Effective Altruism Japan

効果的利他主義(Effective Altruism)に関する記事を投稿します。 ご関…

Effective Altruism Japan

効果的利他主義(Effective Altruism)に関する記事を投稿します。 ご関心のある方は、ホームページの方もご確認下さい。(https://www.eajapan.org/

マガジン

  • 80,000 Hours キャリアガイド

    オックスフォード大学の研究者らとともに10年以上にわたって行ってきた調査に基づいたキャリアガイドです。原文はこちらからアクセスできます。https://80000hours.org/career-guide/

  • 第1章 効果的なマインドセット

    もし自分の時間やお金を使って人を助けたいと思うなら、できるだけ多くの人を助けたいと思うのではないでしょうか。しかし、助けるために使える時間は限られているので、少人数よりも多人数を助けることができる介入策に焦点を当てれば、より大きなインパクトを与えることができるでしょう。 しかし、そのような介入策を見つけ出すことは非常に困難です。このためには、既存の考えを守ろうとするのではなく、真実を追求しようとする「スカウトマインドセット」が必要になります。

  • 第2章 インパクトの差

    約7億人の人々が未だに貧困にあえいでおり、その大半は低所得国に住んでいます。政策改革や現金給付、保健サービスの提供など、貧困にあえぐ人々を支援する活動は、極めて効果的である可能性があります。 本セッションでは、この問題を調査するとともに、ある介入策が他の介入策よりもどれだけ効果的であるかを議論し、重要な数字を推定するための簡単なツールを紹介します。

  • 第3章 革新的な思いやり

    私たちは人間以外の動物のことも気にかけるべきでしょうか?変わったトピックや変わった受益者を無視するのではなく、公平に気にかけることが重要であることを紹介していきます。

  • 第4章 人類最後の世紀?

    人類は、「存亡リスク」に直面しているようです。すなわち、我々の長期的な可能性をを自ら破壊する可能性があるということです。存亡リスクがなぜ道徳的な優先事項なのか、そしてこの重要事項がなぜ社会から見過ごされていのるかを検討していきます。また、また、私たちが直面するかもしれない大きなリスクのひとつ、COVID-19よりも深刻な人為的パンデミックについもて考えていきます。

最近の記事

【キャリアガイド】終章:愉快な結びなの言葉 ~死の床を想像して~

今から全ガイドを1分で要約しよう。でもその前にまず、あなたが80,000時間のキャリアの最期を迎えたという愉快な想像をしてみて。 死の床に伏したあなたは人生を回顧している。 あなたが後悔しそうなことは? ひょっとすると、一番簡単そうな選択肢に流されたり、親と同じことをしていたりしたかもしれない。 もしかすると、興味があることをして、大金を稼ぎ、立派な家や車を手に入れているかもしれない。でも、「一体全体何のためにしたんだ?」と思い巡らしているかもしれない。 今度はその

    • 【キャリアガイド】第12部:キャリアの向上に最も効果的な方法のひとつーコミュニティに参加すること

      哲学の学位を取得してすぐに、成功する費用対効果の高い慈善事業を始められる立場にある学生は多くない。しかし、トーマスが2018年にロンドンで開催された「効果的利他主義」カンファレンスに出席したとき、彼は工場畜産動物に大きなインパクトを与えることができる非営利団体を立ち上げる機会を見いだした。 そのコミュニティを通じて、彼はアドバイスと資金援助を受け、インキュベーション・プログラムに参加することになった。トーマスが立ち上げた慈善団体であるFish Welfare Initiat

      • 【キャリアガイド】第11部:仕事の見つけ方のアドバイス

        This is a Japanese translation of “All the best advice we could find on how to get a job ”[1] 仕事の見つけ方のアドバイスの殆どは役に立たない代物だ。 CollegeFeed の一番の面接の助言は「自信を持て」らしい。そんなの「雇用価値を見せろ」と言うようなものだ。 殆どのアドバイスは「爪をきちんとして、しっかり握手する」の類だ。 YouTubeで一番有名な面接動画の一つ(80

        • 【キャリアガイド】第10部:キャリアプランの立て方

          私たちはよく、今後10年、20年の間に自分が何をすべきかを考えようとする人たちから相談を受ける。また、自分にとっての「ぴったりなキャリア」を見つけたいと言う人もいる。 ここで厄介なのは、これまで見てきたように、人生計画というものはほぼ確実に変更されるだろうということだ: あなたは変わるだろう — あなたが思っている以上に 世界は変わるだろう — 今ある多くの産業は、 20年後には存在しなくなっているだろう。 何が自分にとって最善なのかをより深く知ることができるだろう

