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生き残りを賭けたレストランが打つ、次の一手

政府が具体的な方策を示さず、「生殺し」状態と言われる外食産業。観光やエンタテイメントの業界も同様だと思うが、もう寸分の猶予もない状態であり、SNSを眺めていても、日に日に前向きな投稿が少なくなってきている気がする。私自身への被害や打撃はさほど大きくなくとも、不安が募る毎日であることは確かだ。でも、こんな時こそ「広報」はどの業界においても打ち手を講じることができる貴重な手段だと思う。だからこそ、noteを更新しようと思った。

外出自粛が要請される中、テイクアウトや宅配などを拡大したり、新たにサービスとして取り入れる店も増えてきているが、それ以上にものすごいスピードと柔軟性で「転換」をしたり、新たなサービスをローンチする店もある。

シアトルに「CANLIS」という老舗の有名レストランがあるが、同店は新型コロナウィルスの影響を受け、長年愛されきたダイニングをスパッと潔く閉鎖し、新たに3つの業態を立ち上げた。テイクアウト用に1日1000個のハンバーガー、400-500個のベーグル、200食分の自宅用ディナーを用意してさっそく販売し始めたそうだ。現場の改修、機材調達、オペレーションの構築、販売チャネルの確保など、スタッフと地域がまるごと連携し、爆速で業態転換した。

決断力と結束力があればここまで出来るのかと驚いたが、日本にも環境の変化に応じて次々に新しいサービスが生まれようとしている。その一つが「オンラインソムリエ byフジマル」だ。「フジマル」ブランドといえば、大阪を拠点にアーバンワイナリー(都市部=大阪府内でぶどう栽培から醸造までをされている)を営みながら飲食店も展開し、同社仕込みのワインが飲める場を提供するほか、販売などもされ、様々なワインを取り扱うワインのスペシャリスト。

実際に一昨日使ってみたのだが、実に面白かった。LINEでお友達登録すると、ソムリエさんとLINE上で会話できるようになり、好みやシチュエーションを伝えると複数本を推薦してくれる。1万円以上は送料無料ということで、まずは1万円ちょっとを目安に、白1本、赤2本を依頼。すると、白は3種、赤は4種提案してくれた。品種や銘柄、特徴の説明とエチケット写真を添えて丁寧にプレゼンテーション。ちなみに私は「田舎、女子ひとり暮らしに合うワイン」というリクエストをしてみたが、(後に、レアすぎるリクエストワードと突っ込まれたが..笑)だったらと「エチケットはあえて隠します。届いてからのお楽しみです」という粋な提案をしてくれた、さすがだ。悩んだ末に私が選んだ3本では1万円にわずかに届かなかった。するとすかさず、自社ブランドの「ハーフボトルスパークリングはいかがですか?」と追加提案してくれて、めでたく¥10,585で着地。「この商売上手〜!」と心の中で叫んだ。▼お友達登録は下記からどうぞ。

しかも、店頭で扱っているフジマル厳選の国産調味料なども買えるらしい。次回にぜひ、と勧められて次の買い物がすごく楽しみになった。これは間違いなくリピートすると確信した。

本来は、もう少し準備期間を経てサービスをローンチする予定だったらしい。しかし、在宅となったスタッフなどもいるこのタイミングで前倒しすることを判断したようだ。飲食店という「場」になかなか出向くことができないが、こうして宮崎という遠隔地にいても、大阪の飲食店に貢献できることは消費者としても嬉しいし、生き残りをかける飲食店の新たな道を開拓したという面でも、ポジティブになれるローンチニュースだった。明日、自宅にワインが届くことが待ち遠しい。そしてその翌の晩には、広報業界のオンライン飲み会もある。ひと月前までには考えられなかった風景が、すでに当たり前のように私の日常に流れ込んできている。

人は、まだまだ変われる。そう思える夜だった。

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