見出し画像

4月:上昇する熱を爽やかに乗り越えるハーブレシピの作り方〜料理編

気温が上昇し暑くなってくると、氷が入った飲み物ばかり飲むのも問題ですが、必要以上に身体の代謝を促す消化促進たっぷりのスパイス料理を食べすぎるのも問題です。

「暑い時には熱くなるものが食べたいよね」と言って、辛い料理を食べに行ったり「精をつけよう」といって焼肉とビールで飲み会をしたらあっという間にお腹が壊れたという経験はないでしょうか?

気温が上がるにつれ、アーユルヴェーダでは「pitta」(消化・変換の火のエネルギー)が増えやすくなると言われています。pittaは私たちの体内にもあるエネルギー。焚き火に薪をくべすぎて火が燃え上がるように、大きくなりすぎた火は暴飲暴食を招き、消化不良を起こしやすくなります。

夏の間は体が冷えないように気をつけつつ、毎日増えていく熱を少しずつリリースしていくことがとっても大切。食事の上では、温める作用ばかりではなく、熱を鎮静してくれるものを重宝します。
というわけで、今回は上昇する熱を爽やかに乗り越えるハーブを活用した料理のレシピを紹介していきます。

Pittaが優勢な時に、スパイスの摂りすぎは要注意

画像1

スパイスの効果は基本的に、消化促進や食欲増進効果が大半を占めています。
・食欲がない
・何を食べたらいいかわからない
・便秘しやすい
・とにかく冷えやすい
といった事情があるなら通年でスパイスを意識的に摂ると良いです。

一方で、
・食欲が止まらないほど旺盛
・ながらぐいが癖になっている
・食べすぎて下痢をすることが多い
・身体が熱く、炎症を起こすことが多い
・イライラしやすい、怒りやすい
といった場合、どんなスパイスでも味方になってくれるわけではありません

もともとpittaが優勢な体質の方、そうでなくても上のような状態になっている方は、全般的にスパイスの摂り過ぎには気をつけましょう。

特にpittaが優勢になり、熱がこもっているときに注意した方が良いスパイスは次の通りです。
・クミン
・胡椒
・ドライの生姜
他にもいっぱいあるんですが、身近なものから挙げてみました。胡椒をかけてピリッとさせる料理が流行っているからといって摂りすぎるとpittaはすぐに燃え上がります。クミンでお肉を食べるのもほどほどに。

生姜については、生の生姜ならpitta優勢でも摂って大丈夫。生とドライでは、大きく作用が異なるのが生姜の注意点です。乾燥生姜は熱性で、とっても身体を熱くするので、pittaの方が 摂りすぎるとしんどくなるはずです。

一方で、pitta優勢でも安心して摂れる「熱さまし」スパイスはこちら。
・コリアンダー
・ミント
・カルダモン
・フェンネル
・長胡椒
ほとんどが「冷性」で、溜まった熱を気持ちよくリリースし、pittaを鎮静します。
長胡椒は胡椒と同じなのでは?と思われそうですが、実は粒胡椒と違って長胡椒は「平性」全てのドーシャを鎮静するのです。なかなか手に入りにくいかもしれないですが、粒胡椒に比べて風味がより豊かで美味しいスパイスなので、胡椒代わりに取り入れてみましょう。

朝の一杯は白湯ではなく常温のお水でもOK

画像2

「朝は一杯の白湯から」というアーユルヴェーダに基づいた習慣はとっても素晴らしいものですが、白湯は「ふーふーしないと飲めないくらいの熱さのお湯のこと」。

「でもこれはいいものだから」と半ば我慢しながら飲んでいないでしょうか?スパイスと同じように、pittaが優勢な時や、pittaが増えやすい季節には白湯は無理して飲まなくて良いものです。

特に朝の一杯は、常温のお水でも問題ないので、心地よく飲める方を選択するようにしてくださいね。

酸味と辛味を避けて、オイルはギーとココナッツをチョイス

暮らし編で、pittaを増やす味、鎮静する味の話をしました。

増やす味は端的に言って「お酒がますます飲みたくなる味」「ご飯が進む味」です。酸味、辛味、塩味。居酒屋や定食屋のメニューには欠かせない味ばかりです。

この中で塩味は料理を美味しくするものとして欠かせないので、あんまり減らすと悲しい食事になってしまいますが、酸味と辛味はなくても料理として成立します。

Pitta優勢な体質、またはpittaが増えている自覚があるようなら、酸味と辛味は避けた方がベターです。pittaが増えている時の現れとして、食欲が旺盛すぎる、逆流性食道炎や胃痛、消化不良、下痢などの症状は改善しやすくなります。

一方で、暑くなってくるとその熱で身体の油分が奪われやすくなるので、良質な油を意識的に摂りたいところです。こもり熱がある時に摂ると良いのは冷性のオイル。ココナッツオイルとギーがおすすめです。

ココナッツオイルは食事以外にも、ヘッドマッサージやオイルうがいに使って頭部ケアにすると良いです。
ギーは市販でも購入しやすくなりましたが、自分で作るのが一番美味しい。
作ってみたいな!という方、こちらの動画を参考に作ってみましょう。

上昇する熱を爽やかに乗り越えるハーブレシピの作り方〜ミントたっぷりの爽やかなワンプレートを作ろう

熱がこもり始める5月頃に最も旬を迎えるハーブたち。特にミントはさまざまな種類があってこの時期とってもおすすめです。

ここから先は

2,081字 / 9画像
テキストでのお話と、料理のレモンストデーションの動画(*動画は2020年4月以降)の両方があって、見ながら実際に食事を作って楽しめるところがポイント。

eatreat.で月に1度開催する料理教室のオンライン版。「胃腸を休めるレシピの作り方」などテーマに沿って生活と食事のレシピを動画付きでお…

サポートしていただいた分は、古典医療の学びを深め、日本の生産者が作る食材の購入に充て、そこから得た学びをこのnoteで還元させていただきます^^