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心地よい・うるさい 「聴くレベル」という視点

飲食店でジャズが流れていて雰囲気がよかった。
家電量販店で流れるテーマソングが煩わしかった。

よくある このような話。
どちらも店舗の音楽の話。

この現象を、「音が大きい」とか「お店に音楽が合っていない」ということではなく、まずは「聴くレベル」という視点で紐解いています。


「聴くレベル」には4つの段階があると考えています。

ⅰ.「聞きたくない」
もっとも低いレベルです。
いたってシンプルで「静かが良い」「嫌な音がある」という状態ですね。

ⅱ.「聞こえる」
気にはしていませんが、聞こえてはいるレベルです。
今この文を読んでいる時に聞こえている何かしらの音です。

ⅲ.「気になる」
認識しているレベルです。
上記の「今この文を読んでいる時に聞こえている何かしらの音」を読んで意識した瞬間にこのレベルに引き上がったともいえます。
「物音」なんて言葉もありますが、それは このレベル。

ⅳ.「聴きたい」
もっとも高いレベル。文字通り聴きたい音や音楽がある段階です。


最初に書いた店舗の音楽の話に戻しまして、食事を楽しみたい人・家電を買いに来た人のレベルは、どのあたりか。実際のBGMは、どのあたりのレベルで鳴っているか。

「無音は居心地悪いから、何か(音楽でも)鳴ってるといいな」

「どうですか?テーマソング聴こえますか?聴きたいですよね?!」

「聴くレベル」の意識設定が、音楽を提供 ’する側’ と ‘される側’ で一致していない場合があります。逆も然りで、聴きたい音楽なのに聴こえないというのも不一致。


ある辞書によると「騒音」の定義は「望ましくない音」らしいです。
音量の大小でもない。音/音楽の種類でもない。

「聴くレベル」を理解することも、サウンドデザインにとって大変重要に思っています。

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