        【キャリアガイド】終章:愉快な結びなの言葉 ~死の床を想像して~

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        • 80,000 Hours キャリアガイド
          14本
        • 第1章 効果的なマインドセット
          10本
        • 第2章 インパクトの差
          10本
        • 第3章 革新的な思いやり
          9本
        • 第4章 人類最後の世紀?
          11本
        • 第5章 どんな未来が待ち受けているのか
          8本

        記事

          【キャリアガイド】第9部:どんな仕事においてもより成功するためのエビデンスに基づいたアドバイスの数々

          自己啓発に関するアドバイスの厄介なところは、多くの場合、ほとんどエビデンスに基づいていないことだ。 例えば、目的を達成するためには「ポジティブに考えなさい」と何度言われたことがあるだろうか。これは高校の先生からベストセラー作家のキャリアの専門家まで、あらゆる人に愛されている最もポピュラーな自己啓発のアドバイスだろう。このスローガンの背景にある重要な考え方の一つは、理想の未来を想像すれば、そこに到達できる可能性が高くなるというものだ。 これのどこに問題があるのだろう?最近の

          【キャリアガイド】第9部:どんな仕事においてもより成功するためのエビデンスに基づいたアドバイスの数々

          【キャリアガイド】第8部:あなたにとって適切なキャリアの見つけ方

          自分の得意な仕事を見つけることが重要だと誰もが言うが、その方法を教えてくれる人はいない。 標準的なアドバイスは、「才能を見つける」まで何週間も考え続けることだ。キャリアアドバイザーはあなたの興味や好みに関する質問をして手助けをしようとするし、休みを取り、深く考え、さまざまな選択肢を想像し、自分のモチベーションを真に高めるものを見つけることを勧めてくる人もいる。 しかし、先の記事で見たように、ほとんどのことにおいて本当に熟達するためには数十年の練習が必要である。したがって多

          【キャリアガイド】第8部:あなたにとって適切なキャリアの見つけ方

          【キャリガイド】第7部:長期的に最も有利な立場に就ける仕事とは?

          モーツァルトは最も有名な神童の一人だが、彼の父親が世界的に有名な音楽教師であり、3歳からモーツァルトを教育し始めたことはあまり知られていない。モーツァルトの妹も優れた演奏家であった。これは三人が一緒に演奏している姿の絵である。優れた能力は沢山の練習なしには存在しえない。 世間はモーツァルトや、マララ・ユスフザイス、マーク・ザッカーバーグ等、若いうちに大きな成功を収めた人をもてはやしがちである。フォーブス誌の30 Under 30(30歳未満の30人)など、あらゆる種類の若い

          【キャリガイド】第7部:長期的に最も有利な立場に就ける仕事とは?

          【キャリアガイド】第6部:人々を最も助ける仕事は何か?

          スーパーマンはその当初から、毎日何十人もの命を救ってきました。 「そこまでだ、悪党!」 しかし、彼はもっと多くの命を救えるとわかったのです。 「犯罪を止める代わりに、飢えてる人たちのために大量の穀物を運んだら?」 「ああ、はい...」 私たちは、命を救うよりよい方法を探しています。 「新しいプランだ。君の力で貧困下の国の畑を耕して来たまえ。長期的に見ればそちらの方が良いと経済学者は言っている。」 「でも...」 「ぐずぐずしている今この瞬間にも赤ちゃんたちは死んでいくんだ

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          【キャリアガイド】第5部:世界で最も重大な課題群は?真っ先に頭に思い浮かぶものが正解ではない理由

          私たちはこの十数年、次のシンプルな問いについて考えてきた。世界で最も規模が大きく、見過ごされている課題は何なのか? 私たちはキャリアを通してポジティブなインパクトをもたらしたいという思いのもと、私たちの努力が最も大きな効果に結びつく領域はどの分野なのか探究してきた。 私たちの分析結果によると、適切な課題に取り組むことで、あなたがもたらすインパクトを100倍にも高めることができる。これは、インパクトを高める上で最も重要な鍵となるのだ。 私たちが学んだことを以下に要約する。

          【キャリアガイド】第5部:世界で最も重大な課題群は?真っ先に頭に思い浮かぶものが正解ではない理由

          【キャリアガイド】第4部:良いことをしたい? どの分野に注力すべきかを決める方法について

          もしあなたが自分のキャリアの中で人の役に立ちたいと思うならば、まずはグローバルな問題のうちどれが最も重要視されるべきものであるかを考えてみるのがよいでしょう。 取り組むべきは教育、気候変動、貧困、あるいは何でしょうか? あなたが最も興味のある問題に取り組みなさいというのがよくあるアドバイスですが、結局ほとんどの人は自分の目に最初にとまった社会問題に取り組んでいます。 19才にて気候変動に最も強い興味を持っていた我々の同志、ベンもまさにこれを実行しました。 これは抗議活動に

