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老舗米穀店の四代目も知らなかった「玄米」の本当のおいしさ―西条市・菅圭一郎さん(かんこめ)

2021年12月の「地元を愛す。」プレゼントの賞品にセレクトしたのは、玄米おむすび玄むす屋の「玄米おむすび20個セット」。西条市内の契約栽培米を名水百選にも選ばれる「うちぬき」で炊き上げて 作るこだわりの玄米 おむすびは、日本最大級のお取り寄せ情報サイト「おとりよせネット 」が毎年発表している 『 ベストおとりよせ大賞 』 で、2017年から3年連続入賞し、殿堂入りを 果たした逸品。「玄むす屋」を運営する西条市の米穀店「かんこめ」の代表取締役・菅圭一郎さんにお話を伺いました。


老舗米穀店の四代目も知らなかった
「玄米」の本当のおいしさ


ー菅さんは明治28年創業の老舗米穀店の四代目だそうですね。玄米おむすびを製造・販売するようになったきっかけを教えてください。

(菅圭一郎 さん)
玄米おむすびを始めて今年で16年目になります。2004年にコメの流通が自由化され、米穀小売業者が許可制から登録制になり、誰でもお米の販売ができるようになったんです。販売競争が激化するなか、生き残りをかけて新しいことに挑戦しよう!ということで、知人の勧めで松山のうどん屋さんがやっていた「玄米の炊き方教室」に行ってみることにしたんです。ずっと米屋をしていましたが、そこで初めて玄米のおむすびを食べました。教わった通りに炊いて、うちの奥さんと一緒に食べてみたら、「あ、おいしい…」って。初めて玄米のおいしさに気づきました。それまでは白米のおいしさにしか意識が向いていなかったんですね。
それと、うちの親父が糖尿病で、白米はほんの少ししか食べられなかったんです。玄米について調べてみると、食後血糖値が上がりにくいということが分かりました。さらに、ビタミン・ミネラルバランスが良く、体の免疫力を上げる作用もある。体にいい玄米のおいしさを知ってもらうため、玄米おむすびの製造を始めました。


ー2019年には「ベストおとりよせ大賞」で殿堂入りを果たすなど、玄むす屋の玄米おむすびは今や全国的な人気商品になっていますが、最初から売れ行きは好調だったのですか?

実は、始めた当初は全く売れませんでした。自社サイトを立ち上げて、片手間でやっていたような感じで。その頃はネットショップでどうやって売ればいいのかわからなかったんです。それから、ネットショップオーナーの勉強会などにも参加して、2010年頃に楽天市場に出店し、徐々に売り上げも伸びていきました。


-玄米は炊くのが難しいというイメージがありますが、どんなところにこだわっていらっしゃいますか?

まず、うちでは西条市丹原町の「川根営農組合」で作ってもらっている契約栽培米を使用しています。残留農薬検査をきちんと行い、モミや異物を取り除いてから、一年中12℃に保たれた倉庫で保管しています。そして、玄米特有のにおいをなくすためにゴリゴリと洗います。そうすることで表面のざらつきも取れ、まろやかになります。それから「うちぬき」に丸3日間、冷蔵庫で浸水させます。しっかりと水を吸わせると中までふっくらと炊き上げることができるんです。

おむすびの種類は現在、玄米ベースのものが15種類、「野球部のおむすび」という玄米に白米や黒米、キヌアなどを合せたおむすびが 5種類あります。「野球部のおむすび」は、その名の通り、地元の西条高校野球部に届けていたものです。食べ盛りの部員たちのために、玄米おにぎりよりひとまわり大きく、味付けも濃いめに仕上げています。


西条市民自慢の「うちぬき」は、名水百選にも選ばれる。
左が浸水前、右が3日間「うちぬき」 に浸した玄米。しっかりと吸水させる ことで、中までふっくらと炊きあがる。


ー種類が多くて毎日食べても飽きませんね。サトイモやタケノコなど、おむすびの具としては珍しいものもありますね。

具材にはできるだけ地元の食材を使いたいと思っています。サトイモは地元産の「伊予美人」を使っていて、ほっこり湯がいたあと、甘辛醤油でさっと煮立てて粉山椒を少しふって味を際立たせています。そのほか、タケノコや梅干し、海苔なども地元産です。


甘辛く煮たサトイモ「伊予美人」がたっぷり!


-玄米を食べるようになって、菅さんご自身の体調にも変化はありましたか?

以前とは全然違いますね。まず、玄米は腹もちがいいので余計なものを食べなくなりました。不溶性食物繊維も豊富なので、お通じもよくなりました。


玄米食の「入門編」として
おいしい食べ方 を伝えていきたい


-玄むす屋の玄米おむすびには、地元・西条の恵みがたっぷりと詰まっていますが、菅さんは西条のどんなところに魅力を感じていらっしゃいますか?

西条は工業と農業、サービスのバランスが取れた町です。山・川・海がセットであって、やっぱり「水」がいい。西条まつりもいいですね。祭りでは、同じ志を持つ人たちが集まって、同じ目標に向かって進んでいきます。そのベクトルが揃った時の美しさは、他にはないものだと思います。

-最後に今後の目標を教えてください。

まず、工場を拡大して、通販のお客さんをなるべくお待たせしなくていいようにしたいと思います。そして、玄むす屋の玄米おむすびが、玄米食を始めてみようという人の「入門編」として選んでもらって、玄米のおいしさに気づいてもらえたらうれしいです。今も商品と一緒にレシピを届けたり、インスタグラム (@kankomeで発信しているのですが、白米とは違うプリっとした玄米の食感を生かしたおいしい食べ方を、今後も提案していきたいと思います。


※この記事は2021年12月に愛媛朝日テレビHPに掲載したものです。


かんこめ 代表取締役 菅圭一郎さん


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