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8月:こもり熱を爽やかにクールダウンするレシピの作り方〜料理編

全国的に大雨が続いたお盆週間。気温もちょっと下がって少しホッと、というか肌寒いくらいになりましたが、今週末からまた夏日に戻るようです。

前回の暮らし編では、アーユルヴェーダの夏の不調は真夏の最中ではなく、少し気温が下がる秋になってから現れますよ。それまで日々、こもった熱をリリースしましょうね。というお話をしました。

というわけで、今月はこもった熱を爽やかにクールダウンするレシピの作り方の料理編をお届けします。

暑い時に辛いカレーを食べるのは理知の誤り

暑くなると、カレーでなくても辛いもの・揚げ物やお酒・焼肉など、なんだかちょっと刺激的なものが欲しくなる人が多いですね。確かに、冷たいビールと焼肉って夏に食べるとなんだか美味しい気がします。みんなでワイワイ囲みたいですよね。

でも、アーユルヴェーダでは「同じ性質を摂りすぎると不調になる」が原則。pittaの性質は「油性・温性・軽性・鋭性・流動性・移動性・生肉臭い」です。これらと、夏に食べたくなる刺激的な食べ物は大体同じ性質ですね。

肌や内臓の炎症や、消化不良、イライラ、頭に熱がこもった感じなど、夏から秋にかけて不調を起こしやすい人は特に、こうした性質のものを意識的に摂っている可能性があります。

このpittaの性質の中でも「生肉臭い」てちょっと嫌ですね。pittaが優勢な方って気をつけていないと、体臭が気になりやすい体質です。その上、お酒や肉類・揚げ物を摂り過ぎていると、気づかぬうちに体臭をばら撒いている可能性も。

というわけで、夏になると「辛いものが食べたい!」「刺激的なものやお酒、お肉が食べたい!」となる人はアーユルヴェーダでは「理知の誤り」と言われてしまいます。食べてはいけない、というわけではないですが、自分の調子を見ながら食べたり、食べ終わった後にちゃんとその熱をリリースするよう冷性のお茶を飲んだり、工夫してみましょう。

米、麦を用いた流動食のバリエーションを楽しんで

梅雨の終わりから夏の始まりにかけては、食べすぎると消化力落としすぎますよ、と注意した「流動食」ですが、真夏の本番は食べても良いとされています。

もちろん、お米を食べて消化できればそれに越したことはないのですが、猛暑日がどうしても消化しづらくなってくる。食べる気がしなくなる人も多い中で、少しでも栄養を摂るならお素麺やお粥は強い味方です。

とはいっても、お素麺+麺つゆばかりだと飽きがきますよね。そんな時は新しい麺を購入してみたり、オリーブオイル+夏野菜+レモンや、ごま油+きゅうり+胡麻とかアレンジをして楽しみましょう。

私はこの夏頂き物で食べた島原そだちの「もちもち全粒麺」に夢中になりました。

なんか大ヒットしてるみたいでどこにも在庫がないようですが...今はこんなふうに全粒粉を使った麺など色々出ているので、適度に歯応えがあるものも買ってみて楽しんでくださいね。

完熟の果物の甘味がpittaの味方

夏に憎悪するpittaは調子が悪くなると「発熱する・化膿する・生肉臭い」など腐敗する方向に行ってしまうので、そうならないようにするためには全体的なイメージとして「みずみずしい感じで、浄化される」ことを想像すると良いです。

「暮らし編」でも書いたように、水や緑を使って、特に寝室は涼しげな感じに保つと良いし、食事の中でもタダでさえ熱い自分をこれ以上熱くさせないように「温性よりは冷性」「辛いものよりは甘いもの」を選んだ方が良いです。(もちろん、冷え性の方や、冷えた環境に生活しているならその限りではありません)

「甘味」は六味の中でも最もpittaを鎮静し、人の心をリラックスさせ、安心させる味です。甘い味と言っても砂糖の味付けのことではなく、食材本来の甘い味です。
・かぼちゃやさつまいもなどの芋類の甘み
・とうもろこしや、みずみずしい蕪や大根の甘み
はもちろんのこと、
・白米
・出汁
もそうです。「出汁」で出る旨みは六味の中では甘味に分類されます。丁寧に引いた出汁でたっぷりのお味噌汁を飲むとほっとするように、イライラしている時ほど旨味を生かした料理を作ると良いです。

一方、より手軽に甘味が摂れてpittaを鎮静し、熱もリリースしてくれるのが「完熟の果物の甘味」です。夏の旬の果物は冷性の種類が多く、しっかり完熟したものを選べばそれだけでpittaが鎮静されるのを感じるはずです。

おすすめは
・桃
・イチヂク
・ぶどう
・梨
特にぶどうはアーユルヴェーダで最も良い果物とされているので、積極的に食べましょう。

夏の真っ盛り!ココナッツの甘味を生かした青菜のお粥プレートを作ろう

今回の主役スパイスはココナッツ。何年も前にココナッツオイルが大流行したので、その時一度は試したけど、さほど家庭料理には馴染んでない...という方が多いのでは?

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テキストでのお話と、料理のレモンストデーションの動画(*動画は2020年4月以降)の両方があって、見ながら実際に食事を作って楽しめるところがポイント。

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