イケてるECショップに変わる、商品写真のコツとは?
今回はECサイトに掲載する写真の考え方について、書いてみようと思います。
数あるショップの中でも売れるショップもあれば、売れないショップもありますよね。
その要因は様々で、「"これだけ"をやればOK!」という単純なものではないのですが、今回はその中でもECサイトに掲載する”写真”について考えてみたいと思います。
(なお、Webサイトにおいては「〇〇写真」というよりも「〇〇画像」と呼ぶことが一般的ですので以降では“画像”という言葉を多用します。また、何も加工されていない状態の写真はそのまま”写真”と区分けして使います。)
売れるショップと売れないショップの違い
数あるショップの中で、売れるショップと売れないショップの違いって何なんだろう?
ということを考えた時に、一つの要素として「デザイン」を真っ先に思い浮かべる人も多いでしょう。
ECのデザインを分解すると、
サイトやボタンの色
文字のフォント
コンテンツの大きさや配置
購入に至るまでの導線作り
などに分けられます。
ここまではWebデザイナーさんの仕事になるのですが、ECサイトの難しさというのはこれでデザインが完成!
ではないところです。
ECサイトというのは「ショップさんの手で更新される」ことによってはじめて稼働します。たとえば、
新しい商品を掲載したり
カテゴリーを増やしたり
キャンペーンバナーを作ったり
ニュース記事を書いたり
特集記事を書いたり
というのは、ショップさん自身で更新することが多いかと思います。
そのため、どれだけデザイナーさんが色や形を整えてくれたとしても、最終的に「どのようなコンテンツ(特に画像)を掲載するのか?」によって、サイトの見た目や雰囲気はガラリと変わってしまうものです。
ゆえに、ECサイトというのは
「商品を掲載していくショップさんのセンス」が、売れる売れないに直結してしまいます。
この点、ECサイトは、コーポレートサイトやランディングページとは少し異なるものと言えるでしょう。
そこでかなりのショップさんが、コツが分からずに苦悩することになるのです。
売れる、売れない、を分けるポイントが、こういったところに潜んでいるのですね。
上手いデザイナーさんがやっていたこと
サイトを更新していく上で、もしデザイナーさんに「こういう画像にすると良いよ!」と教えてもらったとしても、実際にはなかなか上手く再現できませんよね。
というか実際、正直言うと、
デザイナーさんも上手い人とそうでもない人がいます。(ECサイトはホームページとは少し考え方も違いますしね。)
僕もずっと思っていました。
「デザインの上手い下手って、何なんだろう?」
って。
もちろん、デザインにはいろんな理論やテクニックがあるかと思います。
僕自身はサイトディレクターでありデザイナーさんではないので、あまり理論的なことは言えないのですが、
ECサイトを作るのが上手なデザイナーさんを見ていると、ひとつ、あることに気づきました。
「え、もしかしてこういうこと?」
「これって、ショップさんがコンテンツを更新する時に、とても役立つんじゃないの!?」
と思ったのです。
それが、「シーン画像」という概念です。
シーン画像とは
シーン画像とは、簡単に言うと
「商品の利用シーンが伝わるような、背景付き画像」
のことです。
たとえば、以下のようなものです。
服の場合:ショップの商品を着用したモデルさんが、屋外や屋内でのデートシーンを再現するなど。ランニングウェアなら実際に走っているシーンであったり、フォーマルなら結婚式などのシーンを再現するなどで購入後の利用イメージを想起させます。
家具の場合:家具が配置された部屋全体の画像を掲載することで、顧客が家具がどのように部屋に合わせられるかをイメージしやすくなります。また、家具のデザインに合わせたインテリア小物を配置した画像を掲載することもあります。
化粧品の場合:服のようなデートシーンなどの他にも、化粧品を使用したモデルの顔のアップ画像を掲載することで、顧客が化粧品の効果や使用感をイメージしやすくなります。また、季節やシーンに合わせたメイクアップの画像を掲載することもあります。
食品の場合:料理人が調理しているシーンや、ホームパーティーをしているシーン、ラーメンなどであれば箸で持ち上げて今まさに食べようとしているシーンなど、料理が提供された状態を想起させすることで、顧客が食品の味や食感をイメージしやすくなります。また、季節やイベントに合わせたメニューの画像を掲載することもあります。
つまり、”商品そのもの”ではなく、その商品を”利用している姿”をイメージ化する。ということですね。
あまり売れないショップさんを見ていると、商品画像だけをずらずらと並べがちなのですが、
売れているショップさんや上手なデザイナーさんを見ていると、上記のようなシーン画像を、ところどころに取り入れていたのです。
なぜシーン画像が必要なのか
ほとんどのショップさんが、すでに商品画像にはじゅうぶんにこだわっていると思います。
キレイに背景を切り抜いたり
いろんな角度から写真を撮ったり
細かいディティールをクローズアップして撮ったり
モデルさんに着用してもらったり
と、商品のことを詳しくお客さんに伝えるための工夫をされていることと思います。
ネットでモノを売る以上、もはやこれはマストですよね。
しかし、それだけではただの説明サイトになってしまいますし、トップページやカテゴリーページでも商品をずらずらと並べただけの面白くないサイトになってしまいます。
これだけではお客さんには「欲しい!!!」と思ってもらえにくいのです。
ショップは”モノだけ”を売っているのではない
実際のところ、われわれは”モノだけ”を売っているわけではありません。
最終的には、モノを売った先にある「生活の向上」や「気持ちの向上」を売っているのだと言えるのでしょう。(これを専門用語でベネフィットと言います)
特に、最近では「生活の向上」よりも
「気持ちの向上」が重視される傾向にあります。
商品画像だけでは、商品のサイズ感や素材感やデザインを伝えることはできても、どのように「気持ちを向上してくれるのか?」まではうまく伝えきれません。
そして実のところ、お客さん自身には
「どんなシーンで、どんなふうに使えば、イケてる自分になれるのか?」
というのが、あまりイメージできていないものなのです。
シーン画像というのは、そんなお客さんに対して
「こんなふうに使えば素敵ですよ。」
と示すものであり、
その「素敵さの提案」こそが、
ブランドの価値であり、
その「素敵さ」に
共感した人が、購入に至ります。
そして実際に商品を使い、
「生活や気持ちを向上」してもらうことで
ブランドのファンとなっていくのです。
シーン画像はその素敵さを伝えやすいばかりか、デザイン上もいやらしくなりづらく、サイトの雰囲気を高めながら、どこにでも配置しやすい。
という利点があるため、キャッチコピーや商品画像とも上手く組み合わせていけると良いでしょう。
まとめ
今回はECサイトにおけるシーン画像の重要性について書いてみました。
シーン画像を実際に作ると分かってくるのですが、
「どのような雰囲気で撮影する?」
「どのような背景で撮影する?」
といったことを考えていくと、自然と"ショップが目指しているブランドの方向性"がにじみ出てきたりします。
そのプロセスを踏まえて「シーン画像」をサイトに掲載することによって、ファンとの”共通の価値観”や”ブランド認知”を作っていけるんだな、っていうことも実感してもらえるかと思います。
一方、シーンを撮影しようと思うと、ロケやスタジオ撮影が必要になる場合もありますので、商品ごとに頻繁に更新できるものではないと思います。
でも、あるとないとでは大違い!
まずはTOPページや、一部の主要カテゴリーページから撮影してみる。
といったように、最初はできる範囲から少しずつ掲載していくことがおすすめです!
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