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事務部門の恐ろしいところ

自然体でやっていると窓際になる

事務部門は「見えている人間」にとっては、やるべきことがいろいろと思い浮かんで忙しい部署だ。逆にやるべきことに気づかない人にとっては楽で暇な部署になる。

「必要性を吟味した上でやらないと判断したこと」と、「単純にやるべきことだと認識できずにやらない」の間には物凄い差がある。

後者の場合だと、上の人間からは「あいつは勝手に楽に働いている」と評価され、時間の経過とともにいつの間にか閑職に追いやられる。パワハラに敏感な時代なので、厳しい指摘は直接せず、裏で密かに見切りをつけられるのである。

サラリーマンとしてこんなに恐ろしいことはない。

優しい人は「今の理解度では全然ダメだよ」とちゃんと伝えてくれる。そういう人の助言をうるさいと無視していたら、キャリアの後半は縮小均衡である。

出世が頭打ちしやすい

俗に出世コースと言われるのは会社の利益に直結する部門である。事務部門は間接部門と言われることもあるぐらい、利益に直接貢献することが難しい部署だ。

そのため、出世したとしても部長止まりとかがザラにある。事務部門で頭角を表すと、そのまま10年、15年と留め置かれて、30代半ばぐらいには出世の天井が見えてくる。

逆に利益へ直接貢献できる部門で頭角を表すと役員までいける可能性がある。伸び代が山ほどある若手の頃はそんなことどうでもいいと思う人が大半だろうが、40代ぐらいで「もう上にいけない」と思うのと「まだ出世の可能性がある」と思うのでは、仕事の張り合いは全然違ってくる。

「俺たちは底辺だからさ」なんて自虐ネタも事務部門特有かもしれない。出世の見込みというのはこれほどまでに自意識に影響を及ぼすのである。

出世の見込みがなかったとしても、せめて前向きではありたいよな。

ヤバい人の隔離場所になる

人格が歪んでるとか、絶望的なほど仕事ができない人というのは、お客さまの前に立たせられない。会社のイメージを毀損して直接的に業績に影響を与えるからだ。

そういう人は事務部門の奥まったところに異動させて、「給料あげるからおとなしくしといて」という扱いを受ける。その人につくお守り役の人は地獄である。なぜなら、本人のモチベ管理に加えて「若手に悪影響を与えないようにする」ことも求められるからだ。

官僚の天下りのように、「重要な取引先絡みだから、戦力にはならないけど受け入れざるを得ない」ような人も事務部門や、営業部門の事務担当に配属されることが多い。

若い人たちは「責任が重くなる割に給料があまり上がらないから管理職にはなりたくない」と言っているらしい。その中にはしがらみからくる無能な人のマネジメントも含まれるのではないか。

事務部門は営業と比べるとノルマに追われることもなく、ワークライフバランスが保てるイメージを持つ人もいるかもしれない。しかし、成長中の企業だと事務部門は規模拡大に追いつかず常にキャパオーバーだし、成熟企業ではコスト削減圧力がかかりまくる。

もしあなたが事務部門にいて快適に働けているのであれば、上司が圧をうまく捌いてあなたの身に届かないようにしてくれているのだ。

もし、あなたが事務分野に進むか迷っているのであれば、負の側面をちゃんと直視して自分の進む道を決めよう。後悔のないキャリアを歩めることを祈っている。

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