サブスク配信されていないアルバム【洋楽編】

EPOCALCさんが書いたこちらの記事が面白かったので、私も同じテーマで記事を書いてみることにした。

  1. サブスク配信されていないアルバム

  2. 自分がCDで持っているアルバム

以上、2つの条件に合致したアルバムをただひたすら紹介していくだけの記事である。一般に広く知られた名盤であるかマニアックであるかは問わない。

サブスク配信されていないことを知っているけれど、自分がCDで持っていないアルバムもたくさんあるのだが、それらを紹介しだすときりがないので今回は除いた。

「あれが入っていない、これが入っていない」というご指摘はあると思うが、①CDを持っていない、②CDを持っているがちゃんと聞いていない、③紹介文を書くのが面倒で後回ししている、④ど忘れしている、のうちどれかである。

SpotifyとApple Musicで配信されているかどうか調べて書いたが、調査漏れで配信されているアルバムがあったら申し訳ない。


10cc

『Alive』(1993年)

1993年の来日公演を収録したライブアルバム。ジャケット違い、タイトル違い、収録曲違いでいろいろな国からリリースされている。(おそらく)日本主導で作られたライブアルバムなため日本盤を買うのがおすすめ。

この時期は正式メンバーはEric StewartとGraham Gouldmanの2人。Rick FennやStuart Toshらがサポートメンバーとして参加している6人編成。

選曲も良く演奏も良く録音も良い。The Beatlesの「Across The Universe」「Paperback Writer」といったちょっと意外なカバーも披露している。

『Mirror Mirror』(1995年)

10ccの最後のオリジナルアルバム。日本のエイベックス主導で制作されたアルバムであるためか、10ccのオリジナルアルバムで本作だけサブスクで配信されていない。

ジャケットアートはヒプノシスのStorm Thorgersonと、彼の右腕であるStormStudiosのPeter Curzonによるもの。

10cc名義のアルバムであるがEric Stewartのソロ曲とGraham Gouldmanのソロ曲が交互に並んでいる微妙な作品である。

UK盤、US盤、日本盤で収録曲数が異なり日本盤が15曲で一番収録曲が多い。

21st Century Schizoid Band

『Pictures Of A City - Live In New York』(2006年)

Robert Frippが参加していないKing Crimson初期メンバーによる同窓会バンドの3作目のライブアルバム。ちなみに2作目のライブアルバム『Live in Italy』もサブスク配信なし。

もともとはIan McDonaldがKing Crimsonのオリジナルメンバーによる再結成を模索したものの、不仲で共演できないメンバーがいて、紆余曲折あってこの形になった(らしい)と私は認識している。

後にKing Crimsonの正式メンバーになるJakko Jakszykがボーカルとギター。ベースがPeter Giles、管楽器がIan McDonaldとMel Collins(Ianはキーボードも兼任)。ドラムは結成時はMichael Gilesだったが脱退してIan Wallceに代わっている。

『Islands』の曲はIanのドラムのほうがしっくりくるし、「Ladies Of The Road」ではオリジナル通りコーラスも担当している。

オリジナル・バージョンでIan McDonaldとMel Collinsがレコーディングに参加した「Starless」も披露。

『Live In Japan』がCleopatra Recordsから再発された際にサブスク配信されたので、『Live In Italy』(2024年7月再発)、『Pictures Of A City』(2024年8月再発)もサブスク配信される可能性が高い。

Adrian Belew

『The Acoustic Adrian Belew』(1993年)

ギター弾き語りによるソロアルバム。Adrian Belewの伸びやかなボーカルとポップでメロディアスな側面が堪能できる。The Beatles「If I Fell」、Roy Orbison「Crying」、King Crimson「Matte Kudasai」のカバー/セルフカバーも収録。

ほぼ同じコンセプトの2作目『Belew Prints: The Acoustic Adrian Belew Vol. 2』もサブスク配信されていない。

それなのに『The Acoustic Adrian Belew』『Belew Prints: The Acoustic Adrian Belew Vol. 2』からの抜粋+新録という『Salad Days』はサブスク配信されている。

『Here』(1994年)

7thアルバム。全曲の作詞作曲、ボーカル、演奏をAdrian Belew自身が手掛けている。

『Side One』(2005年)

『Side Two』(2005年)

『Side Three』(2006年)

2004年にKing Crimsonが活動停止した後にリリースされたソロアルバム三部作。ジャケットもAdrian Belewが描いている。

Adrian Belewのソロアルバムはポップなものとトリッキーなものが多いが、この三部作はKing Crimsonの『The ConstruKction of Light』(2000年)、『The Power To Believe』(2003年)からの流れを感じるヘヴィなサウンド。

ほとんどの曲でAdrian Belewがすべての楽器を演奏しているが、『Side One』の3曲、『Side Three』の2曲はベースがLes Claypool、ドラムがDanny Careyというトリオでの録音。

『Side Three』ではRobert FrippとMel Collinsが1曲ずつゲスト参加している。

※Apple Musicで調べたところ日本以外では配信されているようです。

『e』(2009年)

Adrian BelewがSlick姉弟とAdrian Belew Power Trioを結成して作ったアルバム。「a」「b」「c」「d」「e」の5曲のインストゥルメンタルを収録。骨太なProgressive Rock/Experimental RockでKing Crimsonファンにもオススメ。

Adrian Belewはサブスクに懐疑的らしく、最新アルバム『Elevator』(2022年)も配信されていない。

Aerosmith

『Rockin' The Joint』(2005年)

2002年1月11日のラスベガス公演を収録したライブアルバム。『Just Push Play』(2001年)リリース後のツアー。setlist.fmによると当日は『Just Push Play』から5曲演奏したらしいが、本作に収録されているのは2曲だけ。ほぼオールタイムベストな収録曲である。

日本盤のみボーナストラックが2曲収録されている。

Amazing Journey

『One Night In New York City』(2007年)

Dream TheaterのMike Portnoyを中心としたThe Whoのトリビュートバンドによるライブアルバム。ギターはPaul Gilbert、ベースはBilly Sheehan、ボーカルはGary Cherone。プロによる本気のコピーバンドである。

音楽家にもいろいろなタイプがいるが、Mike Portnoyの音楽ファン/音楽リスナー気質には好感を持っている。ロック名盤のボックスセットを買って喜んでいるところは我々と変わらない。

Anekdoten

『Waking The Dead, Live In Japan 2005』(2005年)

2005年に東京キネマ倶楽部で行われたAnekdotenの2度目の来日公演を収録したライブアルバム。

初来日公演は本物のメロトロンではなかったものの、2度目の来日公演は本物のメロトロンM400を使っているのが聞きどころ。しかもメロトロン3台による即興演奏「Moon Of Mars」も収録。

Anekdotenは他のライブアルバム『Live EP』『Live In Japan』もサブスク配信されていない。

Änglagård

『Hybris』(1992年)

『Epilog』(1994年)

『Viljans Öga』(2012年)

Anekdotenと並んで1990年代のSwedenを代表するProgressive Rock Band。日本でのカタカナ表記はアングラガルドだけれど、ライブのMCではエングラゴーと発音していた。

ライブアルバム『Buried Alive』(1996年)のみ配信されているが、オリジナルアルバム3作品はどれもサブスク配信なし。いずれも傑作。

『Prog På Svenska - Live In Japan』(2014年)

2013年の来日公演を収録したライブアルバム。3作のオリジナルアルバムからのベストアルバム的なセットリスト。

Arti e Mestieri

『Universi Paralleli』(2015年)

イタリアのProgressive Rock/Jazz Rockバンドの14年ぶりとなる7thオリジナルアルバム。名盤『Tilt』(1974年)に勝るとも劣らない傑作。2曲でMel Collinsがゲスト参加。