          【キャリアガイド】第4部:良いことをしたい? どの分野に注力すべきかを決める方法について

          【キャリアガイド】イントロ:ガイドを読むべき理由

          生涯を通してあなたがキャリアに費やす時間は合計約8万時間だ。週に40時間、年に50週間、それを40年間。その時間をどう過ごすかというのは、人生において最も重要な決断の一つだ。 賢く選択できたならば、やりがいのある面白い人生を送れるだけでなく、世界で最も喫緊の問題の解決に貢献できるだろう。しかし、どう選択すべきだろうか? この問題に答えるべく、我々は独立非営利団体を設立し、オックスフォード大学の学者と共に10年以上にわたって研究を重ねてきた。目的はただ一つ、あなたが可能な限

          【キャリアガイド】イントロ:ガイドを読むべき理由

          【キャリアガイド】第3部:どんな仕事であっても、誰もがソーシャルインパクトをもたらすことができる3つの方法 ~ エビデンスに基づいて ~

          どのようなキャリアを選んだとしても、チャリティへの寄付、アドボカシー活動、ボランティア活動によって、誰もが変化をもたらすことができる。 残念ながら、このような方法で善いことを行おうとする試みの多くは効果がなく、さらには実害を及ぼすものもあるのだ。 例えば、資金集めを兼ねたスカイダイビングについて考えてみよう。毎年、何千人もの人々が寄付金を集め、支持するチャリティへの注目を集めるために、飛行機から身を投げ出す。これは一見するとWin-winのように思える。寄付を集める人は、

          【キャリアガイド】第3部:どんな仕事であっても、誰もがソーシャルインパクトをもたらすことができる3つの方法 ~ エビデンスに基づいて ~

          【キャリアガイド】第2部:一人の人間がどれだけの変化をもたらすことができるのか?についてのエビデンス

          一人の力では、何も変えられないと感じることはよくある。世界には数多くの大きな問題があり、それらは往往にして解決不可能のように思える。 だからこそ、人々がキャリアを通して善いことをするのを支援するために80,000 Hoursを立ち上げた時、まずはじめに考えた質問の1つは「一人の人間が実際にどれだけの変化をもたらすことができるのだろうか?」ということであった。 私たちは、善いことを行うためのよく知られた方法の多く(例えば医師になるなど)は思ったよりインパクトが小さく、特定の

          【キャリアガイド】第2部:一人の人間がどれだけの変化をもたらすことができるのか?についてのエビデンス

          【キャリアガイド】第1部:理想の仕事とは?60以上の研究を調査した我々の結論

          人間、誰しも楽しくて有意義な仕事を望むものだろう。だがそれは一体どういう意味なのだろうか? ある人にとっては、ふとしたきっかけで自分の情熱を見つけることかもしれないし、違う人にとっての理想の仕事の重要点は楽で高給であることかもしれない。 満足のいく人生及びキャリアの要因について、我々は過去30年にわたる60以上の研究を検討してみたが、これらの意見を裏付ける根拠は見つからなかった。 その代わり、理想の仕事の鍵となる6つの要素を見つけた。収入は含まれないし、かといって「情熱

          【キャリアガイド】第1部:理想の仕事とは?60以上の研究を調査した我々の結論

          ウィリアム・マッカスキル「効果的利他主義の定義」

           今日、世界にはさまざまな問題がある。7億5千万人以上の人々が1日1.90ドル以下(購買力平価換算)で生活している[1]。マラリアや下痢、肺炎など、簡単に予防できる原因で、毎年約600万人の子どもたちが亡くなっている[2]。気候変動は環境に大打撃を与え、経済に何兆ドルもの損失をもたらすと言われている[3]。世界の女性の3分の1は、性的または身体的な暴力に苦しんだことがある[4]。3,000発以上の核弾頭が世界中で高い警戒状態(high alert)に置かれていて、短時間の内

          ウィリアム・マッカスキル「効果的利他主義の定義」

          既定路線は破綻する

          この記事では、私たちは非凡な時代だけでなく、非凡な世紀に生きているという論を展開していきます。このシリーズのこれまでの記事では、100年先に起きるか10万年先に起きるかわからないものの、ゆくゆくは到来する可能性がある、奇妙な未来について話しました。 この記事の概要: 私たちは、世界経済が年率数パーセントのペースで成長していくことが当たり前だと思っています。それが何世代にもわたって続いてきたからです。 しかし、これは非常に異常な状況なのです。歴史をより全体的に概観してみ

          既定路線は破綻する