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子どもたちとの自転車旅レポート

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僕が子どもたちとともに出かけた自転車旅のレポートです。2020年夏は全国から集まった小学6年生たちとともに四国一周800kmをともに旅しました。
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#MOUNTAINBIKEJOURNEY

旅が生まれた。

旅が生まれた。

12日間の子どもたちとの自転車旅を終えたあと。
まだ余韻が抜けきらぬなかで、最終日のレポートを書いていたときに
そんな表現が出てきました。

旅が生まれるってどういうことだろう。
「旅をする」ということはこれまでも数え切れないくらいに使ってきたけれど「生まれた」という言葉が出てきたとき、どういうことかよく考えないままそれを書き残すことにしました。数日経ってなんとなくだけれどそのことについて考えてい

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【DAY12(GOAL)】何者なんかになる必要なんてない。君が持っているものが、君が思いをもってがんばって手に入れたものが、そのままが君というヒトになっていく。

【DAY12(GOAL)】何者なんかになる必要なんてない。君が持っているものが、君が思いをもってがんばって手に入れたものが、そのままが君というヒトになっていく。

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY12】
しまなみ海道大島→尾道にGOAL 62.6km

【レポートとともに、この旅の終わりへの思いを綴りました。】
今日で旅が終わる。最後の朝をむかえる僕らを海からのぼる太陽が照らしてくれた。昨日一緒に遊んだまるじが家からてくてく歩いてくる。しばらくしたらお母さんもやってきた。

「あんたも一緒に途中までついていけば?」
メンバーの

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【DAY11】目標に手が届くことがはっきり分かった子どもたちは、どこかこれまで定めてきたものにモヤがかかっているように思う。

【DAY11】目標に手が届くことがはっきり分かった子どもたちは、どこかこれまで定めてきたものにモヤがかかっているように思う。

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY11】
松前町→しまなみ海道大島 70.0km

この旅のなかで子どもたちの心のうちを見通すことができるのか。
この12日間では僕たちは家族になることができるのか。
答えはNOだと思う。

12日間では、それを垣間見ることができるときがある、家族のように感じることができるときがある、としか言えない。
だったらそれは理想論としてあるだけ

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【DAY10】「ピンチのときには、きっと誰かが助けてくれる。僕もたくさんの人にお世話になったから、僕も君たちにそうしてあげたかったんだ。」

【DAY10】「ピンチのときには、きっと誰かが助けてくれる。僕もたくさんの人にお世話になったから、僕も君たちにそうしてあげたかったんだ。」

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY10】
西予市→松前町 76.4km

“布団で寝た翌日は間違いなく寝坊する”
ジンクスを確かめるはずだった宇和町の朝。

意外と15分くらい寝坊して起き動き出してしまった子どもたちにびっくり。
朝食もつくっていただき、おにぎりも持ってお世話になった喫茶sunnyのミキさんのところを出発した。

間違うことを経験した日にもなった。

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【DAY9】みんなが持てるチカラを出して、それが合わさってはじめて、自分ひとりでは持ちえなかったチカラとしてそこに現れる

【DAY9】みんなが持てるチカラを出して、それが合わさってはじめて、自分ひとりでは持ちえなかったチカラとしてそこに現れる

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY9】
宿毛→西予市 87.2km

自分の持てるチカラを出すということ。
それが今日の彼らの1日だったのだと思う。

ぼくはレポートを書きはじめ(すっかり朝書くということになってしまったところが情けないです、すみません)”さあ今日もはじまるなぁ“なんて思っていたら、ピンクカラーのサイクリストが駐車場に入ってきた。おぉ!宿毛市長!約束ど

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【DAY8】この旅はすでに僕が思い描いていたものよりも大きなものになっている。

【DAY8】この旅はすでに僕が思い描いていたものよりも大きなものになっている。

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY8】
中土佐→宿毛 96.1km

「朝自分たちが気持ちよくはじめられれば、きっといい1日になる。」
一昨日の夜にミミが言った言葉を子どもたちがその行動で示した1日になった。

早めに起きて行動する子どもたち。テントの片付け、自分のパッキング、終わったひとがそのまままわりと協力してバッグを取り付けて出発の準備を整えていく。ゴミ拾いはも

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【DAY7】「自分が向き合うべきものをやったときって気持ちがいいし、それが朝からできればきっといい1日になるんだと思う」