Asia

『Resonance: The Omega Tour 2010』(2012)

オリジナルメンバーが再結成したエイジアが、2010年にスイスで行ったライブを収録したライブアルバム。

再結成してから2枚目のアルバム『Omega』に伴うツアーで『Omega』から5曲も披露しているのが特徴。それだけ新譜に自信があったのだろう。バンドの状態も良く演奏も良い。

エイジアはOfficial Bootlegな位置づけのライブアルバムはサブスク配信しているのに、本作のような正規ライブアルバムが配信なしだったりする。

『High Voltage Live』(2014年)

Emerson, Lake & Palmerが一夜限りの再結成をした2010年のHigh Voltage Festival。そのときに実はエイジアも出演していた。1stアルバム『Asia』の曲を全曲演奏しているのが売りだけれど、オリジナルメンバーによる再結成直後も1stアルバム『Asia』は全曲演奏していたし……本作の売りはというと悩ましい。

『Axis XXX Live San Francisco MMXII』(2015年)

2012年のサンフランシスコ公演を収録したライブアルバム。エイジアのデビュー30周年を記念したオリジナルアルバム『XXX』に伴うツアーである。

このツアー後にSteve Howeが脱退してしまうので、オリジナルメンバー4人によるエイジアとしては最後の公式ライブアルバムである。

『Asia in Asia - Live at the Budokan, Tokyo, 1983』(2022年)

John Wettonが一時的に脱退し、ボーカルをGreg Lakeが務めたエイジアの初来日公演。MTVによって全米に生中継された。

ハーフオフィシャルみたいな形でCD化されたことはあったが、本作はマルチトラックテープから新規にミックスした正規のライブアルバムである。アンコール含む完全収録であり音質は最高。

MTVで生中継された12月7日公演だけでなく、前日の12月6日公演も収録している。

※Apple Musicで調べたところディスク1のみ日本以外では配信されているようです。

The Band

『Jericho』(1993年)

『The Last Waltz』の映画公開から5年後、1983年にThe BandはRobbie Robertson抜きで再結成した。そこから更に10年が経ちリリースされた再結成後初のアルバム。

オリジナル曲のほか、Bob Dylan「Blind Willie McTell」のカバー、Bruce Springsteen「Atlantic City」のカバー、Muddy Waters「Stuff You Gotta Watch」のカバー、Willie Dixon「Same Thing」のカバーを収録。

1986年に亡くなったRichard Manuelと1985年にレコーディングした「Country Boy」が含まれている。

※Apple Musicで調べたところ日本以外では配信されているようです。

『High On The Hogs』(1996年)

再結成してから2作目のアルバム。

Bob Dylan「Foerver Young」のカバー、J.J. Cale「Crazy Mama」のカバーを収録。「She Knows」は1986年に亡くなったRichard Manuelが参加したライブ音源。

※Apple Musicで調べたところ日本以外では配信されているようです。

再結成The Bandはもう1枚『Jubilation』(1998年)というアルバムをリリースしている。レーベルが変わったためか日本盤はリリースされていない。

Barock Project

『Skyline』(2015年)

『Detachment』(2017年)

2004年に結成されたイタリアのProgressive Rock バンドの4thアルバムと5thアルバム。Keith Emersonを思わせるLuca Zabbiniのピアノ/キーボードで話題になり来日公演も行った。

1st~5thアルバムは以前はサブスク配信されていたのですが、現在日本では配信なし。2019年リリースの6thアルバムと2024年リリースの7thアルバムは配信されています。

※Apple Musicで調べたところ本国イタリアはじめ日本以外では配信されているようです。

『Vivo』(2016年)

Barock Projectの唯一のライブアルバム。

The Beach Boys

『The Pet Sounds Sessions』(1997年)

言わずと知れた名盤の30周年を記念して発売されたボックスセット。後に様々なアルバムで周年記念盤がリリースされるがその先駆けとも言える。

もともとモノラルだった本作のステレオミックスが初めて公開されたのも本ボックスセットだった。

『Pet Sounds』は40周年記念盤、50周年記念盤もリリースされているが、本ボックスセットでしか聴けない音源(セッションハイライトやStack-O-Vocals)があるので買う価値あり。

The Beatles

『The Capitol Albums Vol. 1』(2004年)

『The Capitol Albums Vol. 2』(2006年)

The Beatlesのオリジナルアルバムは基本的に英国で発売されたものが定本となっている。

その一方で米国盤に思い入れのあるファンも多く、The Beatlesのアメリカデビュー40周年を記念して米国盤がボックスセットという形でCD化された。

The Beatlesの米国盤は2014年にもCD化されているが、そちらは基本的に2009年リマスター音源を使っている。つまり米国盤のみのバージョン違いではない(らしい)。

一方『Capitol Albums Vol. 1』『Capitol Albums Vol. 2』は2009年リマスター前だったこともあり、米国盤で採用されたバージョン違いが収録されている。ただしCCCDなのが玉に瑕。

Bob Dylan

『Live 1961-2000 ~Thirty-Nine Years of Greatest Concert Performances』(2001年)

2001年にリリースされた日本独自企画によるBob Dylanのライブアルバム。初CD化の音源や初出の音源も含まれる。

とはいえ、その後Bootleg Seriesで数多くのレア音源が蔵出しされたので、今でもこのライブアルバムでしか聞けない音源があるのかは確認していない。

『The Rolling Thunder Revue: The 1975 Live Recordings』(2019年)

1975年のツアーを収録した14CDボックスセット。サブスクではSamplerとして10曲の抜粋バージョンが配信されている。

『Travelin' Thru, 1967-1969: The Bootleg Series, Vol. 15』(2019年)

Bob DylanのBootleg Seriesは全曲サブスク配信しているものと、抜粋してサブスク配信しているものがある。

本作は抜粋バージョンしか配信されていないのでCDを買った。Johnny Cashとのセッションなどを収録。

『1970』(2021年)

一度も販売されていない音源は著作権保護期間が延長されないため、発表後50年経つ前に1回でも販売した実績を作らなければならないらしい。

Bob Dylanも毎年少部数だけCDで発売したりダウンロード販売していたが、本作は要望が多かったためか一般発売されたらしい。つまりBootleg Seriesとは別枠である。

本作はGeorge Harrisonとのセッションが収録されているのが魅力。大好きな「If Not For You」が何バージョンも収録されている。それだけで買いです。

The Brecker Brothers Band Reunion

『The Heavy Metal Bebop Tour '14 In Japan』

The Brecker Brothersの名盤『Heavy Metal Be-Bop』(1978年)の時期のメンバーが再集結した来日公演を収録したライブアルバム。

残念ながらMichael Breckerは逝去しているが、サックスはRandy Breckerの妻Ada Rovattiが担当している。

Brian Wilson

『Live At The Roxy Theatre』(2002年)

奇跡のカムバックをしツアー活動を始めたころ、2000年のライブを収録したライブアルバム。

選曲も良いし演奏も良い。このライブアルバムでしか聞けないスタジオ録音されていない2曲「The First Time」「This Isn't Love」もすばらしい(後にベストアルバム『Playback: The Brian Wilson Anthology』に収録)。

買うならボーナストラックの収録曲数が多い日本盤を買いましょう。

『Pet Sounds Live』(2002年)

2002年にロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで行われた『Pet Sounds』全曲演奏ライブを収録。Brian Wilsonが『Pet Sounds』を全曲演奏する未来を誰が予想できただろうか?

