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このクルマ、なーんだ? ミニカーから紐解くWRC③西郷どん。

さーて、さてさて。わかんないでしょうねー、このクルマ。実車はもちろん、雑誌なんかで取り上げられたのも、あまり見たことない。さて、なんてクルマでしょーうか?

・ヒントはこの強烈に張り出したフェンダー。その先っちょに大きな穴。ということは、これミッドシップですよね!

・グループB時代に、スーパーチャージャーやターボ、あるいはスーチャー+ターボといったモンスターカーに、唯一、NAエンジンで挑みました。

・このクルマのドライバーは、マルコム・ウィルソン。イギリス人。だからというわけではないですが、英国車です!

答えは…

MG メトロ 6R4 !

全景写真見てもわからんわ!

ってね。そうおっしゃらず。判官贔屓の皆さんには、受け入れてもらえる可能性があるクルマだと思うんです。というのも…

このゼッケン15は、'86年のサンレモ・ラリーで、

なんと4位

に入ったクルマ…なんですが、

「なんと4位」といいますのは、このラリーで1〜3位を独占したのが、名門ランチアの、デルタS4というクルマ。

コイツがもう、ものスゴいクルマでして。えぇ。

デルタS4は、低速域はスーパーチャージャー(エンジンの回転力を利用してポンプを回し、エンジンに強制的に圧縮空気をぶち込んでパワーアップする機構ですよね、ザクっと言えば)、そして中高速はターボチャージャー(排気の圧力を使ってポンプを回し、エンジンに強制的に圧縮空気をぶち込んでパワーアップする機構ですよね、ザクっと言えば)に切り替えるという、日産マーチ・スーパーターボと同じ(笑)、バブリーな機構でなんと最高600馬力!を発揮した、

超ゴージャスで、チャンピオンの風格漂うモンスターマシン。

こんなのが相手なんですから。そこへ持ってきてコイツ(メトロ)は、自然吸気の3ℓで最高410馬力。排気量からすればハイチューンの極みといえますが、

泣けてくる非力さ…

トホホですよね。それでも4位なんだから、立派。ライバルと同じく4駆でミッドシップですから、自然吸気エンジンのレスポンスの良さも相まって、運転のしやすさという素性の良さがあったのでしょう。

で、ベース(といってもラリー仕様にその面影はなく、構造も全く別モノですが)はこれですよ。MGメトロ。

なんちゅう貧相なクルマでしょうか。

(失礼。私にはそう見えてしまいます)これでレースやラリーに打って出ますかね、普通。

だけど前後の大袈裟なウイングや、超張り出しフェンダーで、凄みは倍増。それに、

「不器用な男ですけん。」

という、

西郷どん的無骨さ

も、なんか憎めないんですよね。不器用な…は西郷じゃないか。まあまあ、ほかのアングルでもご覧ください。

巨大な尻。

大袈裟なフロントスポイラー…というかウイングですよね、ここまでデカいと。

窓から覗くV6エンジンはカッコ良い。6R4という車名は、6気筒、ラリー、4駆という意味だそうな。

どうですか、これでもかのリアウイング。

はい、いかがでしたしょうか。WRC界の西郷どん。

引き続き、知られざる、(色んな意味で)カッコ良いクルマを紹介していきますね!

それでは、またー!

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