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不登校の親の経験から得たこと。苦しさの原因は「わからない」ことが多いから

娘が中学校を卒業し通信制高校へ入学したことで、わたしは「不登校の親」というグループからとりあえず外れたことになる。だけど、教育を受けさせる義務の中にいる親たちは毎年いるし、その中で突然わが子が不登校になったということで悩んでいる人もたくさんいる。またそれはこれからも続いていくだろうと思う。

今になって思うことは、親として一番苦しいのはやはり、だんだんと子どもが学校に行かなくなり、欠席の日数が増えていく時期。毎日欠席の電話や連絡をしなければならない時期、子どもにとっても親にとっても未来が分からない、この時期だと思う。

そこで、わたしの過去の不登校の親に関する記事を振り返りながら、娘の中学生時代の変化を追っていこうと思う。

何も動かなければ、ただ苦しいだけ。

娘が学校へ行き渋りをしだしたころは、わたしも自分の事しか考えていなくて、仕事も毎日遅刻や欠勤ばかりしていることで将来が不安になっていた。
このころは実家に住んでいて、同時にわたしの母も毎日迎えに来る学校の先生の対応などもあり、部屋に籠ってばかりいる娘にほとほと疲れていた。
次第に母も夜眠れなくなり、毎晩わたしを起こして、娘がこうなってしまったのは何が悪かったのか、一晩中話すようになってしまった。

それがわたしにとっても家族にとってもとても辛いし、同じことを繰返すだけで未来が見えてこなかった。変わらなくてはならないと思うし、寝不足でだんだんと心がやつれていく母を見て、また、母を庇う考えだった妹との関係も悪くなったので、わたしと娘は実家から出ることにした。

引っ越し先は前と同じ校区で、娘も同じ中学校のままであったが、コロナ禍でいろいろな給付金を貰っていたので、その資金で新しい部屋や学習机、身の回りの必要な新しい家電を買い、新しい生活を始めた。

実家にいるとどうしても悩み事は両親にぶつけてしまう。けれども、同じ家族と話したって、みんな「わからない」状態には変わりはないのだ。
家族だからって、ある問題を家族みんなで解決しなければならない、他に迷惑をかけてはならないという世間のしがらみに囚われていたのかもしれない。それぞれの仕事や家事があり、ひとりひとりの生活があり、そこで難しい問題が出てきたらどうしようもなくなることだってあるのだ。

がむしゃらに情報を集めても、情報は選ばなければならない。

引越し後、中学1年生の冬を迎えるころになると、ますます娘の睡眠が昼夜逆転型になっていった。
わたしは子どもの睡眠をサポートするサプリや、全寮制の学校へ転校することなど、検索して色々な不登校に関する情報を調べていた。
けれどわたし1人の稼ぎでは賄える金額ではないものばかりだったし、まるで高額情報商材みたいなもんばかりだった。
元夫の養育費なんてとうの昔に絶たれたし、連絡先も変えられていた、まあ端からあてにしてなかったけれど。
それでもWEBセミナーだけは1度だけ参加した。案の定、最後はここからのサポートは有料です、数十万払ってください、というものばかりだった。
このころ週に1回スクールカウンセラーの相談を受けていたのだけど、わたしと娘とは一緒に話を聞くわけでもなく、交代で相談していた。
その中で、わたしは何も知らされていないし娘も話してくれなかった話が合った。それは彼女の友人関係の話で、ひどく悩んでいたようだった。
そこでスクールカウンセラーの先生に紹介された心療内科へ通うこととなった。
最初は睡眠リズムを改善していくということで、毎日の睡眠時間を記録するところからはじめたのだったが、初日から記録しなかった。拒否していたのだった。
それでも娘はカウンセラーの先生と話すことで、友人関係は解消されていったようだった。

苦しさから解放される糸口は、意外と近くにあるのかもしれない。

1年、2年と不登校の時期が長引くと「学校へ行かなければならない」という思いがだんだんと薄れていくものだ。最初は子どもの気持ちとは裏腹に、出席日数のこと、勉強の遅れが気になりだしていたけれど、学校の先生の紹介もあり、わたしと娘は2年生の秋ごろから数か所高校の見学に行っていた。
そこで出会った方から子供の不登校についての話を沢山聞いて、自分の中の焦りや将来の不安が消えて行ったのだった。

結局、高校は娘がSNSから情報を得たところに決めた。早いうちから高校の見学に行ったことが辛さを解消することに繋がったのかもしれないし、心療内科への通院も1年ほどで辞めることができた。
中学生にとって、昼間に遊びに行くことが悪いという思いも最初はあったのだけど、今は引きこもりの状態から一歩外へ出ることが大事。昼間の世界は自分が思うよりも怖くなく、疑いの目で見る人なんてほとんどいない。

中学校の先生が手厚く面接の練習をさせてくれたおかげで、娘が見つけてきた高校に合格することができた。それでも両親は「だれでも合格できるところだから」とは言っていたけれど。

娘の中学校生活は、わたしが経験してきたものと全然違ったものとなった。だからこそ自分の経験していなかったこと、分からなかったことだから自分から調べに行ったり、同じ不登校の親の方を話をすることで自分の考え方を変える努力が親には必要だったんだ。

また、わたしにとっても娘にとっても、コロナ禍で生活様式が変わり、学校行事が少なくなったことは「行事に参加しなくてはならない」というコモンセンスにあまりとらわれなくてもいい環境を与えてくれたと思う。

あなたの人の苦しみのほとんどが、人に関わること

「悩みや苦しみのほとんどは人間関係から」とよく言われる言葉だけど、不登校の悩みだって同じだと思う。

不登校の問題も同じで、出席日数や勉強のことも、目の前にある人から得た情報やテレビから流れてくる塾のCMなどを見聞きして、「他人の目」を気にするところが苦しみの根底にあるのではないか。

ただ他人が考えている常識を変えることはできないから、そこは自分から分からないところを勉強しに行き、自分なりの答えを見つけていくことで、この苦しみは解消できると思います。

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