恋と愛の違いをまじめに考える
いつも見ている動画チャンネルで、“恋と愛の違いは何か”という話題が出てきました。
恋と愛の違いについては、もうすでにたくさんの名言が世の中にあり、そもそも恋と愛を分けて考えること自体無駄、という意見もあります。
しかし、私はその動画を見てから、どうも何か心に引っかかるものがありました。
ということで今回は、恋と愛の違いについて自分なりに書いていきたいと思います。
(※壮大なテーマですが、🍘でもかじりながら気楽に読んで頂けると幸いです_(._.)_)
“恋心”と“怒り”の感情は似ている
まず、誤解を恐れずに言うのならば、“恋心”は親しい人に抱く“怒り”の感情と似ています。
え?ピュアで純粋な恋心のどこが怒りの感情と似ているっていうの?
と思ったそこのアナタ、目を覚ましてください思い出してみてください。
恋をすることって、本来ものすごくエゴ的な行為です。
人を好きになるということは、
自分をもっと知ってほしい、この人から好かれたい
という欲望を、相手にぶつけるということです。
相手から好かれることで満たされる、満たされたいと考えているということです。
その点では、親しい人に対して感じる、
私のことわかってよ、私のこともっと大事にしてよ
という怒りの感情と、あまり変わらないと思うのです。
どちらも自分の中で何かが欠けていて、その欠けている部分を他人に補ってもらおうとしているからです。
自分自身で自分のことを大事にできないので、かわりに好きな人から大事にされたいと思っているのです。
はたから見ると、かなりまわりくどくて非効率的な方法です。
自分で自分のことを、かわいいね、かっこいいね、素敵だね、と認めればいいのに、そうできない。
その点においては、“恋心”も“怒り”も、自分のかわりに他人に対して求める代償行為として、同じ次元にあるものだと思うのです。
片思いは本当に報われないのか?
何を隠そう私自身が、恋心と怒りの感情が同じような次元で、ずっと生きてきました。
好きな人に対して、代償行為としてたくさんの欲望をぶつけてきましたし、意図せず欲望をぶつけられたこともありました。
見上げる恋は、たしかに楽しいです。
自分だけ好きでいればいいからです。
自分だけ追いかけていればいいので、心理的にとてもラクで楽しいのです。
自分が相手にどんな影響を及ぼすのか考えることなく、ひたすら相手のことを追いかけていればいいからです。
けれど、この状態では限界があります。
なぜなら、そこにある関係性はあまりにも一方的だからです。
恋に恋している状況だと、その人の本質からかえって遠ざかってしまうことがあります。
結果として、“この人は自分のことを本当に好きではないんだな”と、相手に思わせてしまうのです。
また、自分の気持ちが一方的すぎるあまりに、相手からの好意に気がつかず相手の気持ちを踏みにじってしまうこともあります。
恋に恋している人ほど、相手から好かれたいと願う一方で、
こんな自分なんか好きになってもらえるわけがない、と心のどこかで思っているところがあるので、
いざ相手が好意を示しても、気がつかないことがあるのです。
上記で引用したサイトには、
とあります。この文章の続きを勝手に書き加えるならば、
と、言えます。
片思いは本当に報われないのでしょうか?
私には、そうは思えません。
片思いが報われないのではなく、ありのままの自分を自分で認めるかわりに相手から認めてもらおうとしている限り、報われないのです。
その人自身が自分のことを認められていないのに、
相手がその人の良い所に気づいても、恋愛に発展しないのです。
せっかく相手に自分の良さを発見してもらって、「素敵だね」と言われても、
肝心の本人が気づいていなければ、恋愛関係が成立しないのです。
相手に好きの“選択権”を与える
どうしたら好きな人に好きになってもらえるんだろう。
この答えは、意外と簡単なのです。
ただ見上げることをやめて、好きな人と同じ目線になればいいのです。
同じ目線になるということは、相手からもらうだけでなく相手に与えている自分の存在に気づくということです。
相手に尊さを感じるのと同じ分だけ、自分に対しても尊さを感じるということです。
それだけでいいのです。
好きな人から好かれない…と悩んでる人の中には、あえて自分でそういう状況を作っていることがあります。
自分の中で、この自分は好きだけど、この自分は嫌い!と区別していて、
その好きな自分だけ、相手から好かれようとしているのです。
自分が認めた以外の自分は、好かれたいとは思わないのです。
自分で認めたルートからでしか、人からの好意を受け付けていないのです。
しかし当然のことながら、人が感じる魅力は人それぞれです。
何年か前に、坂元裕二さん脚本のanoneというドラマで、こんなセリフがありました。
この概念が、見上げる恋をしている人には欠けているときがあります。
