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道徳における板書の必要性

東京学芸大学の永田氏は、板書の機能として以下の5つを挙げている。

①情報の提示                                                  教師の伝えたい内容を示したり、それを全員で確認したりする。                ➁構造的理解                                                考えたい中身をその順序や構造を生かして整理するなどして、子どもの理解を促す。                                 ➂補足や補強                                                   内容を補足したり、視覚的に補強、強調したりする。                     ④協同思考                                             個人の考えや、共通に得られた情報を生かして、学級全員の思考の中心的な画面とする。                                    ➄授業参画                                                                    子どもの練習や作業、発表、議論や討論の場として生かす。

改めて示されると「なるほど!」と納得する。                       これらの機能を意識して授業で板書する。                           授業後、板書を撮影する。                                 5つの機能を視点として振り返る。(人からフィードバックを受ける)                          このような作業を1か月継続するだけでも、子どもの思考を踏まえた板書が少しずつできるようになるだろう。                          

学習指導要領解説で「板書」を検索した時、一番ヒットするのは、道徳科でであるようだ。道徳科は6つ、国語科、外国語科、総合的な学習の時間がそれぞれ1つ、その他の教科等は1つもない。

道徳科学習指導要領には、以下のような記述がある。

ウ 板書を生かす工夫

道徳科では黒板を生かして話合いを行うことが多く、板書は児童にとって思考を深める重要な手掛かりとなり、教師の伝えたい内容を示したり、学習の順序や構造を示したりするなど、多様な機能をもっている。

板書の機能を生かすために重要なことは、思考の流れや順序を示すような順接的な板書だけではなく、教師が明確な意図をもって対比的、構造的に示したり、中心部分を浮き立たせたりするなどの工夫することが大切である。  【学習指導要領解説 特別の教科 道徳】

思考を深める重要な手掛かり、伝えたい内容を示す、学習の順序や構造を示すなどが「機能」であり、明確な意図をもって対比的、構造的に示す、中心部分を浮き立たせるなどが「工夫」である。

道徳科においては、他教科等以上に「板書にこだわる」必要があることを改めて実感する。



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