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読書雑感「いま世界の哲学者が考えていること」

こんにちは、3連休も終わりですね。

吉隠ゆきさんの記事を読み、興味が湧いて購入してちょうど本を読み終わりましたので、自分なりの感想を上げてみたいと思います。

2016年の本ですが内容はまさしく題名の通りです。第1章の”世界の哲学者は今、何を考えているのか”から始まり、テーマごとに世界の哲学者による立ち位置(切り口?)とでもいうものが全6章に分かれて紹介されています。私は自分の興味として『第4章 資本主義は21世紀でも通用するのか』、『第5章 人類が宗教を捨てることはありえないのか』の章を興味深く読みました。各章の題が、かなり読む気にさせますよ。

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著書も冒頭で、哲学というのは過去の哲学者の言説を研究をする事ではなく、私たち自身が自身と世界に問う事が哲学であり、この本は哲学者の意見の全般的な紹介に過ぎないという事を書かれています。カントやフーコーの意見を借りると、哲学の意義はこのようになります。

「たった今進行しつつあることは何なのか、われわれの身に何が起ころうとしているのか、この世界、この時代、われわれが生きているこの瞬間はいったい何であるのか、われわれは何者なのか。」

全ての章(テーマ)に対して自分の考えを突き詰めることはとても出来そうにありません。本に記載の世界中で問題となっている様々な諸問題は、社会全体の動きがますます早く推移する中では、じっくり考えている時間が奪われてしまいそうです。せめて自分が興味のある(こういう言い方が適当かは置いておいて)分野はこれまでの知識と、この本の内容で再整理できそうな気がします。各章ごとに参考になる本が紹介されていますよ。

読んで思ったのですが、本にあるような大きなテーマは落ち着いて、少しづつ考えることが必要です。闇雲に答えを求められて、反射的に一つの有名な意見に自分の態度を任せしまう事には注意が必要で一旦は留保する勇気も必要です(でも、知らない、解らない、ばかり言うのも嫌ですよね)。かといって全ての問題に真面目に考えようとするとそれはある意味で面倒であり、面倒さから逃げてしまうとE.フロムのいう「自由からの逃走」状態に陥ってしまいそうです。

難しいですね、でもこの本で世界の動きを哲学的な切り口で知ることができたのは良かったです。この本で取り上げられた宗教や資本主義は、歴史と共に興味があるので、これからも少しづつ学んでいきたいと考えています。

と書いてますが私読む本はバラバラで、この前かった上橋菜穂子「香君」もスコットランドの歴史の新書も、日本中世史の南北朝の本も、様々ありまして、積んどく状態を早めに解消したいなと考えている今日この頃です。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。



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