自分が認めた以外の自分が好かれることを想定していない。
好かれたいと思いながらも、自分が想定していない相手からの好意に対してとことん無頓着になってしまう。
片思いがうまくいかない原因のひとつには、こうした背景があります。
この問題を解決するには、相手に好きの“選択権”を与えてあげることが大事になります。
見上げていた相手から好意を返され、
“え、私のそんなところが好きなの…?なんか思ってたのと違うかも…。”
と幻滅するのではなく、相手からのどんな好意もウェルカムでいること。
“この自分を好きになってもらいたい”、というこだわりを手放すこと。
しかしこれが、自己肯定感が低い人にはなかなか難しかったりします。
自分の中の飢餓感に気づくだけでいい
自己否定感が低いと、好きな人からの好意にうまく気づけません。
気づけないというより、認めたがらないのです。
この無駄で報われない一人相撲の背景には、自分が自分にダメ出しをしている心理があります。
幼稚。
ダサい。
カッコ悪い。
頭が悪い。
仕事ができない。
女性/男性として魅力的でない。
そうやって、自分自身で自分を否定してしまっています。
そして、そのコンプレックスの反動からくる飢餓感に自分で気づかないまま
(正確には、気づいていても目を逸らしたまま)
好きな人から認められることで、その飢餓感を解消しようとしてしまうのです。
知的に思われたい。
仕事ができるって思われたい。
魅力的な人に思われたい。
私が特別でかけがえのない存在ということを、あなたに証明してほしい。
人を好きになる時は、そんな願望が隠れています。
"こういう私を好きになってね、ハイ、どうぞ。”と、
自分で指定したルートを相手に示しますが、当然ながら相手にとってそれが必ずしも通りたい道とは限りません。
あなたの魅力は、あなたが決めることではありません。
むしろ、あなた自身が自分の飢餓感と向き合い、“まぁ、こんな自分も自分だよね☆”と開き直っていくほうが、
相手の目には魅力的に映ったりします。
しかし、見上げる恋ばかりしている人は、このことに気がついていません。
もとより、
あなたが普段から自分が相手に何かを与えている存在なのだと自覚するだけで、
つまり、あなたの存在自体がいかに素晴らしいかにあなた自身が気づくだけで、あなたは無条件で愛されるのです。
本来、自己肯定感が低い人(挫折経験のある人、精神的に苦労してきた人、孤立してきた人など)が恋をするとき、
極論ではありますが、片思いになることはありえないんじゃないかとさえ、私は思います。
なぜなら、痛みを知り、苦労を知り、生きづらさを抱えながらも、
世の中の不条理さを身に染みて経験してきた分、優しく温かい心を持っているからです。
他の人よりも、もっとずっと深いレベルで人を愛することができるのです。
じゃあ、なぜ片思いになってしまうのか。
それは、あなた自身も相手に与えていることに気づいていないからです。
自分の経験したことの負の面だけを見ていて、自分には人を幸せにする力がないと思っているのです。
自分が相手からもらっているのと同じ分だけ、自分も相手に与えていることに気がつけば、相手からもちゃんと愛されます。
あなたが、自分自身に愛される許可を与えてあげれば、せき止められていた水が流れ込むように、相手からの愛が返ってくるのです。
私たちはなにも、社会が良しとする外見や、“好かれる自分”を目指す必要はありません。
かわいい、かっこいい、仕事ができる、頭がいい人が好かれるのだ!と、自分で勝手に作り上げたイメージにとらわれる必要はないのです。
あなたはただ、自分も相手に与えていることに気づく必要があるだけなのです。
あなたにとってその当たり前な優しさが、もっと言えばあなたの存在そのものが、
相手にとっては、これ以上ないくらいの心の支えになっていることを知るべきなのです。
おわりに
あらためて恋と愛の違いについて考えてみると、
恋は奪うもので愛は与えるもの、と言えます。
ただ、恋と愛がまったく別のステージにあるというよりも、
ただ恋をしている人が、自分自身も相手に与えていることに気づくかどうかの違いに思えます。
あなたはあなたのままで十分魅力的なのです。
奪うことが執着すること、与えることがそれを手放すことだとしたら、
あなたは、ただ執着を手放せばいいだけなのです。
あなたからあなたの魅力を奪っているものがあるとしたら、
それはあなたが思うあなたの短所ではなく、あなた自身が持つ執着そのもの(自分を否定すること)なのです。
そして、自分の存在がかけがえのないものであるということに気づくことが出来れば、その恋心が愛になると、私は思っています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました💞
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