教師の話し方を改善する
ある授業研究会の帰りに、授業者のA氏が言った。
「授業ビデオを見て気が付いたけど、私の話し方には癖がありますね。ビデオを見ていて恥ずかしかったです。」
話し方の癖は、普段、自分では分からないものである。
「えっと」という言葉が多い、同じ言葉を繰り返す、微妙に言い換えて発問を繰り返す、発問の後、間髪入れず指名する、指示が曖昧である、説明が長いなど、授業ビデオ等を通して、客観的に自分の話し方を聞かないと分からないこと、気づかないことが多い。
私は、研修や説明会等で話をするとき、今でもICレコーダーで自分の話を録音し、帰宅途中の車内で聞いているが、いつも一人反省会になる。
話し方は、意識しないと変わらない。 しかし、意識するだけでは変わらないのである。
話し方を改善するために、先輩教師に教えていただいた有効な方法がある。実際、この方法で自分の話し方もかなり変わったと思う。
それは、毎時間、辛口の子ども(たち)からフィードバックをもらう「環境」をつくる方法である。
例えば、授業後、その子ども(たち)のところに行き、 「先生の説明は長くなかった?」 「先生の発問は分かりやすかった?」 「先生の指示は分かりやすかった?」などと、 自分の改善したい話し方に関することを1~2つ聞くのである。
「1次関数の説明が長すぎて、余計、分からなくなった。」 「準備運動の指示がよくわからなかったので、はじめ何していいか分からなかった。」 「先生、今日の説明は短くても分かりやすかったよ。」 などと、子どもたちは、本音で答えてくれる場合が多い。
子どもたちのフィードバックを1か月も継続して受ければ、話し方を意識せざる得ない。そして、話し方が変わるのである。
「意識」より「環境」を変えた方が改善できるのである。
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