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【キャリアガイド】終章:愉快な結びなの言葉 ~死の床を想像して~

こちらは “The end:A cheery final note – imagining your deathbed”の日本語訳です。[1]

今から全ガイドを1分で要約しよう。でもその前にまず、あなたが80,000時間のキャリアの最期を迎えたという愉快な想像をしてみて。

死の床に伏したあなたは人生を回顧している。

あなたが後悔しそうなことは?

ひょっとすると、一番簡単そうな選択肢に流されたり、親と同じことをしていたりしたかもしれない。

もしかすると、興味があることをして、大金を稼ぎ、立派な家や車を手に入れているかもしれない。でも、「一体全体何のためにしたんだ?」と思い巡らしているかもしれない。

今度はその代わりに、生涯を通じて懸命に働き、100人の子どもたちの命を救うことになったと想像してみて。そうしたことを後悔する自分を想像できるだろうか?

本当に充実した人生を送るためには、自分の内側ではなく、外側に目を向ける必要があるのだ。「自分は何に情熱を感じるのか?」と問うのではなく、「どうすれば世界に貢献できるのか?」と考える。

これまで見てきたように、恵まれた境遇を活かし、戦略的に行動することで、他者を助けるためにできることは膨大にある。そして、それらはほとんど犠牲を払うことなく、より満足のいくキャリアを送り、より成功しながらも実行することができるのだ。

全ガイドを1分で要約

より良いキャリアを築くには、貢献できることをする。一瞬の閃きによって自分の情熱を見つけることを期待するのではなく、自分に適したものについてより知っていくこと、価値のあるスキルを習得すること、そしてそれらを人のために役立てていくことで、仕事を通して得られる充実感は時間と共に増していく。(第1部)

貢献するためには、役に立つスキルを身につけ、有意義な課題にそれらを応用する。ここでは、そのために時間をかけて集中的に取り組むべき3つの主な段階を紹介する。

  1. 「直感に従う」のではなく、または早い段階で絞り込むのではなく、最良の選択肢を見つけるために、重要な不確実要素探索し、調査する。長期的な選択肢に十分な自信を持ち、1つの選択肢に賭けることができるまでは、この段階に集中して取り組む。(第8部

  2. できる限り自分の潜在能力を発揮するために、キャリア資本を築く。つまり、自己啓発に投資するだけでなく、総じて自分のスキル、評判、人脈、人柄を向上させ、自分のビジョンに向かって最も加速して近づけるような仕事を探そう。最良の自己投資の機会を得るまでこれらを続ける。(第7部第9部

  3. 応用する。他の人を効果的に助けるために、自分のキャリア資本を活用する。そのためには、自分がたまたま遭遇する社会問題ではなく、最も緊急性の高い社会問題、つまり規模が大きく、見過ごされがちで、取り扱いやすい問題に集中して取り組む。(第2部第4部第5部

それらの問題に最大限の貢献をするためには、初めに思いつくような直接的な支援に取り組むキャリアだけではなく、研究、アイデアの伝達、コミュニティづくり、組織づくり、政府・政策のキャリア、寄付するために稼ぐなどの選択肢を幅広く考えることが大事である(第6部)。そして、最も個人的適性のある道に集中する(第8部)。

他者を助けようとする試みの多くは失敗に終わるが、そのうち最も優れたものはとてつもなく効果的なので、意欲的に取り組もう。もちろん、どんな仕事でも大きなインパクトを与えられることはお忘れなく(第3部)。

上記に取り組みながらも、自分に最も適したキャリアを見つけるために、プランを調整し続ける。科学者が仮説を検証するように考えていく。最善の推測を立て、重要な不確定要素を明確にし、それらの不確定要素を調査する。最善の長期的ビジョンについてある程度の考えを持ちながらも、次の最良のステップを見つけることに多くの注意を払う(逆算思考と積み上げ思考の両方)。直接的に大きな悪影響を与えるような仕事は、たとえそれによって大きなインパクトを発揮できると思えたとしても全て除外すること。それぞれのステップごとに、学び続け、スキルを向上させれば、時間をかけてより良いキャリアを築くことができる。(第8部第10部

コミュニティを探しながら、より成功するために(ストレッチとバックアップの両方の選択肢に)幅広くスキルを応用していく。(第11部第12部

お互いに協力し合うことで、私たちが生きている間に、次のパンデミックを防ぎ、AIリスクを軽減し、世界における極度の貧困と工場式畜産を終わらせることができる。そして、面白くて充実した人生を送りながら、それを実現することができる。だから、一緒にやってみよう。

あなたのキャリアは80,000時間。

無駄にしないで。


脚注

  1. 本文の注に関しては原文を参照してください。

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