんね。

貯金に関して、あってよかったなあ、と思うエピソードを。
私は先日も怒らなくていいところで大きな声で怒ってしまったり、証拠もないのに物盗りの犯人扱いをしてしまったりしてしまいました。

当然お家の方からお電話が。次の日、本人にも謝ったんですが、その時に
『先生はこうして謝ってくれたし、ここまでのクラスは本当に楽しかったから、大丈夫』
なんてことを言ってくれました。

『ああ、丁寧に関係を築いてきてよかった。』

そう思いました。

どんなに気をつけていても、いつ信頼を失うようなことを誰にしてしまうかはわかりません。

4月貯金、ぜひ来年度からやりましょう!

2.教員ブラックマジック!

なんか某カードゲームの魔術師の攻撃技みたいになりましたが…笑
→世代バレる

じゃあ、『どうやったら4月に3月まで保つ貯金が作ることができるのか』ということですよね。

それがブラックマジック、0.1.3.7.30のプランです。

あれ、どこかで聞いたことあります?

そう、これは初任者指導で有名な野中信行先生の
『3.7.30の法則』に0と1をつけたもの。

野中先生の著書はこちら

僕も新卒教師時代を生き抜くシリーズは全巻読みました。
→初任者に全部あげちゃったけど。

『黄金の三日間』なんて言葉は今では有名になりました。

中村先生はこの子どもが素直な4月のうちに、信頼を勝ち取るということを『0.1.3.7.30のプラン』で言っています。

3.教員を助けるブラックプラン

まず、0は3月末から始業式前日までのことです。ここで、教室のルール作りやシステムづくりを決めておく。
ぶれない自分を作る
ことが大切だそうです。

給食指導や掃除指導、トイレの行かせ方、宿題の提出の仕方など、現場は具体的すぎるほど具体的です。
それを自分の柱や大切にしたい軸、叱る基準に合わせて決めていかなければなりません。
これはなかなか始業式後では考える時間がありません。
ゆっくり考えられる0のうちに、決めてしまうことです。

私自身は、どのルールもある基準があって、
1.他人に迷惑をかけないこと。
2.時間を無駄にしないこと。
3.自分や友達の成長につながること。
という柱を立てて、全てのルールやシステムを作っています。

例えば、掃除は前期はずっと自分が選んだ場所を掃除します。
それは
1.自分で選んだ場所には愛着や責任感が生まれやすい。
2.毎週掃除を変えると、場所の確認、やり方などで掃除を始めるまでに時間がかかるのを防ぐ。
3.同じ掃除場所のメンバーと役割分担や協力をしやすい環境を作る。
なんて理由があったりします。掃除や給食についても書きたいな。

1は始業式当日。
子供との出会いの日。
ツカミの時間、『この先生でよかった』と思わせる日。とにかく面白いゲームやネタで楽しませます。褒めることも忘れずに。

3は3日目までに秩序を作る時間。
この時に叱る場面を意図的に作るといいそうです。ここは正直クラスにはよると私は思いますが笑

7は1週間の過ごし方。
1週間で0で決めたルールを浸透させる。

30は1ヶ月。
7で浸透させたルールを徹底的に守らせる。 

例えば、私は『授業中の廊下は絶対に話さない。』
というルールを始めの3日までに指導します。
え、当たり前だろ!って?笑
本当にそうでしょうか?指導はしているけど、徹底しているクラスって少なくないですか?
少しでも話したら教室に戻ってやり直し。これを繰り返すだけで徹底されていきます。
この7や30で話すたびにやり直し。そうすれば先生がいなくても教室移動で話さなくなりますよ。ちょうど検診なども多い時期ですので、教室移動は多いはず。
もちろんできたら褒めるのを忘れずに。

4月で徹底できれば、
『君達なら並んで行かなくてもいいよ』
なんていうこともできます。
そうすればより自由で時間を大切にした活動ができるようになり、結果として主体性のあるクラスになっていきます。
一人一人バラバラで移動してても、静かに移動していれば、文句を言う先生はあまりいないと思います。
まさに4月の貯金!

もちろん、たまには廊下に潜んで抜き打ちで見守り、うるさかったらやり直しですよ笑

私は主体性のある子たちに育ってほしいと思っているし、そういうクラスを目指しています。

しかし、この7と30はとても大事だと思います。

主体性というのは安心感がある環境で初めて生まれます。
我々が職員会議で主体的に発言しづらいのは、きっと安心感がないからではないでしょうか笑

のちのちの子ども中心のクラスを作るためにも、ここの徹底的なルールの定着は大事だなーと。

3.7は意識する先生が多いですが、30は忘れがち。ルールやシステムを作って安心してしまうんですよね。

4.その他教員のブラック術


他に印象に残ったものを紹介します。

1.褒めるゴールが見えない教師は叱る資格なし!
我々は子どもの成長のために仕事をしています。叱るのはなんのためかというと、この先褒めるために叱るのです。

いけないことをした→叱られる→いけないことをやめた→褒める

これで学んでいくんですよね。
ゴールを見据えて、計画的に叱ることが大切ですよね。その場の感情に任せるのではなく…
→自戒も込めて

2.全体には厳しく、個別は見逃せ!
全体への甘えは良くないです。なぜならいろんな子がいるので受け取り方が変わるから。
しかし、個別では対応を変えます。もちろん他の子にはバレないようにですよ笑

例えば、たくさん叱らなきゃならない子っていますよね。同じ基準では叱るんですよ。
でも、その後個別で優しくフォローを入れたり、誰にも迷惑をかけていなかったらあえて見逃してあげたりするのも、信頼関係構築には大切です。

我々大人も、叱られてばかりの人の話って聞きたくないですよね笑
褒めてくれる人に叱られると、直そうって思うじゃないですか。
それと同じですね。

3.不登校は担任のせいではない。
もちろん例外もありますが。
基本的にはこれは同意です。
担任が怖いから、とか理由をつける子もいますが、担任が怖くても、友達が多ければ休みません。
担任として自分の行動を見つめ直すのは大事だし、寄り添う姿勢は必要ですが、自分を責める必要はないのです。
不登校にはさまざまな理由があり、簡単には解決できないから不登校なのです。

これは学級崩壊も似ています。

その担任のせいにしがちですが、実は違う。
そんなことがこの本に書かれています。

次回はこの本についても書いていきたいですね。

これからも『ブラックな学校現場』を『ブラックな考え方』で解決していく術をお伝えしていきます。そうご期待!!

最後までお読みいただきありがとうございました!

さて、出勤しますか!

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