1960年代のような美しいファルセットは出なくなりましたが、私はこの時期のBrianの歌声も大好きです。

ちなみに日本盤は「Meant For You」「Friends」の2曲のボーナストラックを収録。『Pet Sounds』は「Caroline No」で終わらなくちゃだめなんだという人以外は日本盤を買いましょう。

『Gettin' In Over My Head』(2004年)

同じ2004年に『Brian Wilson presents SMiLE』が発売されたため注目されなかったオリジナルアルバム。Elton John、Paul McCartney、Eric Claptonといった豪華ゲスト参加しており、なかなかどうして悪くないアルバムです。

1990年代にThe Beach Boysの曲として録音された「Soul Searchin'」は名曲(The Beach Boysのバージョンは後にボックスセット『Made In California』で発表)。

The Buggles

『Adventures in Modern Recording』(1981年)

「Video Killed The Radio Star」の大ヒットで知られるバグルスの2ndアルバム。1stアルバムはサブスク配信されているのに2ndアルバムはサブスク配信なし。

2010年再発盤はTrevor HornとGeoffrey DownesがYes在籍時にライブ演奏していた「We Can Fly From Here」や、後にYesの曲「Life On A Film Set」になる「Riding A Tide」がボーナストラックとして収録されている。Yesファンは必聴。

Camel

『Live At Royal Albert Hall』(2020年)

名盤『Moonmadness』を全曲演奏した2018年のロイヤル・アルバート・ホール公演を収録。『Moonmadness』全曲演奏ツアーは来日公演もあったので思い入れ深い人も多いのではないか。

映像作品(DVD/BD)もリリースされている。

California Guitar Trio

『Rocks West』(2000年)

Robert Frippが主催するギタークラフトの門下生3人が結成したCalifornia Guitar Trioのライブアルバム。

Robert Frippゆずりのシーケンシャルフレーズ、クラシック、ロック名曲カバーと様々な要素が混在しているのがこのバンドの魅力。

Carl Palmer

『Working Live - Volume 1』(2003年)

『Working Live - Volume 2』(2004年)

『Working Live - Volume 3』(2010年)

元ELPのCarl Palmerによるライブアルバム。ギター、ベース、ドラムのトリオで主にELPの曲を演奏している。

Greg Lakeみたいに歌えるボーカリストはいないからインストゥルメンタル、Keith Emersonみたいに弾けるキーボーディストはいないから、キーボードトリオではなくギタートリオ。それがCarlの答えなのだろう。

Greg LakeそっくりのボーカリストやKeith Emersonみたいに弾けるキーボーディストを見つけてELPのアレンジを忠実になぞる……ではないところに、Carlのふたりへの愛を感じる。

※Apple Musicで調べたところ日本以外では配信されているようです。

Conspiracy

『The Unknown』(2003年)

YesのChris SquireとBilly Sherwoodはデュオ名義でアルバム『Conspiracy』(2000年)をリリースする。そこからConspiracyというバンド/ユニット名義に発展しリリースした2ndアルバムが本作。ドラムは後にAlan Whiteの後任としてYesのメンバーになるJay Schellenが叩いている。

The Crimson ProjeKct

『Official Bootleg Live 2012』(2012年)

Adrian Belew Power TrioとStick Menの合同ツアーで、King Crimsonのメンバーが3人いるならみんなでKing Crimsonの曲をやろうということで始まった合体バンド。

Robert FrippからThe Crimson ProjeKctという名前もつけてもらい公認に。セットリストからも分かる通り1990年代のダブルトリオ期のKing Crimsonの再現である。

本作はDream Theaterのツアーのスペシャルゲストとして2012年にUSツアーをしたときの音源を収録したライブアルバム。

『Live In Tokyo』(2014年)

The Crimson ProjeKctは2013年3月15~17日にクラブチッタで3日間の来日公演を行った。3日間の演奏からベストテイクをピックアップしたライブアルバム。

この3日間の来日公演は日本側の主導で3作品(2CD×3)のオフィシャルブートレグとしてリリースされている。

日本側のミックスに納得がいかなかったらしく、本作ではStick MenのメンバーでもあるMarkus Reuterによって新たにミックスされている。

個人的には会場の空気感が感じられる日本主導のオフィシャルブートレグの音のほうが好きです。

※Apple Musicで調べたところ日本以外では配信されているようです。

David Bowie

『Club Bowie: Rare And Unreleased 12" Mixes』(2003年)

David Bowieのレアなリミックスを収録したコンピレーションアルバム。今でもレアなのかどうかはよくわかりません。

Deep Purple

『Gemini Suite Live』(1993年)

発掘ライブアルバム。「Concerto for Group and Orchestra」を収録した『The Philharmonic Orchestra』(1970年)リリース後に、John Loadは「Gemini Suite」を作曲。1971年にスタジオ録音し『Gemini Suite』(1971年)としてリリースする。

本作はスタジオ録音前の1970年9月17日にロイヤル・フェスティバル・ホールで行われたオーケストラとの共演ライブを収録している。

今も昔もロックとオーケストラの融合は数多く行われているが、それらの多くとは一線を画す作品。

よくある既存曲のキーボードの音をオーケストラの生音に置き換えたものではなく、西洋古典音楽の文法に則った組曲である。オーケストラの一員としてロックバンドが参加しているといった趣。

『Come Hell Or High Water』(1994年)

1993年10月16日のドイツ、シュトゥットガルト公演と11月9日のイギリス、バーミンガム公演を収録したライブアルバム。

11月17日のフィンランド、ヘルシンキ公演を最後にRitchie Blackmoreが脱退するので、Ritchie Blackmoreが在籍しているDeep Purpleとしては最後期のライブを収録している。

シュトゥットガルト公演とバーミンガム公演をフルで収録した『Live In Europe 1993』(2006年)という4CDがリリースされているがそちらもサブスク配信なし。

※Apple Musicで調べたところUKやUSなど日本以外では配信されているようですがそれらは9曲収録。日本盤はボーナストラック付きの12曲収録です。

『Live At Olympia '96』(1997年)

1996年6月17日にパリで行われたライブを収録したライブアルバム。1993年末にRitchie Blackmoreが脱退し、1994年末にSteve Morseが加入。新体制で『Purpendicular』(1996年)をリリースし行ったツアーの音源である。

『Infinite』(2017年)

言わずと知れたイギリスの大御所ハードロックバンド。Bob Ezrinのプロデュース。

同じレーベル、同じプロデューサーの『Now What?!』(2013年)『Whoosh!』(2020年)『Turning To Crime』(2021年)はサブスク配信されているのに、なぜか本作だけ日本ではサブスク配信されていない。

※Apple Musicで調べたところ日本以外では配信されているようです。

Dizrhythmia

『Too』(2016年)

本作発表時にはKing CrimsonのメンバーになっていたJakko JaksyzkとGavin Harrisonの2人を中心としたバンドの28年ぶり(!)の2ndアルバム。

King Crimson在籍時のリリースであるがProgressive Rockを期待しすぎないほうが楽しめる。Pandit Dineshのタブラの音が印象的なインド風フュージョン(?)。Jakkoのメロウなボーカルが好きな人は気に入るはず。

1988年リリースの1stアルバムもサブスク配信されていない。

Dream Theater

『Dark Side Of The Moon』(2006年)

Mike Portnoy在籍時のDream Theaterはライブで名盤全曲カバーをやっていた。当時それらはYtsejam RecordsからオフィシャルブートレグとしてCD化された。

それらのオフィシャルブートレグの多くがMike Portnoy脱退後にLost Not Forgotten Archivesとして一般流通する形で再発されサブスク配信もされたが、本作はいまだ再発されておらずサブスク配信もされていない。

CD2枚組でディスク1が2005年10月25日にハマースミス・アポロで行われたライブで披露した『The Dark Side Of The Moon』の全曲カバー、ディスク2が1995~2006年の様々なライブで演奏したPink Floydのカバーである。