【DAY7】「自分が向き合うべきものをやったときって気持ちがいいし、それが朝からできればきっといい1日になるんだと思う」

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY7】
桂浜→中土佐 53.9km

自分たちで決めた出発時間から2時間以上遅れて走りはじめるとはさすがの僕も思っていなかった。これまでの旅メンバーで最高記録!それも昨日の差し入れを持ってきてくださったみなさんに「明日は最高記録を出します!」と話した翌朝にだからなおさら。

朝起きるのはそこまで遅くなかったけれど、ごそごそとおしゃべりし

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【DAY6】自分の弱さを認めれること、それを素直に出すことのできることで、そばにいてくれる人たちにとっての自分の輪郭はより際立つ

【DAY6】自分の弱さを認めれること、それを素直に出すことのできることで、そばにいてくれる人たちにとっての自分の輪郭はより際立つ

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY6】
室戸→桂浜 82.9km

オトナの様子をうかがいながら、どのくらいまでごまかせるかを探る。
みんなが協力してやっているときに少し離れて様子をうかがい、流れが決まりかけるところで入っていく。
甘えた声を出しながら自分のやりたくないことからはスーッと抜けていく。

ほのかとよくメンバーの様子についての話をする。
けれどそれはだれか

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【DAY5】言いたいから言うのではなく、伝えたいからこそ言葉を選ぶ。

【DAY5】言いたいから言うのではなく、伝えたいからこそ言葉を選ぶ。

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY5】
牟岐町→宍喰→室戸 68.2km

朝のミーティングで自分の弱さを見つめることについて話をした。
疲れもあるだろう寝坊してしまってあわてて準備をまわりに手伝ってもらいながら、予定より少し遅くスタートして朝食を買うためにコンビニに立ち寄った。
(*子どもたちの旅なので、オトナは早くに準備を終えているけれど、子どもたちを起こしたり、

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【DAY4】僕たちが全く関わらなくても、子どもたちが旅できるようになることが、一番いいこと

【DAY4】僕たちが全く関わらなくても、子どもたちが旅できるようになることが、一番いいこと

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY4】
羽ノ浦→牟岐町 56.4km

「わたしがどこでどう関わっていいのか分からない」
と涙を流している理由を答えた、ほのか。

「僕たちが全く関わらなくても、子どもたちが旅できるようになることが、一番いいことだと僕は信じているよ」と僕は答えた。

彼女は「子どもたちのそばにいたい」という言葉をいつも話す。
文字どおり、その思いどおり

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【DAY3】自分のためが誰かのため。
誰かのためが自分のため。

【DAY3】自分のためが誰かのため。 誰かのためが自分のため。

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY3】
引田→徳島市→羽ノ浦
62.9km

えぇ昨日テントに入ってもう動けなくて一文字も書けなかったので朝、ソッコーで
テントを片付けて子どもたちが準備しているその横でこれを書いています。

昨日よりか少し遅くなったけれど、自分で起きて仲間たちを起こす◯◯。
こういうのはほんとに得意不得意という感じで、今年も朝が得意な子が
まわりを起

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【DAY2】チームというのは言葉ではなく、それぞれの気持ちが重なり生まれるもの

【DAY2】チームというのは言葉ではなく、それぞれの気持ちが重なり生まれるもの

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020
【DAY2】
小豆島→香川引田インター 54.3km

夜中なのにちょくちょく子どもたちが連れ立ってトイレにいったり、話す声が聞こえてくる。今何時なんだ?と枕元のスマホをタップすると3時だった。どうしたものかと思って翌朝聞くと、子どもたちは夜中に目が覚めてしまって、そのままウトウトしながら朝を迎えたそうだ。

そのおかげというかなんというか、今

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【DAY1】誰かについていく旅ではなく、自分たちで考えて行き先を決めていく旅

【DAY1】誰かについていく旅ではなく、自分たちで考えて行き先を決めていく旅

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020
【DAY1】
27.2km 姫路城→小豆島オリーブ公園

僕にとってのホームである姫路出発とはいえど、やはり前日はソワソワして気持ちが休まらなかった。何年やったとしても、このまだやることがあるのではないかという頭が落ち着かない感じや、これから子どもたちの命を預かるという責任には慣れることはないと思う。

集合時間よりずいぶんと前に集まってきた参

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