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僕を呼んで

終電を逃してしまい
君が少しだけ呆然と
暗い線路の向こうを
煙るような目差しで
見つめていた秋の夜

いつも気の強い背が
妙に細く見えたんだ

タクシーを待つ時間
僕の買った缶の紅茶
手のひらに包み込み
じっと消えてく湯気
眺めている君は今日

昔の彼氏の結婚式で
新婦より輝いていた

その鮮やかさが今は
夏の影と一緒に消え
まるでちいさな少女
たよりなく見えるよ

「僕の家に来る?」

思わず口にして出た
言葉に驚愕したのは
君じゃなく僕だった

君は酔いのかけらも
残ってない覚めてた
そしてけむるような
瞳で僕を見つめてる

弱みにつけ込む様な
卑怯な誘いには君は
いつもの気丈な態度
だけど少し淋しげに
きっぱりと首をふる

ずっとそばにいたい
だから貴方との間に
そういう不純なこと
持ち込みたくないの

君の囁く様な声音が
痛みと一緒に愛しさ
二つの感情を与える

君と元彼が付き合う
ずっと前から僕たち
友達関係を拗らせて
なんだかもう腐れ縁

今更なのか?けれど
君が泣きたい夜には
いつでも僕を呼んで

タクシーに乗り込む
君がふっと振り向く

「乗っていかない」

いたずらっ子の様に
言う君はいつもの姿

首を横にふって僕は
君を見送るよここで

もう夜にはく息は白
そんなものが僅かに
二人を迷わせるけど

君が僕を友達と思う
それだけでいいんだ

夜の寒さ凍える時も
僕がここにいること
わすれないでお願い

それでいい、本当に




【自己お題】

TM NETWORK  RESISTANCEの歌詞を使って

夜の寒さ凍えるときも


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