Eddie Jobson

『Ultimate Zero Tour - Live』(2010年)

UKZを結成し4曲入りEP『Radiation』をリリースしたEddie Jobsonが次に行ったのはU-Z ProjectとしてUKやKing Crimsonなどのプログレ名曲を演奏するツアーだった。2009年11月のポーランド公演にJohn Wettonが参加し、2011年のUKの再結成へとつながることになる。

本作はU-Z Projectのライブ音源を収録したライブアルバム。Eddie自身がミックスとマスタリングをしているのだが、近年の正規のライブアルバムとは思えないほど音が良くない。

『Eddie Jobson - Live』(2020年)

上記『Ultimate Zero Tour - Live』の増補改訂版。Emerson, Lake & Palmer「Bitches Crystal」のカバーなど初出のライブ音源が追加されている。

もしかしたら音質が良くなっているかも……と淡い期待をしたが、悪い予感は当たってしまうもので相変わらず音質は良くないです。

Emerson, Lake & Palmer

『Live In Poland』(1997年)

1997年のポーランド公演を収録したライブアルバム。ポーランドのみで先行発売されて、後に全世界で発売された。この時期のツアーは「Tarkus」の前半部分と「Pictures At An Exhibition」の後半部分を強引につなげたメドレーを演奏しているのが特徴。

『A Time And A Place』(2010年)

ジャケットを見るとブートレグっぽいが、ちゃんとKeith Emerson監修による正規ライブアルバム。ディスク1~3がサウンドボード録音で、ディスク4がオーディエンス録音。

  1. ひとつの公演を全曲収録しない

  2. 同じ曲は1バージョンしか収録しない

……という基準で選曲されている。同じ曲を何バージョンを聞くということにならないのが、このボックスセットの良いところ。

その代わり、例えば「Tarkus」は1970年代後半ではなく1970年代前半のライブ音源がよかったみたいなことはあるが、細かいことは気にせずに聞こう。

『High Voltage Festival』(2010年)

2010年に行われたELPの一夜限りの再結成を収録したライブアルバム。ライブアルバム用にミックスしたものではなく、あくまでオフィシャルブートレグであるが音質は決して悪くない。

「Eruption」をピアノのみで演奏する「Tarkus」や『Black Moon』(1992年)から「Farewell To Arms」といっためずらしい選曲もありELPの最後の勇姿を楽しめる。

『Live At The Mar Y Sol Fesitival '72』(2011年)

ボックスセット『From The Beggining』(2007年)で目玉だったライブ音源の単体発売。高いボックスセットを買ったのにたった4年で単体発売されるのか……という嘆きの声が当時あったとかなかったとか。

1970年代前半のELPのライブアルバムは音質の良いものが少ないが、本作は音質もよく演奏も勢いがある。

『Live At Nassau Coliseum '78』(2011年)

オーケストラを帯同してのツアーが予算の問題で継続ができなくなり、ELPの3人のみで演奏していた時期のライブアルバム。オーケストラとの共演ではないが音質も良いし演奏も良い。

『Live In Montreal 1977』(2013年)

オーケストラと共演した1977年のモントリオール公演は完全な形で音源が残っておらず、複数のソースからできるかぎり復元したのが本作。

その結果、曲によって音質にかなりばらつきがある。そのうえ完全収録ではない。マニア以外にはオススメできない。

『Out Of This World: Live (1970-1997)』(2021年)

  1. 1970年8月29日、ワイト島フェスティバル

  2. 1974年4月6日、カリフォルニア・ジャム

  3. 1977~1978年、ワークスライブ

  4. 1992年10月、ロイヤル・アルバート・ホール

  5. 1997年9月23日、アリゾナ州フェニックス公演

……を収録。3と4はサブスク配信あり。5のみこのボックスセットで初出。サブスクでは抜粋バージョンとして54曲中26曲が配信されています。

Eric Clapton

『(I) Get Lost』(1999年)

Eric Claptonのシングル『(I) Get Lost』のリミックスを7バージョン収録したマキシシングル?アルバム?

世界中で大ヒットしたベストアルバム『Clapton Chronicles: The Best Of Eric Clapton』(1999年)に収録されているので曲自体は聞いたことある人が多いはず。

昔からのファンからすればクラプトンが4つ打ちのダンスミュージックをやるとは思わなかったし、今振り返るともはや忘れられているけれど、これはこれで悪くない。

『Sessions for Robert J』(2004年)

Eric Claptonにとって何度目かのブルース回帰となった『Me and Mr. Johnson』(2004年)の時期のセッションを収録したCD+DVD。

サブスクではなぜか『Selection from Sessions for Robert J』として4曲だけ配信されている。

『Slowhand at 70: Live At The Royal Albert Hall』(2015年)

Eric Claptonの70歳を記念したロイヤル・アルバート・ホール公演を収録したライブアルバム+映像作品。

アンコールがPaul Carrackの歌う「High Time We Went」だったり、ここ10年ぐらいのEric Claptonの典型的なライブです。

Fernando Saunders / 芳垣安洋

『Devotion』(2005年)

Lou Reedなどとの共演で知られるベーシストが、ROVOなどで知られるドラマー芳垣安洋とタッグを組み、日本のミュージシャンとセッションしたアルバム。

勝井祐二、酒井泰三、斉藤"社長"良一、鬼怒無月、青木タイセイ、高良久美子、山北健一、佐藤研二、茶谷雅之、龍大、益山泰一が参加。

ベース&ドラムは変わらず、楽曲ごとに他の参加ミュージシャンが変わる。曲調もヴァラエティに富んでおり単調さを感じずに聞ける。

Hatfield And The North

『The Rotters' Club』(1975年)

カンタベリーシーンを代表する名バンドの名盤2ndアルバム。1stアルバムはサブスク配信されているが、なぜか2ndアルバムは配信なし。

※Apple Musicで調べたところ日本以外では配信されているようです。

Jakko M. Jakszyk

『The Bruised Romantic Glee Club』(2006年)

21st Century Schizoid Bandが活動休止した後にリリースしたJakkoのソロアルバム。CD2枚組でディスク1がオリジナル曲、ディスク2がカバー曲となっている。

盟友Gavin Harrisonはもちろん、21st Century Schizoid Bandで共演した元King CrimsonのIan McDonald、Mel Collins、Ian Wallaceも参加。特にオリジナルと同じくMel CollinsとIan Wallaceが参加した「Islands」は絶品。

Dave StewartやHugh Hopperといったカンタベリー人脈も参加しているのでカンタベリー好きも必聴でしょう。

Jeff Beck

『Live At BB King Blues Club』(2003年)

2003年9月10日にニューヨークシティのB.B. King Blues Club & Grillで行ったライブを収録したライブアルバム。キーボードにTony Hymas、ドラムにTerry Bozzioという編成。つまり名盤『Jeff Beck's Guitar Shop』と同じ編成である。

『Official Bootleg USA '06』(2007年)

2006年のUSツアーより収録したライブアルバム。海外では一般流通しなかったが(おそらく公式通販とライブ会場のみみたいな売り方だったのだろう)、日本では大手レコード会社から来日記念盤として一般流通で発売された。ベースがPino Palladino、ドラムがVinnie Colaiuta、キーボードがJason Rebello。

『Performing This Week... Live At Ronnie Scott's』(2008年)

2007年11月27日から12月1日の5日間にわたってロンドンのロニー・スコッツ・ジャズ・クラブで行われたライブを収録したライブアルバム。映像作品もリリースされている。

ドラムがVinnie Colaiuta、キーボードがJason Rebelloなのは上記『Official Bootleg '06』と同じ編成だが、ベースがTal Wilkenfeldに代わっている。

