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朝からお化けダンス


#私だけかもしれないレア体験
たぶんだけど、まあ世の中いろいろだから、もしかして、たぶんだけど。
74歳のおばあさんとしては、かなりレア体験をしてると思う。
障害のある、49歳の長女と二人で、老障介護の暮らしをしている。
というと、かなり、渋くてしんみりした暮らしのように聞こえるかもしれない。

実際は、かなりにぎやかで、面白おかしくて、はたから見たら、バッカみたいな生活で、本人である私ですら、これは、漫才ですか?コントですか?
鯖の味噌煮ですか?って言いたくなることばかり。
それでも、私はものすごく生真面目で、嘘がつけなくて、ふざけることもできないので、まじめにおもしろい。

長女は、朝起きる時の儀式に、その時その時にブームがあって、タオルケットの引っ張りっこで、
「えんやとっと、えんやっとと、まえはううみい、うしろおははとおやのたおりょうえん。」シリーズ。
「かぶーをひっぱるおじいさん。それえをひっぱるおばあさん。よおいしょ、よいしょ、よおいしょ。とおとおかぶはぬけました。どっしーん。」シリーズ。
「らっこらっこらっこらっこ。らっこらっこらっこらっこ。いたずらっこ。」シリーズなどなどの儀式がある。

それが、昨日から、突然新しいパターンになった。
「起きるよお」と私が声をかけると、がばっと起き上がった長女は、タオルケットを広げて、母親にかぶせて、
「つかまえたああ。」と得意そうに言う。
私は、前が見えなくなってしまい、
「怖いよう。怖いよう。」と言ってみたが、なぜか体が動き出し、踊りだした。
「おばけえ。おばけえ、お化けのダンス。
ランランランラン、お化けのダンス。
一反木綿も、ぬりかべも、みんな揃ってお化けのダンス。」
即興で歌いながら踊る。
タオルケットがひらひら揺れる。
「さあ、一緒に踊りましょう。」
長女は、
「わあ、はははは、わあはははは。ごほごほ。」
と大笑い。
あんまり笑って、むせこんでいる。

今日は楽しく起きることができたな。
ラッキー。
気分障害のある長女は、朝なかなか起きなくて、
「いやだあ、いやだあ、おきたくない。ちこくしたくない。」
と大声で大騒ぎすることが多い。
だから楽しく起きることができる朝は、とてもラッキー。
朝から幸せ。

キャスパー、1995年


74歳と49歳の親子がお化けダンスで、楽しく起きるなんて、もしかしたらだけど、すごくレアな体験なのかもしれない。

昔あった、お化けと踊る映画を思い出して、またまたハッピー。

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