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昭和27年の”家庭料理の基礎独習法”上手な御飯の炊き方

◆経済で美味しいお惣菜料理集 主婦之友(新年特大号)付録 昭和27年(1952)

 経済で美味しいお惣菜料理集とありますが表紙はすき焼きですね。経済といえども豪華な表紙がかざります。すき焼きビフテキのレシピもありますがちょっと読んでみると景気のいい話がのっています。

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◆すき焼きとビフテキ

すき焼きのレシピを読んでみると

神戸肉や松坂牛などの本場のものが理想的。ローストいわれる背のところの霜降り肉は最上です。

だそうです。美味しそう。というか豪華!神戸牛とか松坂牛手に入ったんですね。この本は戦後7年目です。

 ビフテキは肉の下ごしらえとして、サラダ油につけこんでおくと固い肉でも不思議に軟らかくいただけるそうです。本当かなぁ、、、

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◆家庭料理の基礎独習法

 この本の面白いところは、レシピもたくさん載っているんですがこれから家庭料理を始める人向けに料理基礎がとても多く、材料の測り方、魚の卸し方から食事マナーまで55ページにもわたり書かれています。

最初のページにはカップの正しい測り方が書いてあります。この本によると

 百八十cc(一合)入りのカップと、九百cc(五合)入りのカップのほかに二百cc(約一合一勺)入りのカップもあります。
 普通は百八十cc(高さ五.五センチ、直径五.三センチ)入りのカップを多く使いますが、

とあり、1カップの基本は180ccですね。今の料理本などは基本200ccが多いのでちょっと混乱しそうです。

◆グラムと匁(もんめ)

 ページの下には分量と目方の対照表があります。
各食材が小さじ、大さじなどで何gあるか、または何匁あるかの表です。
この本がでた昭和27年だと匁(もんめ)のほうが重さの感覚がわかりやすかったのかもしれません。
ちなみに1匁=3.75gです。
 昭和34年から法律でグラムを使いましょうと変わったようですが、このころから並記もされてるんですね。でもこの本の中のレシピはぜんぶ匁表記でした。

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◆目秤・手秤

 ここでは色々な食材について、この大きさだったらだいたい重さ何グラムとうい話がのっています。
 各家庭に、料理用はかりも無い可能性が高いし、今のようなデジタルスケールがないとはかるの面倒ですよね。今でもレシピ表記に多い”ひとつまみ”についても細かく教えてくれます。

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 バターの場合は親指の先くらいの立方体で15グラム。
卵くらいの大きさの挽肉は45グラムなど実用的な話が出てきます。

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◆上手なご飯の炊き方いろいろ

 ここではご飯の炊き方を紹介。お米の量の基準が1升釜、2升釜、3升釜とならびます。大きい!3合炊きなんてありえない感じですね。

 あとは、内地米外米という話がでてきます。この本は昭和27年ですが、戦後はいろいろなところから米を輸入していたようです。
 昭和28年の資料を見つけたのですがお米の輸入は多い国順にタイ、アメリカ、ビルマ、サイゴン、スペイン、イタリアとまだまだあるのですが世界中から米を集めていたようです。外米とひとくくりに売ってたみたいですが、品質は様々でしたでしょうね。

 火加減と燃料という項目をみると、”ガス、木炭、薪、電気など”とあるので、これによって炊き方かわっちゃいますよね。基本的には釜で炊く方法を紹介しています。

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◆便利な・・・お料理用具

この本はいちばん最後に通信販売も行っています。本で紹介した道具たちがすぐに買えちゃう。この時買った道具たち、まだ全国の台所にあったりするんだろうな。

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