【#3】1社目:学習塾講師

学習塾での仕事

 学習塾へ入社後は、3つの分校で小4〜小6の生徒さんに国語を、中1〜中3の生徒さんに英語を教えました。恐らく、総勢50名程の生徒さんを教えていたのではないかと思います。毎日教壇に立つ傍ら、帰宅後に翌週に教える内容を1週間ほどかけて予習し、生徒達への説明の手順をホワイトボードに書く内容を含めて一から考え、それを教壇に立って実践するといった日々が続きました。学生時代にも学習塾で講師のアルバイトをしていましたが、社員として働くことは、生徒・保護者・教室長からの評価は一社会人として見られる立場であり、「悪い評価を取ってたまるものか!」と全力を尽くしました。しかしながら現実は厳しいもので、ある分校の中2の生徒さんからの私の授業に対する評価が悪く、私は当時の先輩社員から指導のテコ入れを命じられました。

先輩からの学び

 先輩社員の教壇での指導の様子を実際に見せてもらったのですが、それまで気づきもしなかった授業の中身や進め方に直面し、かつ自分のやり方の中にやってはいけない所謂「御法度」なるものも見つけることができて、目から鱗でした。そこでの気づきを自分の授業に取り入れて、経験が積み上がっていくことで、徐々に自分の授業に対する自信も生まれてきて、状況は好転。授業の最中に、やっていて面白いと思える感覚も伴ってきました。私の上司にあたる教室長との関係性も、当初こそ私への評価が不明、もしくは低いが故にあまり良好とは言えませんでしたが、私の自信の上昇具合と比例するように良好になってきたような感覚を覚えました。 

学習塾での成果

 私が働いていた学習塾における大きな評価指標の一つに、中3の生徒さんの志望校への合格数がありました。これは、学習塾にとっては授業のクオリティを対外的にアピールできる有力な材料にもなります。私が主に担当していた中3の生徒さんは、6名全員志望校に合格していきました。これは生徒さんの努力の結晶でしかないのですが、学習塾にとってはある意味、各教科担任の力が結実したものでもあり、私は英語の担任という立場でそこに貢献できて、最後は「やって良かったな」という感覚を抱くことができました。そして、担当した生徒さんの卒業、進級と共に、私は契約満了の扱いでその学習塾を退職することとしました。

海外留学に向けて

 日々節約は心がけていたものの、契約社員であったが故に収入はそこまで恵まれてはおらず、資金も潤沢に貯まったとは言い難い額のものでした。しかし、「若い内に留学を実現したい!」という想いを持ち続けてようやく迎えたこのタイミングで、私は退職時に手元に貯まった資金を元手に、学生時代からの夢であった海外留学を実現させようとしていました。目指すは、バンクーバー(カナダ)です。

学習塾講師経験からの学び

 私は、キャリアを契約社員の立場で学習塾講師からスタートさせました。結論、やりがいのある仕事に携わることができて、かつ結果も残すことができて、貴重な経験をすることができたと思います。

 この経験からの学びを列挙すると、一つ目は、人に何かを教える際の型が身についたと評価しています。仕事を進める上で、他人に何かを説明して理解を求める場面はつきものです。社内の人に対しても、社外のステークホルダーやお客さんに対しても、説明の場面は毎日のように巡ってきます。私は元々緊張しがちなタイプなのですが、型がしっかりしていればそれが拠り所となって、気が楽になる側面があると思います。そんな私でも緊張と隣り合わせの説明の場面に立ち向かっていけるようなお守りのような存在(型)を私の中に備えることができたことは、非常に貴重だったと思います。

 二つ目は、社会人としてチームで何かを成し遂げることができた、かつ自分がそこに貢献できたという自負を得ることができた経験です。チームで何かを成し遂げることは、会社員として勤めることの醍醐味だと私は考えています。もしかすると入社初年度は下積みに徹するような仕事ばかりかもしれないタイミングですが、講師が不足していたこともあって現場の最前線で他の先輩社員と同様の責任を求められる環境下でチームで仕事が出来たことは、その後現在まで続く会社員生活のスタートとしては、私にとってすごく良い経験だったと思います。

続きは、次の投稿で。

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