Jeffrey Foskett

『Love Songs』(2019年)

1980年代にThe Beach Boysのツアーメンバーとなり「Kokomo」のレコーディングにも参加。1990年代後半からはBrian Wilsonバンドのメンバーとして活躍したJeffrey Foskettのソロアルバム。人呼んでBrian Wilsonのファルセットを再現できる男。

Jeffrey Foskettのアルバムはどのアルバムがオリジナルアルバムでどのアルバムが編集盤なのかよくわからない。同じ曲(しかも同じテイク)が複数のアルバムに何度も収録されている。

日本主導でつくられたこのアルバムには山下達郎のカバー「Only With You」や「Love Can Go The Distance」が収録されており、これらは他のアルバムには収録されていない。

『Vintage Summer』(2019年)

Jeffrey Foskettの発掘音源集。13曲中10曲は1990~1991年頃に録音されたThe Beach BoysとJan & Deanのカバー。

権利関係の問題でノンクレジットながら当時のThe Beach Boysのメンバーが参加していると言われている。

Jeffrey Foskett & Jeff Larson

『'Elua Aloha』(2018年)

Jeffrey Foskettとサンフランシスコ出身のシンガーソングライターJeff Larsonのコラボレーションアルバム。グッドメロディーと美しいハーモニー。The Beach Boysファンはもちろん、広くソフトロック好きにオススメ。

John Lennon

『Anthology』(1998年)

『Wonsaponatime』(1998年)

『John Lennon Anthology』はリハーサル、ホームレコーディング、アウトテイクなどの未発表音源を収録したボックスセットである。『Wonsaponatime』は1CDダイジェスト盤。

今は他の形でリリースされサブスクで聞ける音源もあるが、いまだに『John Lennon Anthology』及び『Wonsaponatime』でしか聴けない音源も多い。

John Wetton

『Chansing The Dragon』(1995年)

1990年代前半にエイジアとして活動するものの長く続かず。『Voice Mail』(1994年/日本以外では『Battle Lines』に改題)をリリースして、いよいよ本格的にソロキャリアを歩み始めたJohn Wettonのソロとしては初の来日公演を収録したライブアルバム。

キーボードとドラムはIt Bitesのメンバー。選曲はKing Crimsonあり、UKあり、Asiaあり、ソロありのベストヒット選曲で声もよく出ている。

『Nomansland』(1999年)

『Arkangel』(1997年)リリース後の1998年のポーランド公演を収録したJohn Wettonのライブアルバム。ギターが後にKeith Emersonバンドに参加したりRoger Watersのバンドに参加するDavid Kilminsterです。

John Wettonはオフィシャルブートレグみたいな音質がいまいちだったり、曲が途中で切れているライブアルバムを粗製濫造していた。そんななか本作は選曲も演奏も録音も良い。

『Arkangel』の曲を多めにやっていること、「Starless」を後半のインストゥルメンタルを含めフル演奏していることが特長。

『Live In The Underworld』(2003年)

2003年のロンドン公演を収録したライブアルバム。特徴はThe Beatlesの「Ticket To Ride」のカバーを披露していること……ぐらいか。ギターは2024年のツアーからAsiaのメンバーになるJohn Mitchell。DVDもリリースされていますが私は見たことない。

『Agenda』(2004年)

『Amata』(2004年)

2003年のポーランド公演を収録したライブアルバム。『Agenda』が通常のバンド編成でのライブ、『Amata』がアコースティックライブである。

Jon Anderson

『Toltec』(1996年)

Yesのボーカリストによる9thソロアルバム。ネイティブアメリカンをテーマにしたニューエイジ色が強い1枚。

『Earthmotherearth』(1998年)

Yesのボーカリストによる12thソロアルバム。ヒーリングミュージック、ワールドミュージック色の強いアルバム。

Jordan Rudess

『Feeding The Wheel』(2001年)

Dream Theaterのキーボーディストの5thソロアルバム。ほとんどの曲でTerry Bozzioがドラムを叩いており、そのせいかUKを感じる瞬間がある。Dream Theaterの盟友John Petrucciも4曲でギターを弾いている。

Keith Emerson

『The Christmas Album』(1988年)

Keith Emersonのクリスマスアルバム。シンセサイザーの見本市でのデモンストレーションのような演奏で、シンセの音色に時代を感じる部分もあるが、アレンジもフレーズもKeith Emerson節でファンなら楽しめるはず。

Keith Emerson & The Nice

『Vivacitas: Live at Glasgow 2002』(2003年)

Keith Emerson & The Niceが2002年にグラスゴーで行った再結成ライブを収録したライブアルバム。

David O'Listは参加しておらず、代わりに当時Keith Emerson Bandでギターを弾いていたDavid Kilminsterが参加している。

The Niceとして7曲、Keith Emersonのピアノソロが2曲、Keith Emerson Bandとして2曲、全員で2曲という構成。

King Crimson

『VROOOM』(1994年)

1994年にKing Crimsonはミニアルバム『VROOOM』を発表して活動を再開する。このアルバムはオリジナルアルバムと見做されていないのか、再発された回数も少なくサブスクでも配信されていない。

6曲中4曲は『THRAK』にも収録されているが「Cage」「When I Say Stop, Continue」のスタジオ録音はこのアルバムでしか聞けない。

『THRAK BOX』持っている人はそちらに全曲収録されているが、ボックスセットは高くてちょっと……という人は中古が安いので買ってもいいかも知れない。

『B'BOOM: Official Bootleg - Live In Argentina』(1995年)

King Crimsonは楽曲を練り上げるため、スタジオレコーディングの前にアルゼンチンで15公演のツアーを行う。ところが、このツアーの音源がブートレグとして出回ってしまったので、ブートレグ対策としてリリースされたライブアルバムが本作だ。

演奏は1995年のライブや1996年のライブと比べて粗いが、そこが荒々しさにつながって魅力的でもある。中古盤も安い。

『THRaKaTTaK』(1996年)

「THRAK」はテーマの間に即興演奏を挟んだ楽曲である。King Crimsonのライブからその即興演奏部分だけを抜き出して編集したアルバムである。

即興演奏といってもいろいろなタイプがある。本作に収録された即興演奏は1970年代のKing Crimsonがやっていた即興演奏とは異なり、メンバーがトリッキーな音を出しているだけで、繰り返し聞きたいとは思わない。

『Epitaph: Volumes Three & Four』(1997年)

1990年代中盤からKing Crimsonはライブ音源のアーカイブを発表しだす。オリジナル編成によるライブアルバムのうち『Epitaph: Volumes One & Two』はサブスク配信されているが、本作はサブスク配信されていない。

Vol.3は1969年8月9日のプロンプトン・フェスティバル、Vol.4は1969年9月6日のチェスターフィールド公演を収録している。チェスターフィールド公演はフル収録ではない。

チェスターフィールド公演は後にDGM Liveからフルショウがダウンロード販売された。

『Cirkus: The Young Persons' Guide To King Crimson Live』(1999年)

King Crimsonのライブ音源をまとめたコンピレーションアルバム。

本作に収録されている音源のほとんどは(サブスク配信されているかどうかはともかく)今は他のライブアルバムに収録されている。

中古盤は安価なのでKing Crimson Collectors' Clubやボックスセットに手を出すのは敷居が高いというファンは買ってもいいかもしれない。

『The Collectors' King Crimson Vol. 1-10』(1999~2006年)

King Crimson Collectors' Clubとして会員のみに販売されていたが、日本では複数作品をまとめてボックスセットで販売された。すべてのアルバムがサブスク配信なしである。

