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全ての管楽器で使える音階練習その2【二度練習】

さて、今回は音階練習シリーズ第二弾。

二度練習についての動画を配信しました。

動画はこちら↓ チャンネル登録がまだの方はぜひしてくださいね♫
【音階練習】三連符で二度音程を練習してみよう【音階練習を軽んじるべからず】

今回も同じようにヘ長調でやりました。楽譜を交えて詳しく解説していきます。他の楽器の方も参考になれば嬉しいです。まずは自分のやりやすい調でやってみてください。

前回の記事
音階練習その1

1、まずはスラーで二度練習をしてみよう

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まず二度とは何か?二度音程のことです。つまり、隣り合った音です。これを練習していくのですが、楽譜にするとこんな感じ↑ 三連符で二度音程を練習します。

まずはスラーで演奏してみましょう。音階の最後の音は八分音符で書いてありますが四分音符でも構いません。(私は動画で四分音符で吹いてますねw)

テンポはゆっくりから練習していきましょう。私の動画のテンポより全然遅くて良いです。
まずはただベタッと吹くのではなく、必ず拍の頭の音に少し重みを感じましょう。そしてスケールの基本である、上行系の向かっていく感じと下降系の収まる感じも持ってください。それでいて、音質は一定に保っていきましょう。前回解説した音階練習の基本はいつも踏まえてください。

前回の記事「音階練習その1」

↑この記事にあるように、強弱やクレッシェンドディミヌエンドのバリエーションも良い練習です。今回の形でも色々試してみましょう。


2、最初の二音をスラー

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これもアーティキュレーションを変えて練習していきます。

まずは最初の二音にスラーをつけます。最初の音は少し重みを感じて、少し長めに(テヌート)。二音目は少し短めです。三音目の音は強調はせずにスタッカートで。これがこの形の基本。

アーティキュレーションの基本は下記の動画をご参照ください。
【楽譜の読み方】アーティキュレーションの演奏法【音の長短】

今回の動画でも悪い例として吹いているように、アーティキュレーションはただそこで舌をついて音を切れば良いというものではありません。それぞれに音楽的な基本があります。ですのでこのアーティキュレーションの響きも身につけていきましょう。

一つ目の音より二つ目の音は大きくならないようにしてください。そして三つ目の音も舌をつくからといって大きくならないようにしましょう。かといって最初の音にアクセントがつかないようにしましょう。これは多くの人が間違ってやってしまうポイントです。基礎練でこれを身につけておくと曲で出てきたときに応用できます。丁寧にゆっくりから練習してみてください。


3、後ろの二音をスラー

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次は後ろ二つにスラーをつけます。

この場合も一番大きいのは最初の音です。「スラーの最初の音をしっかり吹く」ということに囚われないでください。前述した形では拍の頭だからしっかり吹いてテヌートのようにしたのです。しかし今回は三連符の裏です。一音目が強くて二音目はそれより小さくなります。三音目も強くしません。これも逆にやる人が多いので注意しましょう。

最初の音はアクセントではありませんが、しっかりとスタッカートで演奏します。「スタッカートって書いてないけどスタッカートなの?」って質問する人もいると思いますが、基本的な形としてはそうです。もちろん曲の中で使うときは曲想によって様々なバリエーションがあります。しかし、この形の基本は頭の音はスタッカートです。そして後ろの二音よりもしっかりと吹きます。ですからもちろん、2番の時の三音目のスタッカートとは違いますよね。


4、スタッカート

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最後は全てスタッカートです。

スタッカートは意外と難しいです。今回の二度練習の中では一番難しいかもしれません。

まずこの形のスタッカートはなぜかつきにくいです。ゆっくりから丁寧に練習していきましょう。これももちろん拍頭を意識してください。ただ全て均等にスタッカートするのは意味がありません。必ず三連符の最初の音に重みを持たせて、後ろの二音は最初より大きくならないように軽くしてみてください。

動画で言っているようにスタッカートで音が開きがちになる人が意外と多いです。おそらくスタッカートのときに口の形が緩むのでしょう。しかし、発音で大事なのは実は上唇なのです。上唇で支えて下唇は柔軟にするのがファゴットの場合は基本。また、発音して短くすることに囚われすぎて音質が低くなってしまうことに注意してみてください。


考えることはいっぱい

いかがでしたでしょうか?この何気ない基礎練でも考えるべきことはたくさんあります。こういった基礎練でアーティキュレーションを掴んでいくのも大事です。例えばスラーで二つ目の音を小さくしようと思っても、楽器の特性上、とても大きく出てしまうこともあります。そういった時もしっかり頭の中でイメージを持って取り組みましょう。音を小さくするときに息が抜けないことも大事です。息は常にしっかり吸って豊かに供給しましょう。

まずは吹けるように。そして吹けるようになったら今回のようなことを実践して響きを作れるようにしてみてください。日本人は三拍子が苦手と言われますが、実は三連符も苦手なのかなと思います。遅いテンポから早いテンポに進むと感じ方や吹く感覚が変わってくると思います。それもしっかりと感じて分析して、自分のイメージの響きを出すにはどうしたら良いか追求してみてください。

それでは、今回はこの辺で。次回は三度練習です。


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