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認知症の姑の介護体験で感じてきたこと③

姑が白内障の手術を終えて、「目薬のお世話をさせてもらうから」と説得して、退院と同時に慌ただしく我が家に姑を連れてきた。

どこに寝てもらおうかと悩んで、2階の私たちのベッドで寝てもらい、私たちは一階の和室に寝ることになった。

「姑も、きっと渋々色々な思いを飲み込んで、息子の家に来たのだろう」と思うと、多少のことは私も受け入れていこうと思っていた。

でも、受け入れ難いと思われることは色々あって…

食卓で何の遠慮もなく吸うタバコ。
私は諦めの境地で、そっと換気扇のスイッチを入れていた。

毎日のように行きたがるパチンコ。
無理やり連れてきたかのような形になったことに、「母の唯一の楽しみまで奪ってしまったかしら」との後ろめたさから、駅前のパチンコ店まで車で送迎した。

依存症になっていたので、夫はやめさせようとしていたが、私は肝を据えて「もう気が済むまで、すっからかんになるまでしてもらったら」と夫に告げた。

夫は使いすぎないように、姑に言い聞かせて、財布の中には決まった金額だけを入れるようにしてくれた。

姑も、自分が際限無くお金を注ぎ込んでしまうことをとても反省していて、納得した。

だが、しばらくして、姑の口から「嫁に送迎させてまですることではないから、もうパチンコは辞めておく。タバコもあまり吸いたく無くなった。」との一言が😳

まず、とりあえず一旦姑を受け入れたことで、姑も私たちと生活を共にしていくことを受け入れてくれたのかもしれない。

連れ合いをなくした姑の寂しさを、私が代わりに埋めてあげることはできないけれど、少しでも笑顔になってくれたらと、そう思う気持ちに嘘はなかった。

とりあえずの同居生活がしばらくすぎた頃、夫は「自宅を引き払って、もうこちらで自分たちとずっと同居しよう」と、姑に告げた。

姑は、力なくポツリと「そうしないとね。仕方ないね。」と言った。

胸が少し痛かった…

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