30作品が10のボックスセットにまとめられている。人気のある時期とそうでない時期がまとめられているのでよく抱き合わせ販売と言われたが、私はどの時期のKing Crimsonも好きなので気にならなかった。

音質はオーディエンス録音のものから、正規ライブアルバムと同レベルのサウンドボード録音のものまで様々である。

一部のアルバムは海外盤と比べて曲数が少なくなっていたり、曲が短くなっているのでその点は注意されたい。

中古盤が安く売っているので値段を考えれば気にならない人もいるだろうし、完全収録ではないのは納得できない人もいるだろう。

年代ごとに再編纂されたボックスセットもある。そちらは海外盤と同じ完全収録である。中古価格は下がっていないがこだわる人は多少高くてもそちらを買おう。

『The ReconstruKction of Light』(2019)

King Crimsonはデビュー40周年の2009年から10年かけてほぼ全てのオリジナルアルバムをリミックスして発表した。

『The ConstruKction of Light』は、オリジナルのV-Drumsのデータが失われておりPat Mastelottoが全曲のドラムを新たに演奏した。

それに伴いタイトルも『The ReconstruKction of Light』に変わった。音の印象がかなり変わったと思うが、もしかしたらマニア以外からすれば大きな違いではないかもしれない。

タイトルとジャケットが変わっているので『The ReconstruKction of Light』だけ紹介したが、本アルバム以外の40周年リミックスもすべてサブスク配信なしである。

Mike Oldfield

『Islands』(1987年)

Mike Oldfieldのオリジナルアルバムで、なぜかこのアルバムだけサブスク配信されていない。Simon Phillips、Kevin Ayers、Geoff Downesが参加している。

MFQ

『Bamboo Saloon』(1990年)

『Christmas』(1990年)

『Wolfgang』(1991年)

『Highway 70』(1995年)

Phil Spectorがプロデュースした「This Could Be The Night」で知られるThe Modern Folk Quartet。

MFQ名義なのは4人編成=Quartetではなく、5人編成=Quintetのときもあるから。

(おそらく)長門芳郎さんの尽力によって1985~1995年に日本でオリジナルアルバムを何枚か発表しているが、それらはサブスク配信されていない。

Museo Rosenbach

『Zarathustra』(1973年)

プログレの世界にはアルバム1枚だけ発表し忽然と消えた幻のバンドが多く存在する(そして、なぜか数十年して復活して2ndアルバムをリリースする)。Museo Rosenbachもそんなバンドのひとつ。

『Zarathustra』はSpotifyでもApple Musicでも配信されてると思う方もいるかも知れない。

実はサブスク配信されているのはレコードのA面にあたる組曲だけであり、B面の3曲は配信されていない。アルバムは通して聞いてなんぼというアルバム至上主義の皆さんはCDを買いましょう。

New Trolls

『UT』(1972年)

イタリアのProgressive Rockバンドの5thアルバム。『Concerto grosso per i New Trolls』と並んで人気のアルバム。

※Apple Musicで調べたところイタリアでは配信されているようです。

PFM + Pagani

『Piazza Del Campo』(2004年)

イタリアのProgressive RockバンドPremiata Forneria Marconiが2003年8月29日に行ったライブを収録したライブアルバム。1976年にバンドを脱退したMauro Paganiがゲスト参加している。CD+DVDもあり。

Pink Floyd

『Is There Anybody Out There?: The Wall Live 1980-81』(2000年)

大ヒットしたアルバム『The Wall』を再現するツアーは、ステージ上に壁をつくる非常に大掛かりなものだった。

本作はツアーから約20年が経って公式にリリースされたライブアルバムである。後に『The Wall』のImmerson Boxsetにも収録された。

Pink Floydの公式ライブアルバムでは唯一サブスク配信されていない。

『The Dark Side Of The Moon - Immersion Boxset』(2011年)

Pink Floydのアルバムがリマスター再発された際にリリースされたボックスセット。

CDは3枚。ディスク1はオリジナルアルバム、ディスク2は1974年のウェンブリー公演でマスタリング違いはともかく、全曲サブスク配信されている。

ディスク3は初期ミックス、ライブ音源、デモ音源などが収録されている。16曲中15曲がサブスク配信されていない。唯一「Money (Early Mix)」のみ配信されている。

『Wish You Were Here - Immersion Boxset』(2011年)

Pink Floydのアルバムがリマスター再発された際にリリースされたボックスセット。

CDは2枚。ディスク1がオリジナルアルバムで全曲サブスク配信されている。

ディスク2がライブ音源、別バージョンなどが収録されている。こちらは6曲中3曲がサブスク配信されていない。

具体的には以下の3曲がサブスク配信されていない。

  • You've Got To Be Crazy (Live At Wembley 1974)

  • Wine Glasses (From 'Household Objects' Project)

  • Wish You Were Here (With Stéphane Grappelli)

『The Wall - Immersion Boxset』(2012年)

Pink Floydのアルバムがリマスター再発された際にリリースされたボックスセット。

ディスク1&2はオリジナルアルバムでサブスク配信あり。

ディスク3&4は上でも紹介した『Is There Anybody Out There?: The Wall Live 1980-81』で全曲サブスク配信されていない。

ディスク5&6は『The Wall』のデモ音源がCD2枚に64トラック収録されている。そのうち2トラックが配信されており、62トラックがサブスク配信されていない。

Producers

『Made In Basing Street』(2012年)

The BugglesのTrevor Horn、10ccのLol Cremeなどによって結成されたバンドの唯一のアルバム。同名異バンドは数多くあるが、このバンドは"The"がつかない。

1枚しかアルバムをリリースしていないのに2024年7月にボックスセットになって再発される。もしかしたらそれと同時にサブスク配信されるかもしれない。

ProjeKct One

『Live At The Jazz Cafe』(1999年)

ダブルトリオ編成でのリハーサルがうまくいかなかったKing Crimsonは、"フラクタル分裂"と称してProjeKctという形態で活動する。要するにメンバーの数を減らすことで機動力を増し、ライブ活動を行う中で次のKing Crimsonの活動を模索するということである。

ProjeKct OneはProjeKctシリーズのなかでBill Brufordが参加した唯一のProjeKctである。ロンドンのJazz Cafeで4日間×2ステージ、合わせて8ステージのライブを行った。すべて即興演奏であり、8ステージからベストテイクを収録したのが本作だ。

メンバー4人のうち3人が1980年代のKing Crimsonのメンバーだが、どちらかというと1970年代のKing Crimsonに近い即興演奏を聞くことができる。

ProjeKct Two

『Space Groove』(1998年)

『Live Groose』(1999年)

King Crimsonの"フラクタル分裂"であるProjeKctシリーズのひとつ。Robert Fripp、Trey Gunn、Adrian Belewのトリオ編成。

ProjeKctシリーズで唯一スタジオ録音されたのが『Space Groove』。他のProjeKctと同じくライブ音源をまとめたのが『Live Groove』。

ドラマー専業ではないAdrian Belewが叩いており、Bill Brufordがドラムを叩いたProjeKct Oneや、Pat Mastelottoがドラムを叩いたProjeKct Three、ProjeKct Fourと比べてどうしても面白みに欠ける。

積極的にオススメするアルバムではない。

ProjeKct Four

『West Coast Live』(1999年)

King Crimsonの"フラクタル分裂"であるProjeKctシリーズのひとつ。

複数のライブから即興演奏を抜き出した「Ghost (part 1)」「Ghost (part 2)」と作曲による3曲を収録している。

ProjeKct Fourのサウンドや楽曲が『The ConstruKction of Light』(2000年)の元になっていることがわかる。

Qango

『Live In The Hood』(2000年)

