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認知の歪みは“治す”よりも“距離を取る”


昔、鈴木由美子さんのマンガ『アンナさんのおまめ』がベッキーさん主演でドラマ化され、

当時原作を知らなかった私は、かなりの衝撃を受けました。(調べると2006年と出てきたので、もう16年も前でした。)


Wikipediaには、主人公についてこう記述があります。

桃山リリは、女優志望のフリーター。深海魚系サカナ顔女だが、本人は美人だと思い込んでる、困った女。

アンナさんのおまめ

このドラマのストーリーは覚えていませんが、

とにかく主人公がスーパーポジティブで、世界は自分を中心に回っていると思っているキャラなのです。

それでいてどこか憎めず、くすっと笑えるドラマでした。



私が認知の歪みについて考えるとき、この『アンナさんのおまめ』がまっさきに思い浮かびます。

また、2018年のアメリカ映画『I Feel Pretty』でも、似たようなキャラクターが出てきます。

(外見コンプレックスを抱える主人公が、頭をぶつけたことがきっかけで自分はものすごい美人だと思い込み、人生が好転していくというお話です。)




同じ現実であっても、認知の仕方によってそのとらえ方は人それぞれです。

コップに半分水が入っているのを見て、

“もう半分しかない”と思う人もいれば、

“まだ半分もある!”と思う人もいる。

そして、どうせなら“まだ半分もある!”と思えるほうが、人生は楽しい。



じゃあ、何でも物事をポジティブに考えていけばいいんでしょ?はい、めでたしめでたし。



といきたいところなのですが、そうは簡単にはいかないのが、この問題の根深さなのです。


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