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東京建築散歩。その3…の2。〜フランク・ロイド・ライトの自由学園明日館

フランク・ロイド・ライトの自由学園明日館。今日は、そのディテールと建築までの物語、そして向かいの遠藤新設計の講堂をご紹介。

まずはこちら。2階の食堂の天井の照明。↓

元の設計では、四隅の出っ張った梁に照明を取り付けることにしていました。しかしイザ完成が近くなってここを見たライト先生、

天井が高すぎる! 食堂の天井がこんなに高い必要はない!

と言って、ナナメのアームので天井から吊る照明の設計を、自ら始めたとのこと(ガイドツアーでのお話より)。このアームの角度は屋根の角度と同じにしてあるとのことで、

幾何学的美しさを演出していますよね。

寄るとこんな感じで、ライトらしいディテールです。↓

ディテール写真を紹介するのに、もう一度配置図をつけておきます。↓

で、こちらは左上の会議室内から小教室へ続く廊下を見たところ。↓

この廊下を歩いて行って、反対側のライブラリー側から会議室側を振り返ると、こうなります。↓

ホント、美しいですね。

↑こちらは中央棟の窓を外から見上げたところ。緑色が鮮やかなのは、昨年、塗り直したからとのこと。
ガイドツアーでお話を聞いていると、この建物、一時期、傷みが激しくなり、自由学園が

取り壊しを決めたことがあった、

とのことですが、保存運動が起きて大修理が行われたそうです。それで今、僕たちがこうして見学できるワケで。感謝!🙏

次に、道向かいの、ライトの信頼厚いお弟子さんの遠藤新が設計した講堂に向かいます。これがまた、

イイんです!

中に入ってみましょう。まずは玄関のディテール。すごくライトを感じます。↓

中のホールでは、当日ココで行われるコンサート向けに、学生さんたちがリハーサル。こんな場所で音楽を楽しめるとは、豊かな時間だわ。↓

舞台側に行って振り返ると、こんな感じで2階席が見えます。↓

2階に上がると…

↑1階がこんな風に見えます。キレイですなぁ。
↓振り返って2階席を見るとこんな感じ。

↑2階窓から明日館を見る。

↑1階入口付近。

最後に、この

自由学園を、なぜライトが設計することになったか

というと、学園創始者の羽仁さんご夫妻が敬虔なクリスチャンで、同じ教会に通う遠藤新に設計を依頼したところ、遠藤さんは、ちょうど帝国ホテルの設計のために来日していた師匠のライトに設計してもらうのが良かろう、と、夫妻を引き合わせたそうです。すると、夫妻とライトの話が弾み、教育方針に共感したライトが快諾した、とのこと。

つまり施主は当初、なんと、ライトのことを知らなかった、という。

なんかね、出会いの大切さというか、

人と人との繋がりが奇跡を生むんだという、そんなことを感じることもできました。

大正10年(1921年)に、中央棟を含む一部が竣工していますから、ほぼ100年。今も美しい姿を見られることに感謝しつつ、今日はこの辺で。
それでは、またー!



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