食べるということは生きるということ
紙の本は重い
この間、林望の「イギリスはおいしい」という、ずっと昔から探していた本を見つけた。
速攻買おうと思ったのだが、Kindle版がない。
私はスマホ4台と、タブレット、Kindle端末を持っている。
最近、紙の本を買ったのは、4年くらい前?
カポーティーの「冷血」がいきなり読みたくなって、1円の古本を買ったのだ。
それ以外は、母が買い与えてくれる紙のマンガが(私がKindle版で持っているからと言っても買ってくる)数冊くらいが毎年増える。
今の住居に引っ越すとき、引っ越し業者さん3社に見積もりをお願いしたのだけど、どこの営業さんも、
「家具はお持ちでないんですね、ほとんど本だ…」
引っ越し業界では、スチールラックやカラーボックスは家具のうちに入らないとはじめて知った。
3月15日なんて時に越したので、お値段13万。
一社、8万という所があったのだが、他の会社との値段の開きになんか怖くて、真ん中の値段を提示した会社にした。
パンダの会社である。
次の引っ越しも業者を頼むつもりだから、本は少ない方がいい。
こないだ部屋の模様替えをしたときざっと数えたら、1000冊は超えている。
おかしい、一昨年1000冊ほど処分したのだが…
林望が読みたい
林望の著作はどうも、Kindleになっているものが少ないようだ。
心は「イギリスはおいしい」になっている。
ん-、と思ったいたら「家めしの王道」という本を見つけた。
林望=イギリス料理、ならば、林望=料理でもいいか。
読んでみるか。
KindleUnlimitedだし。
単純明快なシンプルレシピ
林望の料理のモットーは単純であった。
1、合理的に作る
2、手早く調理する
3、既成概念に囚われぬ発想
4、健康に留意する
5、ふつうの材料を使う
3以外は、私の料理に対する考え方と一緒だった。
ラムとインゲンの塩炒め
ソーセージとリンゴの炒めたの
豚スジの煮こごり
豚軟骨の煮物
などはすぐに作れそうだ。
冷凍庫にあく抜きした豚スジ残ってるし。
ま、困るのはこの食べ物はご飯のおかずであって、今の私は米のメシは食いたくない。
どこに売っているのか
源氏物語ゆかりの巨大瓜を食らう、という章は驚いた。
あの、なよなよした花から瓜科最大の実をつけるらしい。
スーパーなどで売ってることはまずなく、林望も親類からもらったとある。
私は実は冬瓜も食べたことない。
こないだいった八百屋で「シマウリ20キロ980円」とあったが、似てるのかなあ?
20キロの瓜など、30キロくらいの樽を買って奈良漬けにするしか思い付かない。
ともかく、林望はここでもシンプルに「夕顔と油揚げの煮物」を作った。
じっくり煮込んでもこりこりして、でも全体につるりとした癖のない味わいらしい。
冷やしてもうまそう。そうめんの時に箸休めとして一鉢あるといいだろう。
巨大マグロのカマ焼き
この間、件の八百屋で巨大マグロのカマ焼きを見つけた(この八百屋は、山の奥にあるのに新鮮な魚屋と懐かしい量り売りの肉屋も併設している)。
林望は冷凍のカマを手に入れたのでオーブン焼きにしていたが、冷凍した魚は生臭いのではないかと思っていたら、きっちり下処理をしてから、タマネギ、セロリ、ニンジンなど香味野菜を組み合わせるということで問題をクリアしていた。
なかなか乙な肴になりそうだけど、今は酒をやめてるしなー。
ちなみに八百屋で見かけた巨大なカマ焼きは買わなかった。
どう見ても4人分はあったのだ。
謎のおせち料理
わが家ではおせちを食べる習慣がない。
子供の頃からおせちを食べたことがなかったのだ。
正月は、祖母の好きな数の子だけ用意され、後は餅(雑煮、ぜんざい、きなこ、バター醤油)だけだった。
ひとり暮らしになって、北と毎年正月を過ごすようになり、何回かおせちを手作りしたが、考えたら北は冷めた料理が嫌いだった。
煮染めも、伊達巻きも、黒豆も、作った私がいうのも何だが、私自身も嫌いだし。
大晦日はお高めの店でお刺身の盛り合わせとお寿司を買い、元旦は昼はぜんざい、夜はアヒージョと何年か前から決まっている。
林家では、「芋玉」という変わったおせち料理が出てきたそうだ。
衣をつけないコロッケのようなもの。
北は芋が好きだから作って見てもいいかもしれないが、この肉の入ってない芋玉はやはり彼は気に入らないかもしれない。
これは林望のせいでは決してないのだが、「芋玉」をいうワードは、江戸川乱歩の「芋虫」を連想させる。
うーん、やっぱり作らないかも。
普段着のお菓子
林望は健康食品として、酒粕を使った料理をよく作っている。
それはお菓子作りにも使われて、酒粕スコーンなど作っている。
どうもさくさく、というよりねっとりしたまんじゅう風のものが出来るらしい。
うちは、北が牛乳寒天が好きなので夏でも冬でも気が向いたら作る。
自分用には、毎日飲むものとして麹甘酒を仕込む。
たまにチョコレートマフィンくらい。
面倒くさがりなので、焼きっぱなしのお菓子がいい。
リンゴと紅茶のマフィン、カボチャマフィン、メレンゲのしっとりクッキー(メレンゲだけで焼くのだが、何回作ってもさくさくにならず妙にねちゃねちゃした物体が出来る。北はうまいと気に入ってるのでいいのだが甘すぎるので私は食べない)、親友の好きなとろとろプリン(ここで余った卵白がしっとりクッキーになるのである)、甘さ控えめのシフォン、これくらいか。
食べる、ということは、生きるということと等価だと言ってもいいかもしれない。
あとがきにあったこの言葉は。拒食症気味の摂食障害を持つ私には刺さった。
食べるとは限りなくシンプルに。
しかし創造性をなくして調理しても食してもいけない。
常に五感をフルに使って、見て楽しみ、嗅いで楽しみ、シンプルだからこそ奥の深い料理を作る。
ちなみに、北は外食するくらいなら君の作った料理がいい(15分しかかからない簡単なものでも)と言う。
ま、惚気である。
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