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「内容項目」と「道徳性の諸様相」を焦点化する

道徳科の授業における焦点化のポイントは2つ。

1つは内容項目のどの部分を扱うかということ、                          もう一つは道徳性の諸様相といわれる「道徳的判断力」「道徳的心情」「道徳的実践意欲と態度」のどれを中心にねらうのかである。                                     

授業前に、この2つについて明確化・焦点化しておく必要がある。

ますば、内容項目についてである。                                  例えば「節度、節制」には、多くの事柄(道徳的価値)が含まれている。1、2年生の場合は「健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の回りを整え、わがままをしないで、規則正しい生活を行う。」とある。

この内容項目には、「基本的な生活習慣に関わること」「進んで自分の生活を見直し、自分の置かれた状況について思慮深く考えながら自らを節制し、程よい生活をしていくこと」の2つの要点が含まれている。

この2つの要点のどちらを選択するか、そして、その多くの価値要素から特に何に重点を置くかあらかじめ考えておかなければならない。

次に道徳的諸価値についてである。

対比や選択をする学習活動があり、価値判断をさせる授業であれば、
「道徳的判断力」をねらいのメインにもってくる。                              その場合、登場人物の行為や心の在り様に対して、その善し悪しを考えたり話し合ったりする、また、なぜ悪いか、どう悪いかなどのその理由や程度について考えるなどの学習活動になる。

心情把握や共感的な理解を大切にする授業であれば「道徳的心情」をねらいのメインにもってくる。                                   その場合、価値そのもののよさや善を行うことをよさを考えたり、話し合ったりする、資料の中の人物を想像したり、自分ならどう感じるかという心の在り方を考えたりする学習活動になるだろう。

なりたい自分やそれに向けた想いを想定する活動がある授業であれば、「道徳的実践意欲や態度」がねらいのメインとなる。その場合、展開後段や終末において、今後の夢や希望、生き方や行動について考える学習活動になる。

道徳性の諸様相と授業の子どもの姿が重なるようにねらいを焦点化する。 ねらいを焦点化した後は、授業の発問や学習活動を決めるために、ねらいを一層具体的にした「学習内容」を設定すると「考えさせること」が明確になってくる。


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