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ロンドン駐在記067 : 住宅 (2000年代初頭)

1. ロンドン相場

 ロンドンの平均一軒家の金額は4,000-5,000万円と記事にあった。日本の平均よりおそらく1,000万円ほど高い。ただし、住宅ローンは非常に借り易く、誰にでもすぐに金を貸してくれるとの話だった。一緒に仕事をしていたインド人(イギリス在住4年)も購入を検討していた。

2. バブル

 当時は不動産の値段が上がっており、住宅バブルのような状況だそうである。大家さんもその流れに乗るつもりで、退去時に不動産屋さんに見積りをさせていた。値段が良ければ売り払うし、良くなければまた誰かに貸すとの事だった。その大事な見積りの際に、申し訳無いのだが、壁が子供の落書きだらけとなっていた。大家さんの奥様は、「子供はアーティストよ。」と苦笑いしていたが、旦那さんは「もう子供はお断りだ!」と大声で叫んでいた。赤ら顔のアイルランド人大家さんは、酔っているのか、冗談なのか判断がつかなかった。見積りに響いてなければ良いのだが…。

3. 流動化

 住宅も雇用と同じく流動的である。古い家を修復しながら使用している為、新築はほとんど無く中古物件が流動的に売買されている。家に対する執着もあまり無く、ニュージーランドに新しい仕事が見つかったエンジニアは家を売り払って、家族ごとニュージーランドに移ると言っていた。この大胆さは日本人には真似し難い。部屋を1年間も借りっぱなしで、ロンドンに駐在している日本人エンジニアとはずいぶんな違いであった。

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