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「無観客での試合」どうやって応援するか!?Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインから読み取るサポーターの応援方法

2020年5月14日にJリーグは「Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」を発表しました。私は、電子書籍「with コロナ COVID―19とコアサポーター 5つの視点で探すJリーグの明日」で、5月末までに発表された各種情報から「無観客での試合」「制限付きの試合」がどのように行われるかの展望と対策を書かせていただきましたが、どうやらJリーグは、さらに厳しい基準を示したようです。

ネット上では、肯定的な反応がある一方で、絶望に近い反応も多く見られました。

既に「Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」の全文は公開されています。また、サポーター関連の項目を書き出した記事もあります。

このnoteでは、Jリーグの意図の推察と、応援の対策について説明していきます。

Jリーグの姿勢はブレていない。基準を決めるのは社会。

ガイドラインの目的の一番目に「国民や地域の活力に貢献する」を描いています。その上で「クラブ、リーグの事業継続を実現する」と描いています。サポーターの多くは目の前の試合の勝利もしくは応援を評価してもらうことに重きを置いているケースが多いですが、Jリーグのビジョンは、これまでと変わらず「スポーツで、もっと、幸せな国へ。」であり、ビジョンに沿った目的を設定していることを注意しましょう。例えば「サッカー文化の継承」といったことは優先順位が高くはないのです(結果的に必要にはなるのですが)。

社会の中のJリーグ、社会に貢献するJリーグという立ち位置はとても大切です。「無観客での試合」の開催目的として以下のように書かれています。

この段階では、無観客であればJリーグの試合を安全に開催できることを、社会に向けて実証することが重要です。

つまり、Jリーグが大丈夫だと思っても、サポーターが大丈夫だと思っても、社会が「安全だからどうぞおやりになってください」と思ってくれなければやることはできないというのです。

そして「集団防衛」を掲げています。「集団防衛を通じて社会防衛に貢献していきましょう」と呼びかけています。例えて言えば「2-1で薄氷を踏んで勝利目前の89分に、ボールをキープせずにドリブル突破し自分勝手なクロスを入れるのはやめましょう」といったところです。

「無観客での試合」は「人を集めない」を徹底する方針。

「無観客での試合」は「人を集めない」・・・当然だろ?と思われた方も多いと思います。だた、この「人を集めない」はスタジアム内だけに限ったことではないのが重要なポイントです。

スタジアム外やスタジアム周辺のサポーターが集まると試合延期措置も。

●スタジアム外にサポーターが集結することはできません。
●パブリックビューイングを禁止します。
●サポーターが自主的に作成した横断幕を掲出することはできません。
●ファン・サポーターによる横断幕の掲出は、制作・受け渡し時等における感染防止の観点から、クラブが預かって掲出することを含めて、行わないこととする。

とにかく、人が集まることを禁止し「人が集まらなければ安全にJリーグを開催できる」ということを社会に理解してもらうことを目指しています。ではどのようにスタジアムで応援すれば良いのでしょうか。

クラブと連携する応援方法の開発が重要。クラブが管理するものに限りスタジアム内外に掲出できる。

クラブとの連携は重要です、なぜなら「クラブが管理するものに限りスタジアム内外に掲出できる。」と規定されているからです。コアサポーター団体には、クラブ職員と対立する、もしくは、クラブ職員の能力を低く見積もる等により、自分たちの応援スタイルを強引にクラブに認めさせるような方法をとっているケースも過去にあります。しかし、特に「無観客での試合」では「Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」に反することなく、新しい応援方法をクラブと共に開発することが重要です。

●「ダンボールサポーター」企画等の制作物か設置可能。

特に重要なのは「『ダンボールサポーター』企画等」の「等」。

今のところ「段ボールサポーター」「フラッグサポーター」以外に、スタジアム内での目立った応援方法が話題になっていない。しかし、余地がないわけではありません。「」と書いてあります。つまり、同様の基準を満たした方法であれば実施可能だということを示しています。では、どのような方法であれば許されるのでしょうか。

「Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」の項目から読み取ってみました。この2点です。
●クラブが制作しクラブが設置する方法であること。
●サポーターがスタジアムに足を運びたくなる原因にならないこと。

具体的に方法を考える場合のポイントは、この2つしかありません。
●何を設置するか?
●どのように設置するか?

何を?は・・・
段ボール、フラッグ、ビッグフラッグ、テレビモニター、スピーカー等です。

どのように?は・・・
クラブ職員が設置、サポーターから課金して設置、スポンサーの協力により設置等です。

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アウディの協力で開催されたバイエルンミュンヘンの「アウディ アーバンシネマ」。


何をできそうか、考えてみましょう。今回はここまでです。「制限付きの試合」については次回にご説明します。




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