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私の歩みと文房具フェチと

 私の受けている講座は三か月タームで、次申し込むと三期続けることになる。いつまで続けるかは分からないが、来期も申し込んだ。

 もっと厳しい講座に乗り換えるべきでは、と思うこともある。でも、他の参加者の性格を掴めてきて、まずこの人たちに見せたいという思いが出てきた。毎月決まった時期に、まとまったものを書くという習慣を失くしたくない気持ちもある。なんなら、デビューしたとしても、しばらく講座を続けたいくらいだ。お金を払うことで、こんなに強制力が働くとは思わなかった。賞が取れましたと講座で報告できるといいなぁと思う。

 noteでも読み手不足感はあるだろうから、編集者や添削指導をしているような人が、毎月有料で講評するサービスをリリースしたら、需要があるのではないか。既にやっている人はいるのかな。


 そんな訳で(?)、とりあえずもう少しの間は家で仕事をしながら書こうと思っている。とはいえ漫然と今の仕事をするのではなく、今と同種の仕事を、別の会社からも受注できないかと試験を受けていた。

 仕事は、文章に関係するかもしれないと選んだものだけれど、仕事をしている間は仕事に追われて書けなくなるので、本当に効いているのか疑問だった。私の場合、たとえ少額でも自分固有の収入がないと、自己肯定感が下がる。自己肯定感が下がると書けなくなるので、仕事と創作はそういう意味でも二律背反の諸刃の剣。葛藤していた。

 先月受けたある会社の試験で、小論文が出た。普段、人の文章を直すことはしていても、テーマに沿って書くことはあまりしていない。自信ないなあ……と書きはじめたが、推敲なしで魔法のように書けた。小論文だからできたのであって、創作に効いているかは分からないけれど、やっぱり頑張っていたんだな私、と思った。


 今の会社で、業務用ペンとして指定されたのがぺんてるのエナージェルだ。このペンは、長らくジェットストリーム派だった、私の意識を変えた。たっぷりと出るインクの、滑らかな書き味。仕事ではインクをケチるためと見た目のために0.3か0.4にしているけれど、本当は0.5で使いたい(細かい)。仕事の種類が少し変わり、ペンの指定がなくなった今も、未だにエナージェルを愛用している。

 エナージェルについて唯一不満なのは、見た目がチープなことだ。しかし、サラサの高級ラインがあることを知って、エナージェルにもあるかもしれないと思った。ありました。

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 先ほど私はチープだと悪口を言っていたが、プラスチックで軽いから書きやすいという側面もあったはずだ。この金属筐体のものは腕がたるくならないか心配だったけれど、毎日何枚もの原稿を手書きで書くのでなければこれで十分だ。白を買ったのだけれど、画像のターコイズブルーも色違いで欲しいくらい。毎晩日記を書く時に使ったり、創作ノートにゆっくり書きたい時に使っている。

 小論文課題のあった会社から採用通知が来た。その会社は、デスクペン(万年筆)が指定文具だった。また、筆差しの文具が増える。私、そんなに文房具マニアじゃないのに……。しかしよく見ると、シャープペンだけで、製図用にも使える細いもの、MONOgraph、0.9ミリ対応のコクヨの三種類ある。ペンも、ジェットストリームと万年筆とbrenとエナージェルがある。これだけ揃っていたらまあまあマニアではないのか。まだまだ私は沼の入り口にすら入っていないと思いたい。

 文具沼は深い。読書の分野でも、ブックカバー、装丁、色々な沼があるだろう。私は、もちろん素敵なブックカバーや装丁には惹かれるけれど、本というのは中身が大事だと思う方だし、所有の本は傍線やドッグイヤーで汚してこそという考え方にやや近い。一方で、本が好きと言うと、「さぞ本を大事に扱っているんでしょうね」という受け取られ方をされがちだ。

 以前、好きだった人に「君は(当然)本を伏せて置いたりしないよね」という趣旨のことを言われて、ギクッとしたことを思い出す。装丁の美しい本の展覧会について、君は興味あるよね、という体で紹介された時も、実は本質的ではないと思っているんだよねーとなんとなく後ろめたかった。私を喜ばせようとして言ってくれたんだと思うから、黙っていたけれど。今になって、自分の意思とは関係ないところで筆マニアにさせられている。

 パイロットのkakunoは、キャップに通気口があるせいでペン先が乾きやすいらしい。この孔は買ったらすぐにテープなどで塞ぐのが常識ということをAmazonレビューを通じて知り、早く教えてよ、と思った(早く調べなさいって話だが)。筆マニアは、キャップも本体もクリアなものを選んで、お気に入りのインクをコンバーターに入れて並べるらしい。うっ、それは美しい。クリアkakunoを買いたくなるし、インク沼にはまりたくなるではないか。

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