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EBUNE淡路島漂着ーもう一つの物語の漂着手順書

皆さんは、かつて日本に「家船」と呼ばれる漂流民がいた事をご存じでしょうか?

家族で船に住み、東アジア一帯で移動生活をしていた彼ら漂流民は、明治以降、義務教育の徹底などにより消滅したと言われています。

瀬戸内海に浮かぶ島、女木島に漂着していた漂流船「EBUNE」は、2020年に長い眠りから目覚め、生命の方角「東」へ出航しました。

謎に満ちたマレビトとしての漂流民の痕跡を頼りに、「EBUNE」は回想録の中で、佐賀県有田町、福岡県の箱崎などに漂着を果たしました。

そして2021年10月24日、女木島の東の方角に位置する兵庫県淡路島の津井という町で、EBUNEの謎を追う陰謀論者「伊藤佑介」によるEBUNE漂着の儀式が執り行われました。

「伊藤佑介」は、EBUNEというフィクションの物語に登場する人物です。しかし儀式の当日、彼は20名ほどの参加者と、儀式の会場「津井の家・琴屋」の管理者の方々の前に、実際に立ち現れました。そして共に奇妙な儀式を行い、EBUNE漂着を成功させたのです。


この記事では、極秘であるその儀式の台本を特別に公開しています。

淡路島に住む一組のご夫婦が、人々の交流の場、遊びの場として廃屋を一から整備し、「住まない家」として地元の方に親しまれている小さな解放空間で、出自も世界観も違うマレビト達が密かに集い、淡路島の模型を巡るという不思議な旅が始まります。

もう一つの物語をこの世界に漂着させるための手順書の一部を、是非お楽しみ下さい。

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