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巡り巡る地球の旅人/ユキ ラクシュミナラヤニ
2021年1月20日 00:05
自宅の近くのバス停で、バスを降りました。この日の帰宅時間は、もうすでに太陽が沈みきっていて、暗い闇が町を飲み込んでいました。暖かで安らかな我が家に帰ることを、ジリジリと体中が待ち望んでいるような、そんな落ち着かない気持ちでした。バスのドアが開き、私は背中にバックパックと、左手に大きな荷物を抱えて路上に降り、滑らないように慎重に歩き出しました。ここ数日降り続いた雪が、夜の闇の中で妖艶