John WettonとCarl PalmerがASIA再結成を模索するなかで結成されたバンドのライブアルバム。スタジオアルバムの制作予定もあったらしいが、結局ライブアルバムを1枚残しただけだった。

John Youngは1989年に短期間だけASIAとしてライブ活動をしたキーボード。David Kilminsterは実現しなかった幻の1999年のASIA来日公演でギターを弾く予定だったギタリストである。

ASIAの曲だけでなくEmerson, Lake & Palmerの「Bitches Crystal」「Hoedown」「Fanfare For The Common Man」やBob Dylanの「All Along The Watchtower」を演奏しているのが特徴。

Queen + Adam Lambert

『Live In Japan』(2015年)

Queen + Adam Lambertは2014年にSummer Sonicに出演した。そのステージを収めた日本限定の映像作品+ライブアルバム。

このライブから3曲が『Live Around The World』(2020年)に収録されておりサブスク配信もされている。

Ray Charles

『My World』(1993年)

1993年リリースのスタジオアルバム。原題は『My World』だが、邦題は収録曲の中でも知名度の高いLeon Russellの曲から『ア・ソング・フォー・ユー』となっている。

『Strong Love Affair』(1996年)

1996年リリースのオリジナルアルバム。

『Thanks For Bringing Love Around Again』(2002年)

Ray Charlesの生前最後のオリジナルアルバム。

『Genius & Friends』(2005年)

レイ・チャールズの没後にリリースされたデュエットアルバム。1998年頃に録音されたもの。

Mary J. Blige、Diana Ross、George Michael、John Legend、Willie Nelson、Alicia Keysなどとデュエットしている。

これだけのものを作りながらお蔵入りしていたのが不思議。録音当時は売れないと判断されたのでしょうか。

Robert Fripp & The League Of Crafty Guitarists

『Live!』(1986年)

Robert Frippと彼が設立したギタークラフトの生徒たちによるライブアルバム。ギターのみによるアンサンブル/オーケストレーション。

The Robert Fripp String Quintet

『The Bridge Between』(1993年)

Robert Frippと、後にKing CrimsonのメンバーになるTrey Gunn、そしてギタークラフトの門下生であるCalifornia Guitar Trioの5人によるバンド/ユニット。

Robert Frippが作曲しているのは2曲だけで、意外とCalifornia Guitar Trioのメンバーによる作曲や、California Guitar Trioのライブのレパートリーが多い。

それなのにRobert Frippの精神を強く感じるのは、作曲、編曲、奏法まで含めてRobert Frippの精神がTrey GunnやCalifornia Guitar Trioに受け継がれているからだろう。

The Rolling Stones

『Rarities 1971-2003』(2005年)

2005年にリリースされたレア音源集。今現在でも収録曲がレアなのかどうかはストーンズに詳しくないのでわかりません。

『Shine A Light』(2008年)

マーティン・スコセッシ監督の映画『Shine A Light』のオリジナルサウンドトラック。Jack White、Buddy Guy、Christina Aguileraがゲスト参加。サントラというよりはライブアルバム。

Soft Machine

『Rubber Riff』(1976年)

1975年にKarl Jenkinsが中心になって録音されたライブラリー・ミュージック。

ライブラリー・ミュージックとは一般リスナーに販売するための音楽ではなく、テレビ、映画、ラジオなど放送業界のための音楽である。一般的なサントラのように特定の作品での使用を想定して作曲/録音するのではなく、とりあえず録音しておいて使いたい人がライブラリー・ミュージックから適当なものを探し使用する。

このアルバムはKarl Jenkinsを中心に、当時のSoft Machineのメンバーが参加しており、後にSoft Machineの名義で一般にも発売された。

Spin 1ne 2wo

『Spin 1ne 2wo』(1993年)

Rupert Hineが中心になって製作されたロック名曲カバーアルバム。リードボーカルはPaul Carrack。私はTony Levinが参加しているので買った。

演奏も歌も悪くないけれど比較的原曲に忠実なアレンジなので、これだったらオリジナルを聞けばいいのでは……と思ってしまう。私がPaul Carrackのファンだったら感想が違ったかも。

Steve Hackett / John Paul Jones / Paul Gilbert / Nuno Bettencourt

『Guitar Wars -DVD + Bonus CD Edition-』(2004年)

『Guitar Wars -Live CD Edition-』(2004年)

2003年8月28、29日に赤坂ブリッツで行われたライブを収録したライブアルバム。ハード・ロッック・カフェの日本上陸20周年を記念したライブだったらしい。

ポスターの謳い文句は「スーパー・ギタリスト達が日本に集結! 夢の競演を果たす!!」。確かにGenesisのギタリスト、Led Zeppelinのベーシスト、Mr. Bigのギタリスト、Extremeのギタリストという豪華メンツ。

しかもボーカルはExtremeのGary Cherone、ドラムはKing CrimsonのPat Mastelottoである。

日本主導でのライブ、日本主導でのCD化、複数のアーティストが参加しており権利関係が複雑なので、こういう作品はなかなかサブスク配信されない。

Steve Hackett

『Genesis Revisited: Live At Hammersmith』(2013年)

『Genesis Revisited: Live At The Royal Albert Hall』(2014年)

『The Total Experience Live In Liverpool』(2016年)

『Wuthering Nights: Live In Birmingham』(2018年)

『Genesis Revisited Band & Orchestra: Live At The Royal Festival Hall』(2019年)

『Selling England By The Pound & Spectral Mornings: Live At Hammersmith』(2020年)

『Genesis Revisited Live: Seconds Out & More』(2022年)

『Foxtrot At Fifty + Hackett Highlights: Live In Brighton』(2023年)

元Genesisのギタリストのライブアルバム。自身が在籍した1971~1977年のGenesis曲を中心に、初期のソロ曲、最新のソロ曲を披露している。

どれも似たようなジャケットで似たような選曲だと思われがちだが、きちんと比較すると意外とバラエティに富んだ曲を披露している。

何より演奏がすばらしい。懐古趣味と言われようが、金太郎飴と言われようが良いものは良い。

※Apple Musicで調べたところ『Genesis Revisited: Live At Hammersmith』以外のライブアルバムは日本以外では配信されているようです。

The Tony Williams Lifetime

『Emergency!』(1969年)

Jazz Rockの名盤。Mahavishnu Orchestra結成直前のJohn McLaughlinがギターを弾いている。

※Apple Musicで調べたところ日本以外では配信されているようです。

Transatlantic

『The Whirlwind』(2009年)

Dream Theater、Marillion、Spock's Beard、The Flower Kingsのメンバーが集結した所謂スーパーバンドの3rdアルバム。トラック分けされているものの約77分で1曲。

Transatlanticのアルバムは『The Absolute Universe』(2021年)以前のものはすべてサブスク配信なしです。

U.K.

