ゲスト満足度向上のカギは価値の言語化!【地方の観光事業者が取り組むべきこと#002】
第2回目のテーマはゲストにとっての価値の言語化です。ガイド付きツアーで、マイナス評価を受ける際に、多く寄せられるコメントの1つが「スマホを使って自分で行けた。自分で調べられた。わざわざツアーに参加する必要がなかった。」というものです。
スマートフォンをほぼ1人1台持つ時代となり、ガイドがいなくても、スマートフォンさえあれば、目的地に行けますし、歴史を含め、大抵のことは調べることができます。つまり、スマートフォンがガイドの競争相手になっているのです。
そのような時代においては、スマートフォンでは見つけられない情報や体験を提供できないと、ゲストに満足してもらえないことになります。
今回は、ゲストにとっての価値の言語化について深掘りします。
○インバウンド向け相撲学校体験での価値の言語化
第1回目に引き続き2月初めに参加した両国国技館内の相撲学校体験ツアーについて触れます。
このツアーのハイライトの1つが、相撲学校で、親方から相撲の歴史等について、講義を受けられることです。
ガイドの方は、「普段、入ることのできない相撲学校に、今から特別に入ります。」「今日は、本物の親方から相撲について教えてもらえる貴重な機会です。皆さん、ラッキーですよ。」とゲストに案内していました。ゲストにとっての価値(特別感・本物・希少性)をうまく言語化しています。
が、我々が案内する場合は、「こちらが相撲学校です。どうぞ、お入りください。」とか、「これから、親方による相撲の講義です。」など、ゲストにとっての価値をうまく言語化できていないことが多々あります。
では、なぜ、言語化できないのでしょうか。
そもそも、ガイド自体が、ゲストにとってのツアーのハイライト・価値がどこにあるのか理解していない。考えていない場合が多くあります。自分が理解していない価値は、当然、言語化できないものです。
引き続き団体旅行から個人旅行にシフトしていることから、ますます個人旅行者に支持される価値を提供する必要があります。では、個人旅行者に支持される価値とは何でしょうか。
その1つが、ゲストが自力で体験できないこと、スマートフォンで調べられないことになります。
・普段、入れない場所に特別に入る。(ゲストは自力で体験できない)
⇒ 例)火山の立入禁止区域、相撲学校、相撲部屋、水族館のバックヤード
・普段、会えない人に特別に会う。(ゲストは、自力で会うすべをもっていない。)
⇒ 例)相撲の親方、タレント
・ゲストがスマートフォンで調べられない地元の隠れ家的なレストラン
○価値の言語化の例
価値の言語化の基本は「今だけ、ここだけ、あなただけ」です。ゲストに価値を感じていただくため、積極的に言語化しないと伝わりません。ぜひ、「価値」の言語化により、ゲスト満足度を上げましょう。
例えば
・今日は、特別に、行政から許可をもらって・・・
・今だけ、ここだけ、あなただけ
・皆さん、ラッキーですね
・貴重な機会
・限定1本
・ここでしか、販売していない
などです。
○まとめ
スマートフォンでほぼ全ての情報を入手できるようになった状況においては、単に、知識をつたえるだけのガイド付きツアーは選ばれなくなります。
まず、ツアーに参加するゲストにとっての価値を理解し、言語化することが重要です。
ゲストが、自力で、できない体験はどの部分か?
スマートフォンで、取得できない情報は何か?
改めて問うことが重要だと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?