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【DAY7】「自分が向き合うべきものをやったときって気持ちがいいし、それが朝からできればきっといい1日になるんだと思う」

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY7】
桂浜→中土佐 53.9km


自分たちで決めた出発時間から2時間以上遅れて走りはじめるとはさすがの僕も思っていなかった。これまでの旅メンバーで最高記録!それも昨日の差し入れを持ってきてくださったみなさんに「明日は最高記録を出します!」と話した翌朝にだからなおさら。


朝起きるのはそこまで遅くなかったけれど、ごそごそとおしゃべりしながら準備。
昨日の余ったごはんと作っておいたお味噌汁をダラダラと食べる。
片付けをしながら、誰かの出した話題に引きつけられてしまい作業が止まる。

とりあえず出発の準備が終わったあとで、昨日は遅くなったから今朝にまわしたミーティング。旅のこれまででチームのまだ解決していない課題について。としてみんなが出すのは時間がかかってしまうということ。

「食べるのが遅いから早く食べる」「必要ないことはしゃべらない」「早く終わった人がまだの人を助けて早くできるようにする」「気づいた人が声かけをする」それらしい言葉が並んで出てくる。


けれどもそんな話題のミーティングが終わったあとで、
「トイレいってくるぅー」
「あぁお水入れるの忘れてるわおれ」
「見て見て!これ!(ゴキブリを発見)」
と言い合いながら、さっきのミーティングの言葉は5mmも心に染み込んでない感じにびっくりする。

結局2時間30分おくれてのスタートだった。
「みんなが使った時間は僕らが走ることができた時間。最低でも25kmは今日失ってしまったよ」と声をかけるとそのことにはがっかりしたようで、どよーんとした感じで走りはじめた。自分たちの行動がそういう結果に現れるということには気づく機会になったかもしれないけれど、この朝のことはこの旅がまだ「自分たちの旅」というモノにはなりきってないと感じる出来事だった。


遅れることはよくあること。僕が気になるのは、目の前のことだけというのではなく、きちんと出発時間や自分たちがするべきことを分かって声をかけているメンバーがいるということ。けれどもその声はちゅうぶらりんになりそのまま消えていく。「誰かをひとりぼっちにしない」という僕らの決め事。それはがんばっているひとをひとりっきりにしないという意味もある。彼らがそこに気がつくかどうか、僕が言ったら意味がない。


いいコースだったけれど、昨日はどこか気持ちがあがりきらないままだったし、休憩のコンビニではみんなが元気になるように、いつものジャンケン選手権(5人中3人が勝てばひとり1本ジュースが買えて、僕が3勝以上すると大きなジュースをシェアすることになる)でジュースを買って飲むんだけれど、出発のために動きはじめたのは出発時間の1分前で、それもまわりの動きを見てから、あーそうだったーみたいな感じで動いたメンバーもいて見事に遅れた。

このときに「どういうつもりで時間を決めたり約束してんの!?」と感情的になってしまったことには反省。
大きくありたいとは思っているけれど、子どもたちの意識がそれでは変わっていかないんじゃないか。自分の感情を出すほうがいいのかなんてそのときのことを思い返しながら1日走り終えた感じ。


もう少し先まで走りたいというメンバーがいるなかで、この先の山区間では20km先までテントを張れそうな場所がないこと、暗くなった山道はリスクが高すぎることから今日はここまでで走り終えることを決めて伝えた。これは僕の判断。あんまり旅のなかで僕が決めてしまうことは無くしたいと思っているけれど、彼らを守ることも同時に考えときにはこうして決めなければいけない。


スーパーで今日のリクエストを聞くとチャーハンで盛り上がる子どもたち。おれ上手!と言ったメンバーに反応して、今日は子どもたちの分はぜんぶ自分で作ってもらうことにしてみた。なんにしても、彼らが自主性を見せるものはんでもやらせてみたい、やらせてあげたい。

スーパーを走り回り、いつになく元気に食材を買う子どもたち。河原のテント泊にしたのでいつまで経っても川からあがってこないが、料理がはじまるとみんなでテキパキ動いていた。これだよなぁ自分ごとになることってと思いながら楽しそうにごはんを食べる子どもたちを見て思っていた。


今晩は久しぶりに僕たちだけの夜。
今日のうちに振り返りをすることができた。


初めて子どもたちから「くやしい」という言葉が出てきた。
ミミからは「自分が向き合うべきものをやったときって気持ちがいいし、それが朝からできればきっといい1日になるんだと思う」という言葉も出た。


自分が手を出せないので、やきもきしながら落ち込んでいたほのかは
「私はみんなとほんとに一緒にゴールしたいと思ってる。そして楽しい時間を過ごしたいと思ってる。けど自分が手を出すとそれはもうみんなのことでは無くなってしまうからしないけど、今日はずっとモヤモヤしていた」と話してくれた。

なんちゃら流星群がやってきているという夜。
はっきり見える天の川をみんなで寝転んで流れ星をしばらく見ていた。

日々ものごとをくっきりと区切っていきたいけれど、こうして感情を引っ張ることもあるし、課題を持ったままのこともある。けれどもっと大切なことは大きな視点で見つめながら心に余白を置いておくこと。きっちりしたい、させたい、ではなく彼らのこの旅のその先も見つめて。

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