『Reunion - Live in Tokyo』(2012年)

東日本大震災があった直後の2011年4月にUKの来日公演が行われた。John WettonとEddie Jobsonという2人のオリジナルメンバーに、ギターがAlex Machacek、ドラムがMarco Minnemannという4人編成。

UKの2枚のスタジオアルバムから名曲をこれでもかと披露。さらにEddieがレコーディングに参加していないKing Crimsonの「Starless」「One More Red Nightmare」まで披露された。

もともとU.K.はKing Crimsonの活動停止に納得がいかなかったJohn WettonとBill Brufordが、紆余曲折あってEddie JobsonとAllan Holdsworthと始めたバンドである。そういうことも意識しての選曲だったのだろう。

Wetton/Downes

『Japan Tour 2009』(2009年)

John WettonとJeffrey Downesはコンビを復活させ『Icon』(2005年)『Icon II: Rubicon』(2006年)『Icon 3』(2008年)の3枚のスタジオアルバムをリリースした。このデュオ自体をIconと呼ぶこともある。

本作は『Icon 3』のリリースに伴う来日公演を収録したボックスセットである。4日間×2ステージ、合計8ステージが収録されている。

『Icon 3』の売上に影響しないようにするためか、『Icon 3』の曲は収録されていないので完全収録ではない。

The Who

『Live At The Isle Of Wight Festival 1970』(1996年)

1970年8月29日に行われたワイト島フェスティバルを収録したライブアルバム。映像作品にもなっておりJohn Entwistleがガイコツのスーツを着ているのが印象的。たまに真似する人がいる。

※Apple Musicで調べたところ日本以外では配信されているようです。

『Live At The Royal Albert Hall』(2003年)

The Whoはライブバンドでありライブアルバムの名作も多い。本作も特別なライブアルバムだ。

ディスク1とディスク2が2000年11月27日のロイヤル・アルバート・ホール公演、ディスク3が2002年2月8日のロイヤル・アルバート・ホール公演を収録している。

2000年11月27日のロイヤル・アルバート・ホール公演はPaul Weller、Bryan Adams、Noel Gallagherなど多数のゲストが参加し、さながらThe Whoの偉大さを称えるトリビュートライブだ。

2002年2月8日のロイヤル・アルバート・ホールは2002年の6月に亡くなったJohn EntwistleがThe Whoのメンバーとして最後にステージに立った日である。

『Live At The Isle Of Wight Festival 2004』(2017年)

The Whoといえば1970年のワイト島フェスティバルでのライブが有名だが、それから34年後にもワイト島フェスティバルに出演している。

The Whoの初来日公演は2004年7月に行われたRock Odysseyだが、本作に収録されたワイト島フェスティバルでのライブは2004年6月であり、時期が近い。その結果、アレンジや演奏が非常に近い。

セットリストはワイト島フェスティバルのほうが曲数が多いが、Rock OdysseyでThe Who初来日を思い起こしながら聞いている。

『Live At The Fillmore East 1968』(2008年)

2018年にリリースされた発掘ライブアルバム。当日の全曲が収録されているわけではないものの、音質は良好。「My Generation」はなんと30分超の演奏。

Wondermints

『Wondermints』(1995年)

後にメンバーのうち3人がBrian Wilson バンドに参加ことで知られるパワーポップバンドの1stアルバム。彼らなくしてBrian Wilsonのツアー活動への復帰はなかったし『Brian Wilson presents SMiLE』(2004年)も完成しなかっただろう。

Brian Wilson バンドに参加したことでThe Beach Boysっぽいバンドだと勘違いする人もいるかもしれないが、ポップではあるがThe Beach Boysとは方向性は違う。サイケデリックなパワーポップ。

『ワンダフル ワールド の Wondermints』(2016年)

日本主導で製作されたカバーアルバム。Brian Wilsonの作曲によるGlen Campbellの「Guess I'm Dumb」のカバーもあるが、Pink Floydの「Arnold Layne」だったり、ABBAの「Knowing Me, Knowing You」だったり、このバンドの志向するところが垣間見れる。

『Bali』(1998年)

2ndアルバム。

『Mind If We Make Love To You』(2002年)

3rdアルバムにして現時点での最終作。Brian Wilsonがゲストで2曲参加している。

『Kaleidoscopin' - Exploring Prisms Of The Past』(2009年)

発掘音源集ではあるがオリジナルアルバムと遜色ない楽曲ばかりである。

Yes

『Keys To Ascension』(1996年)

『Kyes To Ascension 2』(1997年)

Yesは『Tales From Topographic Oceans』(1973年)、『Going For The One』(1977年)、『Tormato』(1978年)を録音したクラシック・ラインナップで1996年にカリフォルニア州のサン・ルイス・オビスポでライブを行う。

  • ジョン・アンダーソン Vocals

  • クリス・スクワイア Bass, Vocals

  • スティーヴ・ハウ Guitar, Vocals

  • リック・ウェイクマン Keyboards

  • アラン・ホワイト Drums

同じ編成でスタジオ録音した新曲とカップリングしてアルバムを発売する。その結果、1970年代の名曲を演奏したライブ音源ばかりが注目され、スタジオ録音の新曲は注目されなかった。

『Keystudio』(2001年)

2001年に『Keys To Ascension』『Keys To Ascension 2』からスタジオ録音曲だけを集めたアルバム『Keystudio』がリリースされたが、評価が覆ることはなかった。

『Live At Montreux 2003』(2007年)

2003年のモントルー公演を収録したライブアルバム。上記と同じクラシック・ラインナップでのライブ。

当時の最新アルバム『Magnification』(2001年)から2曲やっているものの『Fragile』(1971年)や『Close To The Edge』(1972年)の曲が多い。同じラインナップによるライブアルバムの名盤『Yessongs』(1973年)を意識したのかもしれない。

※Apple Musicで調べたところ日本以外では配信されているようです。

『Union Live』(2011年)

『Union』(1991年)は実際は8人全員で演奏している曲がなく後に看板に偽りありと言われることになるが、当時のツアーは大盛況だった。

実際に本ライブアルバムを聞くと、同じ楽器パートがもうひとりいることで闘争心が刺激されたのか、火を吹くような演奏をしている。

当日演奏された楽曲を全曲収録しているわけではないが、演奏は聴き応えがある。

『Fly From Here』(2011年)

Chris Squireは『Drama』期の未発表曲をレコーディングすることを思いつきプロデューサーにTrevor Hornを迎える。Trevor Hornはキーボードにバグルス時代の盟友Geoff Downesを招聘。かくしてボーカルのBenoît David以外が『Drama』(1980年)と同じラインナップになった。

黄金期のプログレによくあるレコードの片面を20分強の組曲が占める傑作が出来上がった。

Chrisの逝去後に『Drama』(1980年)の続編なのだからボーカルはTrevor Hornが歌うべきということで、ボーカルが録り直され一部アレンジも変更され『Fly From Here - Return Trip』(2018年)がリリースされた。

オリジナルの『Fly From Here』はサブスク配信されていない。あまりにも不遇なBenoît Davidに涙を禁じ得ない。

『Heaven & Earth』(2014年)

Yesの21枚目のオリジナルアルバム。Chris Squireの参加した最後のオリジナルアルバムであり、Jon Davisonが参加した最初のアルバムでもある。

現在のYesを率いるSteve Howeがインタビューでこのアルバムに否定的な発言をしており、そのせいかわからないがサブスク配信されていない。

『Like It Is - Yes At The Bristol Hippodrome』(2014年)

『Like It Is - Yes At The Mesa Arts Center』(2015年)

2014年に行われたYesの名盤全曲演奏ツアーを収録した映像作品+ライブアルバム。当時のメンバーは以下の5人。

  • クリス・スクワイア Bass, Vocals

  • スティーヴ・ハウ Guitar, Vocals

  • アラン・ホワイト Drums

  • ジェフ・ダウンズ Keyboards

  • ジョン・デイヴィソン Vocals

オリジナルを凌駕するようなすごい演奏が繰り広げられているわけではない。なので、オリジナルを聞けばいいと言われればその通りなのだが、私は現在のボーカリストであるJon Davisonの歌声が好きなので、彼のボーカルで『The Yes Album』『Fragile』『Close To The Edge』『Going For The One』の曲が聴きたくなったときに重宝している。

The Zombies

『Live At The BBC』(2003年)

The ZombiesのBBC音源を収録したアルバム。ボックスセット『Zombie Heaven』(1997年)のディスク4とほぼ同じだったはずなので、ボックスセット持っている人には必要なかったような……(うろ覚え)。