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若い人に譲ろう、という戯言。

老害が存在するのは事実だが、だからと言って若ければ良いという訳でもない。最近とても迷惑をしているのが一部の経営層がただ若いだけの社員に客観的に見て「ちょっと無理なんじゃない?」というポジションを与える事だ。「ポジションが人を作る」という側面も否定はしないが、彼/彼女らと仕事をしなければならないこちらの身にもなって欲しい。彼/彼女らをトレーニングするのは私の仕事ではないし、何よりも仕事が滞るしストレスが溜まる。取引先の会社が先日まで契約社員として働いてた50代のベテランの契約を解除して30代の若手にその業務(営業・マーケティング職)をひき継がせたのだ。その50代が素晴らしく出来た、という訳でもないが、あのレベルに達するだけでも多分あと10年はかかる。やはり仕事には、特に営業やマーケティングという職種は経験がモノ言う部分は(業界にもよるが)結構ある。そもそもなぜその50代が契約だったのか、そしてなぜ解除されなければならなかったのかもとても気になるところだ。

ひろゆきさんとか成田悠輔さんのような日経テレ東大やAbemaTVなどに出て来るハイソな方々が散々煽っているからなのか、実際に若者不足で新入社員獲得の為のPRなのかよく解らないが、単に部課長職の平均年齢を下げたところで会社が突然成長する訳はない。大事な事は「出来る人」を重用する事でそこに年齢のバイアスは必要ない。ネットやTVで論陣を張っている方々はTOP10%の超優秀な若者と10%の既得権益にしがみつくどうしようもない老人を想定して「老人は皆切腹しろ」とか言っている訳で、普通の社会は今も50年前もそう変わらない。与えられたポジションできちんと仕事が出来ていれば高卒の兄ちゃんでも90の爺さんでも誰でも良いのだ。

そんな訳で、私は一日の殆どをアメリカ人相手に仕事をしているので日本のくだらない世代闘争の末のクソみたいな人事に影響される事はあまりないが、それでもこうしてちょくちょくそれに巻き込まれる。何よりも「若者を積極的に重要なポジションに登用しているんです!」と自己満にふけっている老害そのものの経営者は見るに堪えない。


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