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学生が始める学食のロス削減   ー環境省✖️TABETE “ No Food Loss!” Youth Action Projectの参加を通して学んだこと③現状把握(学食インタビュー、利用者アンケート)編

10/28の初回mtgでは、フードロス削減の施策を考える際、取り組むべきポイントを明かにする必要があることが分かりました。それを受けて今回は学食のフードロス発生の現状調査を行うことで実態を把握することを目指しました。
 ここでは現状調査4つのうち
❶学食インタビュー(11/2)❷利用者アンケート
についてを取り上げます。

1. 学食はどのように運営されているのか?
❶学食スタッフの方々へのインタビュー


学食のフードロスを考える上で実際に毎日学食を作ってくださるスタッフの方々がどのように学食を運営されているのか分からずにアクションを進めることは難しそうです。

アクションの実施に向けてまずは学食のフードロスの現状把握をするために学食を提供、運営しているスタッフの方に11/2に2時間程度のインタビューを行いました。

今回のインタビューでは学食の運営についてと、初回mtgで学んだフードロスが発生する8つのポイントごとになぜ、どのようなゴミが出ているのかロスが出ないように工夫していることなどを学食のスタッフの方々に質問をしました。

実際の質問リストはこちら↓

それぞれの質問の意図が知りたい方はこちら↓

2.調理前:発注時の個数単位での調整などの工夫で廃棄は基本的になし!

調理前

インタビューでは、「調理前」の段階である計画、発注、保管のポイントではスタッフの方々がロスが出ないように工夫して下さっていることが分かりました。

発注時:
・サラダなどで使用する野菜以外はなるべく冷凍のものを使うことで長期保存が可能になる。
・野菜や肉は2日前までキャンセルが可能であるため、直前で天候などを考慮して発注の量を調整する。

保管:
・前日に納品された食材を当日中に全て使い切ることを目指している。
・食材は賞味期限と開封した日を書いたシールを貼って期限を可視化する。
・期限が近いものが冷凍庫の手前に位置するよう、並べ替えて保管している。

3.調理中:その日ごとの柔軟な対応でロスの削減に配慮!

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インタビューでは、「調理中」の段階である調理のポイントでは、利用者数に注意して作る量を調整するなど、ロスが出ないように臨機応変に対応していることが分かりました。

調理:
販売予定数よりも少なめに作り、後から追加で調理をする。これによって臨機応変に対応することが可能になる。
・野菜の切り方など調理の仕方では、「できるだけ捨てるところを少なくするように」と伝えている。(ただしマニュアルなどがあるわけではなく、それぞれの感覚に任せている。)
・野菜クズ(玉ねぎや人参の皮など)もカレーやスープの出汁をとるのに使用している。
・基本的には当日中に使い切るようにしているが、みそ汁の具材など翌日でも提供できるものが余った場合には翌日のメニューを変更し、翌日に使う。(ただし学校給食衛生管理基準により、翌日使用できないものが多くある。そのため翌日使用することには頼らず、あくまで当日中に使い切るようにしている。)

4.調理後:売れ残りの廃棄はださない!

調理の後

インタビューでは、「調理後」の段階である売れ残りの管理、食べられるかの判断、捨て方のポイントでは、提供されずに売れ残って廃棄されるものはスタッフの方々が食べてしまうため、基本的にはないことが分かりました。

売れ残りの管理(再利用):
・余ってしまったものはスタッフ方々の賄いとなり食べきるので、基本的に提供されずに残って廃棄することはない。

食べられるかの判断:
・廃棄の基準は主に2つ。
 1.賞味期限、消費期限に従う、
 2.開封後20日以内に使い切るという会社のルール。
(また、別途野菜の傷み具合は目視で判断することもある)

捨て方:
・2日分まとめて廃棄する。
廃棄したものは回収されて豚の飼料へとリサイクルされている。

5.学食の受け取りは流れ作業でよいのか?

ブラブラ


学食のスタッフの方にお話しには、彼女がいかに食べ物を大切に思いロスが出ないような工夫をされているのか、その食べ物に対する情熱がにじみ出ていました。

しかし、お話の中で学生の多くがスマートフォンを見ながら食事を受け取るため、学食はコミュニケーションの場になっていない、ということが分かりました。

スマートフォンに気をとられると、苦手なものなどをスタッフの方に伝えることはなかなか難しいのではないでしょうか。これは、学食のスタッフの方の感覚であるためまだデータに基づいたものではありませんが、
私たちはこのコミュニケーション不足が食べ残しの要因のひとつであるのではないか、、と考えるようになりました。

私たちはコミュニケーションを活発に行うことが食ロスの削減につながると考えましたが、学食スタッフの方々も学生とのコミュニケーションをもっととりたいと思っていたため、「目指すビジョンが同じである」ということが分かりました。

インタビュー

6.学食の利用者は学食でどのような行動を取っているのだろう?❷学食利用者アンケートの実施 

学食アンケートでは学食をつくるスタッフの方々の現状把握を目指しましたが、実際に学食の利用者はどのようなことを考えてどのような行動を取っているのでしょうか?

私たちは、学食の利用者の現状を把握することを目的に学食の利用者アンケートを行いました。

実施目的:学食利用者の現状把握実施手法:google formによるアンケート実施日時:2020/11/~2020/11/(日間)
周知方法:URLをSNSで拡散、大学の授業内で協力の依頼など。回答者の属性が特定のものに偏らないよう様々な場所での周知を行った。

実際の質問項目の一覧はこちら。↓

7.アンケートの集計結果:食べ残している人は配膳時にコミュニケーションをとっていない!

 利用者アンケートでは〇日間で計〇人の方々に回答して頂くことが出来ました。(当初100人以上集めよう!と目標を立てていたのですが、無事達成することができました!😊)

実際の利用者アンケートの集計結果はこのようになりました!↓

 アンケートの集計結果で注目すべきことに「学食で食べ残すことがある」と答えた利用者にはなにか共通点はあるのか、ということがあります。

今回の集計結果では、その共通点は、
学食でのご飯の受け取り時(配膳時)に学食のスタッフの方々とコミュニケーションをとらない
ということでした。これは学食インタビューで学食のスタッフの方もおっしゃっていた学生のコミュニケーション不足とも重なります。

8.その後のアクション:ゴミ調査をすべし


今回のインタビューとアンケート結果から、食べ残しには「学食スタッフとのコミュニケーション」が関わっているのかもしれない、ということが浮かんできました。

それでは実際に私たちの学食ではどのようなロスがどの程度出ているのでしょうか?
④第1回ごみ調査編へ続く…
 



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