失ったものが、あたえてくれたもの

失いたくない
損したくない
後悔したくない。

きっと、誰もが日々
感じる気持ちだと思う。

失いたくない。

何かを得るよりも、
今あるものを失うことが怖いよね。

損したくない。

自分がGIVEしたもの以上の
TAKEを得られなかったら嫌だよね。

後悔したくない。

理想が叶わない現実に直面したくないよね。

だから、
成功したいから努力するよりも
失敗しないように努力することもある。

やりたいことをするよりも、
自分が傷つかないことを選ぶこともある。

摂食障害に限って言えば、

痩せた体を失いたくない
今までの努力を水の泡にしたくない
太って後悔したくない。

だから、マイルール以外の行動に挑戦できない。

でも、人生は思い通りにはいかない。

お目当てのコンビニスイーツは売り切れてるし
Amazonで頼んだはずのものが届かないし
何の前触れもなく友人がさっていくこともある。

摂食障害に限って言えば
痩せたいのに食べてしまうし
3kg痩せたのに5kgリバウンドしちゃうし
食事の誘いを断れば、後悔の波に飲み込まれる。

失敗して、損して、後悔ばかりの毎日から、逃げたくなる。
さらに、摂食障害になったことで失ったものをあげればキリがない。

ただ、その経験からしか得られないものがあるとしたら？

失ったものからしか得られないこと

そう、気づかせてくれたのは
宇多田ヒカルさんだ。

望んだものが
必ずしも自分にとっていいことだとは限らないし、

望まなかったことが
すごく自分を成長させてくれたり、

何かを失ったりしても、
失ったってことは
与えられてたんだなって気付かされたり、

失ったものはずっと心の一部になるって知ったり、

与えられなかったものも
自分を豊かにしてくれたなってこともわかったし、

与える喜びとか満たされる気持ちもわかった

すごい言葉だよね。

摂食障害になったからこそ
家族、食事、健康の大切さを知った。

空腹と満腹を感じることの素晴らしさを知った。

食べたいものを
食べたい時に
食べたいだけ食べられることは
幸せなことだったと知った。

たくさんの友人と疎遠になったけど
本当に大切な友人は手に残った。

叶えられなかった生活のおかげで
叶えたい生活ができた。

摂食障害で
失ったはずのものたちが
今の私の幸せにつながっているとしたら？

高校を中退して
青春を謳歌できなかった後悔が
大学受験のエネルギーになった。

2年遅れで入学したからこそ
出会えた友人がたくさんいた。
旦那とも出会えた。

新卒で大手企業に入ったけど、
過食嘔吐がひどくて
仕事に集中できなかった。
でも、それが悔しくて
過食嘔吐を克服しようと思った。
その過程で、仕事に夢中になった。

全部、失ったからこそ
得られた幸せだった。

逆に、何かを手に入れると言うことは、
何かを諦めるということでもある。

結婚のために、移住する必要があった。
だから、キャリアをあきらめた。

でも、だからこそ
起業して成功しようと思える活力になった。

子供を授かった。
だから、大好きな仕事を休む必要があった。

でも、だからこそ、子育ての喜びを知った。

何かを得るためには、
何かをあきらめる必要がある。

でも、あきらめたそれもまた、
私の一部であることには変わりはなかった。

失ったものが、与えてくれたと気付けるのは

でもね、これは
失敗や後悔の苦しい時を乗り越えたからこそ
得られた感情なんだよね。

失って
傷ついて
損したと嘆いているときは

そこから得られたものに
なかなか目を向けられないから。

そして、得られるものって
振り返ってわかるものだから。

時間が必要なものだから。

だから、苦しい時こそ
時の流れに身を任せてみたほうが
意外とうまくいく。

そして、
時に自分の苦しみに向き合って
大切にケアしてあげたい。

そうやっていれば
必ずまた新しい道につながっているから。

きっと、今この瞬間も、その道のりの途中。

失ったはずのものは
全て私の一部になり
今につながっている。

そう思うと、
何一つ、無駄なものなんてない。

何一つ、失うものなんてない。

だから、失うことを恐れずに
今日も私らしく生きようと思うのです。